みならいノート

簿記 3 級 2027年度版

損益計算書と貸借対照表

みならいノートで覚える(無料)

このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

出題区分表 第三 9「損益計算書と貸借対照表の作成(勘定式)」。

決算の出口です。第 3 問では精算表と並ぶ二大出題形式で、
近年はこちらのほうが多く出ています。

精算表との違いは、帳簿の勘定名を「報告用の名前」に直すところです。
金額の計算は精算表とまったく同じなので、読み替えの一覧を覚えれば追加の負担はありません。

0. どういう処理か

財務諸表は会社の外部(株主・銀行・取引先)に見せるものです。
帳簿の中でしか通じない名前や書き方は、そのままでは使えません。

読み替えが必要な勘定は次の 5 つだけです。

帳簿の勘定名 財務諸表の表示名 どちらの表
売上 売上高 損益計算書
仕入 売上原価 損益計算書
繰越商品 商品 貸借対照表
前払◯◯・未収◯◯ 前払費用・未収収益 貸借対照表
前受◯◯・未払◯◯ 前受収益・未払費用 貸借対照表

書き方が変わるものが 2 つあります。

勘定 帳簿では 貸借対照表では
貸倒引当金 独立した貸方の勘定 売掛金から控除する形
減価償却累計額 独立した貸方の勘定 建物・備品から控除する形

そして金額が変わるものが 1 つだけあります。

3 級で作るのは勘定式です。左右に分けて並べ、左右の合計を一致させます。

損益計算書 貸借対照表
左(借方) 費用・当期純利益 資産
右(貸方) 収益 負債・純資産

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 表題と形式

根拠: 出題区分表 三-9

損益計算書と貸借対照表の表題に書く日付は、どう違う?

  • 損益計算書 … 自 ◯年4月1日 至 ◯年3月31日(期間)
  • 貸借対照表 … ◯年3月31日(時点)

損益計算書は 1 年間のもうけ、貸借対照表はある日の財産の状態を示すため。

勘定式の損益計算書は、左右に何を並べる?

  • 左(借方) … 費用 + 当期純利益
  • 右(貸方) … 収益

当期純利益を左に書き足して、左右の合計を一致させる。

勘定式の貸借対照表は、左右に何を並べる?

  • 左(借方) … 資産
  • 右(貸方) … 負債 + 純資産(資本)

資産 = 負債 + 資本 の等式がそのまま表の形になっている。

2. 名前の読み替え

根拠: 出題区分表 三-9

帳簿の「売上」「仕入」は、損益計算書ではどう表示する?

  • 売上 → 売上高
  • 仕入 → 売上原価

仕入勘定の残高は決算整理後に売上原価になっているので、
名前を実態に合わせる(→ 売上原価の算定)。

帳簿の「繰越商品」は、貸借対照表ではどう表示する?

商品

金額は期末商品棚卸高。
「繰越」は帳簿の中の呼び方なので、外に出すときは落とす。

前払保険料・未収利息は、貸借対照表ではどう表示する?

前払費用・未収収益

どちらも資産。
問題によっては勘定名のまま書かせることもあるので、答案の指示に従う。

前受地代・未払家賃は、貸借対照表ではどう表示する?

前受収益・未払費用

どちらも負債。

損益計算書に「雑損」「雑益」はどう表示する?

そのまま雑損(費用)・雑益(収益)

読み替えは不要。
現金過不足のように帳簿だけの勘定は、決算整理で消えているので出てこない。

3. 控除形式で示すもの

根拠: 出題区分表 三-9

貸倒引当金は、貸借対照表にどう表示する?

売掛金・受取手形から控除する形

資産の部
売掛金 800,000
貸倒引当金 △16,000 784,000

貸方に独立して並べるのではなく、対応する債権のすぐ下に置く。

減価償却累計額は、貸借対照表にどう表示する?

建物・備品などから控除する形

資産の部
備品 600,000
減価償却累計額 △200,000 400,000

取得原価がいくらだったかを残しつつ、実質の価値も示せる。

控除形式で示すとき、貸借対照表の借方合計にはどちらの金額が入る?

控除後の金額(上の例なら ¥400,000)

取得原価のほうを合計に入れると、資産が過大になり左右が合わなくなる。

4. 純資産の部

根拠: 出題区分表 三-9

貸借対照表の繰越利益剰余金は、決算整理後残高試算表の金額をそのまま写す?

写さない。当期純利益を足す

後 T/B の繰越利益剰余金は期首の額(→ 決算整理後残高試算表)。
損益振替でこれに当期純利益が加わったものが、貸借対照表に載る。

後 T/B の繰越利益剰余金 ¥300,000、当期純利益 ¥150,000。
貸借対照表の繰越利益剰余金は?

¥450,000

300,000 + 150,000 = 450,000。
財務諸表作成問題で最も間違えやすい 1 行。

当期純損失だった場合、貸借対照表の繰越利益剰余金はどうなる?

期首の額から損失額を引く

損失は資本の減少なので、繰越利益剰余金が減る。
引いた結果がマイナスになることもある(その場合は △ を付けて表示)。

貸借対照表に当期純利益という行は出てくる?

勘定式の 3 級の答案では、繰越利益剰余金に含めて表示するのが基本

損益計算書には当期純利益が独立して出るが、
貸借対照表では繰越利益剰余金の一部として吸収される。
問題で行が用意されていればそれに従う。

5. 検算

根拠: 出題区分表 三-9

財務諸表を作り終えたあと、何を確かめる?

  1. 貸借対照表の左右の合計が一致するか
  2. 損益計算書の当期純利益と、貸借対照表で加算した額が同じか

1 が合わないときは、控除形式の金額か繰越利益剰余金を疑う。

貸借対照表の左右が一致しないとき、どこから疑う?

  1. 繰越利益剰余金に当期純利益を足したか
  2. 貸倒引当金・減価償却累計額を控除後の金額で合計したか
  3. 経過勘定の資産・負債の振り分け(前払は資産、前受は負債)

この 3 つで大半のずれが説明できる。

このノートの 17 問を、暗記カードで復習できます

みならいノートで覚える(無料)

答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

前 帳簿の締切
設立と増資 次

このノートは無償で公開しています。当方は内容の正確性・完全性・最新性を保証しません。学習にあたっては、法令の原文・公式の出題範囲その他の一次資料を必ずご確認ください。試験への合格その他の効果を保証するものでもありません。

本文の転載・再配布はお断りしています(利用規約)。手元に置いて使いたい方は、ストアから Markdown ファイルとして入手できます。