精算表
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
出題区分表 第三 2「精算表(8桁)」。
第 3 問の代表的な出題形式です。ただし精算表そのものに新しい知識はほとんどありません。
中身は 売上原価の算定・費用・収益の繰延べと見越し・その他の決算整理・
決算整理の仕上げ の決算整理仕訳で、精算表はそれを置く場所にすぎません。
仕訳が書ければ、あとは横に移すだけです。
0. どういう処理か
8 桁精算表は、4 組の借方・貸方=8 つの金額欄でできています。
| 勘定科目 | 残高試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | |
| 現金 | 280,000 | 280,000 | ||||||
| 仕入 | 600,000 | 40,000 | 55,000 | 585,000 | ||||
| 支払保険料 | 120,000 | 90,000 | 30,000 | |||||
| 前払保険料 | 90,000 | 90,000 |
やることは 3 つだけです。
- 決算整理仕訳を「修正記入」欄に書く(借方は借方欄、貸方は貸方欄)
- 残高試算表 ± 修正記入を計算する
- その勘定の分類に応じて、損益計算書欄か貸借対照表欄へ横に移す
3 の行き先は勘定の分類だけで決まります。
| 要素 | 移す先 | どちらの列 |
|---|---|---|
| 資産 | 貸借対照表欄 | 借方 |
| 負債・資本 | 貸借対照表欄 | 貸方 |
| 費用 | 損益計算書欄 | 借方 |
| 収益 | 損益計算書欄 | 貸方 |
つまり 勘定と仕訳 の勘定記入法則がそのまま効きます。新しい規則はありません。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 加減は「同じ側なら足す、反対側なら引く」
- 修正記入で新しく出た勘定は、空欄行に書き足す
- 当期純利益は損益計算書欄の借方、貸借対照表欄の貸方
1. 修正記入欄の書き方
根拠: 出題区分表 三-2
精算表の修正記入欄には何を書く?
決算整理仕訳をそのまま書く
仕訳の借方は修正記入の借方欄に、貸方は貸方欄に。
精算表用の特別な書き方は無い。仕訳が作れれば埋まる。
決算整理仕訳で初めて出てくる勘定(前払保険料など)は、精算表のどこに書く?
残高試算表欄の下にある空欄行に、勘定科目名ごと書き足す
期中に無かった勘定なので、残高試算表欄は空のまま。
修正記入欄から先だけに金額が入る。
残高試算表の借方に金額があり、修正記入も借方に入った。
損益計算書(貸借対照表)欄にはいくら書く?
損益計算書(貸借対照表)欄にはいくら書く?
足した金額
同じ側どうしなら加算。
例:仕入 600,000(借方)+ 修正記入 40,000(借方) = 640,000
残高試算表の借方に金額があり、修正記入は貸方に入った。
損益計算書(貸借対照表)欄にはいくら書く?
損益計算書(貸借対照表)欄にはいくら書く?
引いた金額(残高試算表の側に残る)
反対側どうしなら減算。
例:支払保険料 120,000(借方)− 修正記入 90,000(貸方) = 借方 30,000
残高試算表の借方 ¥600,000、修正記入は借方 ¥40,000 と貸方 ¥55,000 の両方に入った。
最終的な金額と側は?
最終的な金額と側は?
借方 ¥585,000
600,000 + 40,000 − 55,000 = 585,000。
売上原価の算定(しーくりくりしー)では、1 つの勘定に修正記入が両側入る。
2. 横に移す先
根拠: 出題区分表 三-2
繰越商品は、精算表のどちらの欄へ移す?
貸借対照表欄の借方
繰越商品は資産。金額は期末商品棚卸高になっている
(修正記入で期首が消え、期末が入るため)。
貸倒引当金・減価償却累計額は、精算表のどちらの欄へ移す?
貸借対照表欄の貸方
資産のマイナスを表す評価勘定なので、貸方に残る。
借方に書いてしまうと貸借対照表欄が合わなくなる。
前払保険料・未収利息は、精算表のどちらの欄へ移す?
貸借対照表欄の借方(どちらも資産)
「保険料」「利息」という費用・収益の名前に引きずられて
損益計算書欄へ移さない。前払・未収は資産。
前受地代・未払家賃は、精算表のどちらの欄へ移す?
貸借対照表欄の貸方(どちらも負債)
前受・未払は負債。これも名前でなく分類で決める。
貸倒引当金繰入・減価償却費は、精算表のどちらの欄へ移す?
損益計算書欄の借方(どちらも費用)
貸倒引当金(貸方・B/S)と貸倒引当金繰入(借方・P/L)は別の勘定。
名前が似ているので行き先を取り違えやすい。
3. 当期純利益の求め方
根拠: 出題区分表 三-2
精算表で当期純利益はどう求める?
損益計算書欄の貸方合計 − 借方合計
収益の合計から費用の合計を引く。
差額を借方に書き足して、左右を一致させる。
当期純利益は、精算表のどこに書く?
- 損益計算書欄 … 借方
- 貸借対照表欄 … 貸方
同じ金額が 2 か所に現れる。
損益計算書欄では収益に足りない借方を埋め、
貸借対照表欄では資本の増加として貸方に入る。
当期純損失だった場合、精算表のどこに書く?
- 損益計算書欄 … 貸方
- 貸借対照表欄 … 借方
利益のときと左右が入れ替わる。
科目欄には「当期純損失」と書く。
精算表が正しく作れているかを、どう検算する?
損益計算書欄と貸借対照表欄が、それぞれ借方合計 = 貸方合計になっているか
当期純利益(損失)を書き入れたあとで、両方の欄が一致すれば正しい。
片方だけ合っている場合は、横に移す先を間違えている。
損益計算書欄で計算した当期純利益と、
貸借対照表欄の差額として出る金額の関係は?
貸借対照表欄の差額として出る金額の関係は?
必ず一致する
損益法(収益 − 費用)と財産法(期末資本 − 期首資本)が
同じ利益を示すため(→ 資産・負債・資本と収益・費用)。
一致しなければ、どこかの行の移し先か加減を間違えている。
精算表の問題で、決算整理仕訳が思いつかない項目に出会ったらどうする?
その行を飛ばして、他の行を先に埋める
精算表は行ごとに独立している。1 つ分からなくても、
残りの行と当期純利益以外は埋められる。
部分点を確実に取る。第 3 問は満点を狙う問題ではない。