みならいノート

簿記 3 級 2027年度版

その他の決算整理

みならいノートで覚える(無料)

このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

出題区分表 第三 3「決算整理(当座借越の振替、貸倒見積り、減価償却、貯蔵品棚卸)」。

売上原価(→ 売上原価の算定)と経過勘定(→ 費用・収益の繰延べと見越し)以外の
決算整理をまとめたノートです。第 3 問では、これらが 3〜5 個まとめて出題されます。

0. どういう処理か

決算整理には性格の違う 2 種類があります。

種類 何をするか 例
実態に合わせる 期末の事実を反映する 貸倒見積り、減価償却、貯蔵品棚卸
表示を正す 金額は正しいが、勘定の置き場所が不適切 当座借越の振替

このノートで扱う 4 つは、期中の処理(→ 貸倒引当金、減価償却と除却・廃棄、
預金)の決算時の続きにあたります。仕組みそのものは各ノートにあるので、
ここでは「決算で何をするか」に絞ります。

決算整理を解く順番は、問題文に並んでいる順ではなく、影響が及ばない順が安全です。

  1. 現金過不足・仮払金など、まず正体を確定させるもの
  2. 売上原価、貸倒引当金、減価償却など、金額を計算するもの
  3. 経過勘定
  4. 法人税等(利益が確定してからでないと計算できない)

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 当座借越の振替

根拠: 出題区分表 三-3

決算日に当座預金勘定が貸方残高になっていた。どう処理する?

当座借越(または借入金)勘定へ振り替える

借方 貸方
当座預金 ××× 当座借越 ×××

貸方残高は銀行に立て替えてもらっている状態、つまり負債。
資産である当座預金勘定にマイナスの残高を残したままでは、
貸借対照表に資産のマイナスとして載ってしまう。

当座預金の残高が貸方 ¥80,000 のときの決算整理仕訳は?

借方 貸方
当座預金 80,000 当座借越 80,000

借方に当座預金を書いて残高をゼロにし、
同額を負債(当座借越)として計上する。

当座借越への振替をしたあと、翌期首はどうする?

再振替仕訳で元に戻す

借方 貸方
当座借越 ××× 当座預金 ×××

決算日の表示を正すためだけの処理なので、
翌期は再びマイナス残高のまま処理を続ける。

複数の口座を持っていて、A 銀行の当座預金が借方残高、
B 銀行の当座預金が貸方残高だった。相殺してよい?

相殺しない。それぞれ資産と負債で表示する

銀行ごとに別の契約なので、A への預金と B への借り入れは別物。
口座ごとに勘定を分けている場合は、片方だけを当座借越に振り替える。

2. 貸倒れの見積り

根拠: 出題区分表 三-3

貸倒引当金の決算整理は、なぜ「差額補充法」なのか?

前期の見積もりが一部残っているから

引当金はすでにいくらか積んである。今期必要な額との差額だけを足せばよい。
全額を計上すると二重に積むことになる。

売掛金の期末残高 ¥800,000 に 2% の貸倒れを見積もる。
貸倒引当金の残高は ¥6,000。決算整理仕訳は?

借方 貸方
貸倒引当金繰入 10,000 貸倒引当金 10,000

設定額 800,000 × 2% = 16,000
16,000 − 6,000(既存の残高) = 10,000 が繰入額

設定額より貸倒引当金の残高のほうが多かった場合は?

超過分を戻し入れる

借方 貸方
貸倒引当金 ××× 貸倒引当金戻入 ×××

貸倒引当金戻入は収益。前期に積みすぎた分を利益に戻す。

貸倒引当金の設定対象になる債権は?

売掛金・受取手形・貸付金など、金銭を受け取る債権

問題文で「売掛金及び受取手形の期末残高に対して」などと指定される。
前払金・立替金のように金銭以外を受け取る債権は対象外の扱いになることが多いので、
指示に従う。

3. 減価償却

根拠: 出題区分表 三-3

減価償却の決算整理仕訳(間接法)は?

借方 貸方
減価償却費 ××× 減価償却累計額 ×××

固定資産勘定は減らさず、累計額を積み上げる。
計算方法(定額法・定率法)は 減価償却と除却・廃棄 を参照。

当期の 8 月 1 日に取得した備品(取得原価 ¥720,000、残存価額ゼロ、耐用年数 6 年)。
決算日 3 月 31 日の減価償却費は?

¥80,000

年額 = 720,000 ÷ 6 = 120,000
120,000 × 8 か月 ÷ 12 = 80,000(8 月〜3 月)

期中取得は必ず月割り。取得月を数え忘れて 7 か月としない。

決算整理前残高試算表に「減価償却累計額 ¥240,000」とあった。
当期の減価償却費を計算するとき、この金額はどう使う?

  • 定額法 … 使わない(取得原価から計算するため)
  • 定率法 … 使う(期首帳簿価額 = 取得原価 − 累計額)

どちらの方法かで、累計額が計算に要るかどうかが変わる。
定額法なのに累計額を引いてしまう誤りが多い。

4. 貯蔵品の棚卸

根拠: 出題区分表 三-3

貯蔵品への振替が必要になるのは、何が残っているとき?

未使用の収入印紙と郵便切手(およびはがき)

買ったときに全額を費用(租税公課・通信費)にしているが、
使っていない分はまだ費用になっていない資産。

決算日に未使用の収入印紙 ¥4,000、郵便切手 ¥1,500 が残っていた。
決算整理仕訳は?

借方 貸方
貯蔵品 5,500 租税公課 4,000
通信費 1,500

収入印紙は租税公課、郵便切手は通信費から振り替える。
貯蔵品の 1 行にまとめてよい。

収入印紙を買ったときの勘定と、切手を買ったときの勘定は?

  • 収入印紙 … 租税公課(費用)
  • 郵便切手・はがき … 通信費(費用)

どちらも買った時点で全額費用にし、期末に未使用分を貯蔵品へ戻す。

貯蔵品に振り替えたあと、翌期首はどうする?

再振替仕訳で費用に戻す

借方 貸方
租税公課 4,000 貯蔵品 5,500
通信費 1,500

翌期に使うものなので、翌期の費用に戻しておく。
経過勘定と同じ考え方。

このノートの 15 問を、暗記カードで復習できます

みならいノートで覚える(無料)

答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

前 費用・収益の繰延べと見越し
決算整理の仕上げ 次

このノートは無償で公開しています。当方は内容の正確性・完全性・最新性を保証しません。学習にあたっては、法令の原文・公式の出題範囲その他の一次資料を必ずご確認ください。試験への合格その他の効果を保証するものでもありません。

本文の転載・再配布はお断りしています(利用規約)。手元に置いて使いたい方は、ストアから Markdown ファイルとして入手できます。