決算整理後残高試算表
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
出題区分表 第三 4「決算整理後残高試算表」。
第 3 問で、精算表や財務諸表の代わりに出題される形式です。
やることは精算表とほとんど同じで、横に移す作業が無いぶん簡単です。
0. どういう処理か
決算整理仕訳を元帳に転記したあとの残高を集めた試算表です。「後 T/B」とも書きます。
決算整理前の残高試算表と比べると、次のように変わります。
| 決算整理前 | 決算整理後 | |
|---|---|---|
| 繰越商品 | 期首商品棚卸高 | 期末商品棚卸高 |
| 仕入 | 当期商品仕入高 | 売上原価 |
| 現金過不足・仮払金・仮受金 | 残っている | 消えている |
| 前払費用・未払費用など | 無い | 現れている |
| 減価償却累計額 | 期首の額 | 当期分を足した額 |
「仮の勘定が消え、期末の実態を表す勘定が現れる」のが決算整理の結果です。
一方、まだ変わっていないものもあります。
- 収益・費用の勘定はまだ残っている(損益振替はこの次の手続き)
- 繰越利益剰余金は期首のまま(当期純利益はまだ振り替えられていない)
つまり後 T/B には当期純利益という科目は載りません。
必要なら、収益と費用の差として自分で計算します。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 後 T/B に当期純利益は載らない(載るのは収益と費用のまま)
- 繰越商品は期末の額、仕入は売上原価になっている
- 仮の勘定(現金過不足・仮払金・仮受金)はゼロになっている
1. 何が載り、何が載らないか
根拠: 出題区分表 三-4
決算整理後残高試算表とは何か?
決算整理仕訳を反映したあとの、各勘定の残高を集めた試算表
決算整理前の残高試算表との違いは、整理仕訳が入っているかどうかだけ。
ここから損益計算書と貸借対照表を作る。
決算整理後残高試算表に、当期純利益は載る?
載らない
損益振替はこの次の手続きなので、後 T/B の段階では
収益・費用の勘定がそのまま並んでいる。
当期純利益を答えさせる問題では、収益合計 − 費用合計を自分で計算する。
決算整理後残高試算表の繰越商品の金額は、何を表す?
期末商品棚卸高
決算整理で期首の分が仕入へ振り替えられ、期末の分が入っているため。
決算整理前の残高試算表なら期首商品棚卸高。どちらの試算表かで意味が逆転する。
決算整理後残高試算表の仕入の金額は、何を表す?
売上原価
期首商品を足し、期末商品を引いた後の金額。
損益計算書ではこれを 売上原価 という表示名に変えて載せる。
決算整理後残高試算表に、現金過不足や仮払金は載る?
載らない(ゼロになっている)
いずれも決算整理で正体を確定させるか、雑損・雑益に落とすため。
後 T/B にこれらが残っていたら、決算整理を書き漏らしている。
決算整理後残高試算表の繰越利益剰余金は、期首と期末のどちらの額?
期首の額
当期純利益の振替(→ 損益振替と繰越利益剰余金)はこの後の手続き。
貸借対照表に載る繰越利益剰余金とは金額が違うので、そのまま写さない。
2. 後 T/B から読み取る
根拠: 出題区分表 三-4
決算整理後残高試算表から当期純利益を計算するには?
貸方の収益合計 − 借方の費用合計
資産・負債・資本の行は使わない。
逆に、(期末資産 − 期末負債)− 期首資本 でも同じ答えになる。
決算整理後残高試算表の借方合計と貸方合計は一致する?
一致する
決算整理仕訳も貸借が釣り合っているので、
反映後の残高も釣り合ったまま。
一致しなければ、決算整理の転記か集計を間違えている。
決算整理後残高試算表の借方には、どういう勘定が並ぶ?
資産と費用
決算整理前と同じ並び方。
前払費用・未収収益(資産)、貸倒引当金繰入・減価償却費(費用)が
新たに借方へ加わっている。
決算整理後残高試算表の貸方には、どういう勘定が並ぶ?
負債・資本・収益(+貸倒引当金・減価償却累計額)
前受収益・未払費用・未払消費税・未払法人税等(負債)が
新たに貸方へ加わっている。
後 T/B の金額を貸借対照表・損益計算書へ移すとき、
そのまま写せない勘定は?
そのまま写せない勘定は?
- 繰越商品 → 商品(表示名が変わる)
- 仕入 → 売上原価(表示名が変わる)
- 売上 → 売上高(表示名が変わる)
- 繰越利益剰余金(当期純利益を足す)
金額まで変わるのは繰越利益剰余金だけ。残りは名前だけが変わる
(→ 損益計算書と貸借対照表)。
【後 T/B 作成問題】決算整理前残高試算表と決算整理事項が与えられた。
どういう手順で解く?
どういう手順で解く?
- 決算整理仕訳をすべて書き出す(下書き用紙に)
- 整理仕訳が影響する勘定だけ、前 T/B の金額に加減する
- 影響しない勘定は前 T/B からそのまま写す
全部の行を計算し直さない。動くのは整理仕訳に出てきた勘定だけ。