みならいノート

簿記 3 級 2027年度版

費用・収益の繰延べと見越し

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

出題区分表 第三 3「決算整理(収益・費用の前受け・前払いと未収・未払い)」。

4 つの区別が付くかどうかがすべてです。名前が似ているうえ、
どれも「経過勘定」とまとめて呼ばれるので、資産か負債かが入れ替わりやすいところです。

0. どういう処理か

費用と収益は、お金を払った期・受け取った期ではなく、その効果が及ぶ期に計上します。
1 年分の家賃を前払いしても、費用になるのはその年に住んだ分だけです。

期中は「払ったら費用、受け取ったら収益」と単純に記録しているので、
期末に当期の分だけが残るよう調整します。ズレ方は 4 通りです。

当期に記録済みだが、当期の分でない 当期の分なのに、まだ記録していない
費用 前払費用(費用の繰延べ) 未払費用(費用の見越し)
収益 前受収益(収益の繰延べ) 未収収益(収益の見越し)

左の列(繰延べ)は、記録しすぎているので減らす。
右の列(見越し)は、記録が足りないので足す。

そして 4 つの経過勘定は、貸借対照表では次のように分かれます。

勘定 分類 なぜそうなるか
前払費用 資産 払い済みなので、これからサービスを受ける権利がある
未収収益 資産 サービス済みなので、これから代金を受け取る権利がある
前受収益 負債 受け取り済みなので、これからサービスをする義務がある
未払費用 負債 サービスを受け済みなので、これから払う義務がある

「前払・未収は資産、前受・未払は負債」——お金を先に動かしたか、
サービスを先に受け(提供し)たか、で決まります。

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 費用の繰延べ(前払費用)

根拠: 出題区分表 三-3

払いすぎている分を、当期の費用から取り除きます。

費用の繰延べとは、どういう調整か?

当期に費用として記録したが、実は次期の分だった額を、費用から取り除く調整

取り除いた分は前払費用(資産)として次期へ繰り越す。
まだサービスを受けていないので、代わりに受ける権利が残っている。

当期の 12 月 1 日に、向こう 1 年分の保険料 ¥120,000 を現金で支払った。
決算日は 3 月 31 日。決算整理仕訳は?

借方 貸方
前払保険料 80,000 支払保険料 80,000

12 月〜3 月の4 か月分が当期、4 月〜11 月の8 か月分が次期。
120,000 × 8 ÷ 12 = 80,000 を費用から取り除く。

上の例で、決算整理後の支払保険料勘定の残高は?

¥40,000(当期の 4 か月分)

120,000 − 80,000 = 40,000。
損益計算書にはこの ¥40,000 だけが載る。

前払費用は、貸借対照表のどこに載る?

資産(流動資産)

代金は払い済みで、これからサービスを受ける権利が残っているため。
費用の名前が付いていても資産。

2. 収益の繰延べ(前受収益)

根拠: 出題区分表 三-3

受け取りすぎている分を、当期の収益から取り除きます。

収益の繰延べとは、どういう調整か?

当期に収益として記録したが、実は次期の分だった額を、収益から取り除く調整

取り除いた分は前受収益(負債)として次期へ繰り越す。
代金を受け取ってしまった以上、これからサービスをする義務が残っている。

当期の 9 月 1 日に、土地の 1 年分の地代 ¥240,000 を現金で受け取った。
決算日は 3 月 31 日。決算整理仕訳は?

借方 貸方
受取地代 100,000 前受地代 100,000

9 月〜3 月の7 か月分が当期、4 月〜8 月の5 か月分が次期。
240,000 × 5 ÷ 12 = 100,000 を収益から取り除く。

前受収益は、貸借対照表のどこに載る?

負債(流動負債)

お金は受け取ったが、まだサービスを提供していない。
返すか、サービスで返すかの義務が残っているため。

3. 費用の見越し(未払費用)

根拠: 出題区分表 三-3

まだ払っていないが、当期に使った分を費用に足します。

費用の見越しとは、どういう調整か?

当期にサービスを受けたのに、まだ支払っていないため記録されていない額を、費用に足す調整

足した分は未払費用(負債)になる。
支払いが済んでいなくても、使った以上は当期の費用。

家賃は毎年 2 月末と 8 月末に、後払いで半年分 ¥180,000 ずつ支払う契約。
決算日は 3 月 31 日。決算整理仕訳は?

借方 貸方
支払家賃 30,000 未払家賃 30,000

2 月末に 9 月〜2 月の分を払っており、3 月の 1 か月分が未払い。
180,000 × 1 ÷ 6 = 30,000 を当期の費用に足す。

借入金 ¥1,000,000(年利 3%、利息は返済時に一括後払い)を
当期の 11 月 1 日に借り入れた。決算日 3 月 31 日の決算整理仕訳は?

借方 貸方
支払利息 12,500 未払利息 12,500

1,000,000 × 3% = 30,000(年額)
30,000 × 5 か月 ÷ 12 = 12,500(11 月〜3 月の 5 か月分)

未払費用は、貸借対照表のどこに載る?

負債(流動負債)

サービスは受け済みで、支払う義務だけが残っているため。

4. 収益の見越し(未収収益)

根拠: 出題区分表 三-3

まだ受け取っていないが、当期に提供した分を収益に足します。

収益の見越しとは、どういう調整か?

当期にサービスを提供したのに、まだ受け取っていないため記録されていない額を、収益に足す調整

足した分は未収収益(資産)になる。

貸付金 ¥600,000(年利 4%、利息は返済時に受け取る)を
当期の 12 月 1 日に貸し付けた。決算日 3 月 31 日の決算整理仕訳は?

借方 貸方
未収利息 8,000 受取利息 8,000

600,000 × 4% = 24,000(年額)
24,000 × 4 か月 ÷ 12 = 8,000(12 月〜3 月の 4 か月分)

未収収益は、貸借対照表のどこに載る?

資産(流動資産)

サービスは提供済みで、代金を受け取る権利が残っているため。

未収収益(未収利息)と、未収入金はどう違う?

  • 未収収益 … 時の経過で発生した収益のうち、まだ支払期日が来ていない分
  • 未収入金 … 商品以外を売却した代金など、すでに請求できる債権

未収利息は「まだ請求できないが、当期の分は当期の収益にする」ための経過勘定。

5. 再振替仕訳

根拠: 出題区分表 三-3

経過勘定は、翌期首に必ず元へ戻します。

再振替仕訳とは何か? いつ行う?

決算で計上した経過勘定を、逆仕訳で元に戻す処理。翌期首(期首の日付)に行う。

前払・前受・未払・未収の 4 つが対象。

なぜ再振替仕訳が必要なのか?

戻さないと、翌期の費用・収益が二重になるか、抜けるから

例:未払家賃 ¥30,000 を戻さないまま、翌期に半年分 ¥180,000 を支払うと、
3 月分が当期と翌期の両方で費用になってしまう。
期首に 未払家賃 / 支払家賃 と戻しておけば、
支払時に全額を費用にしても、差し引きで正しい額に落ち着く。

前期末に 前払保険料 80,000 / 支払保険料 80,000 と計上した。
翌期首の再振替仕訳は?

借方 貸方
支払保険料 80,000 前払保険料 80,000

決算整理仕訳の借方と貸方を入れ替えるだけ。
これで翌期の費用として計上され、前払保険料はゼロになる。

再振替仕訳を行うと、期首の経過勘定の残高はどうなる?

ゼロになる

経過勘定は決算日だけに存在する調整用の勘定で、
期をまたいで残高を持ち続けるものではない。

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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