みならいノート

簿記 3 級 2027年度版

損益振替と繰越利益剰余金

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

出題区分表 第三 5「収益と費用の損益勘定への振替」、6「純損益の繰越利益剰余金勘定への振替」。

第 2 問で、損益勘定や繰越利益剰余金勘定の空欄を埋めさせる形で出ます。
第 3 問で財務諸表を作るだけなら意識しなくても解けてしまうため、
手続きとして理解しているかどうかがここで分かれます。

0. どういう処理か

決算整理が終わっても、帳簿はまだ閉じられません。

理由は、収益・費用の勘定に残高が残っているからです。
収益と費用は「その期にいくら稼ぎ、いくら使ったか」の記録なので、
次期は必ずゼロから数え直さなければなりません。
去年の売上が残ったまま今年の売上を足していったら、意味のない数字になります。

一方、資産・負債・資本は残高そのものが次期に引き継がれるものです。
去年の期末に現金 ¥280,000 あったなら、今年の期首も ¥280,000 です。

要素 期末にどうするか
収益・費用 損益勘定に集めてゼロにする(残高を残さない)
資産・負債・資本 次期繰越として残す(→ 帳簿の締切)

収益・費用を集める先が損益という決算のときだけ使う勘定です。
そこで計算された差額(=当期純利益)を、最後に繰越利益剰余金へ移します。

この 3 本の振替をまとめて決算振替仕訳と呼びます。

  1. 収益 → 損益
  2. 費用 → 損益
  3. 損益 → 繰越利益剰余金

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 収益と費用の損益勘定への振替

根拠: 出題区分表 三-5

決算で、収益・費用の勘定をゼロにするのはなぜ?

収益・費用は「その期にいくら」を数える記録だから

次期は必ずゼロから数え直す。
残高を残すのは、次期に引き継がれる資産・負債・資本だけ。

収益を損益勘定へ振り替える仕訳は?

借方 貸方
売上 ××× 損益 ×××

収益は貸方残高なので、借方に書いて消す。
受取利息などの収益も同時に、まとめて 1 本の仕訳にできる。

費用を損益勘定へ振り替える仕訳は?

借方 貸方
損益 ××× 仕入 ×××
給料 ×××

費用は借方残高なので、貸方に書いて消す。
損益の借方に、費用の合計が集まる。

売上 ¥900,000、受取手数料 ¥30,000 を損益勘定へ振り替える仕訳は?

借方 貸方
売上 900,000 損益 930,000
受取手数料 30,000

収益をまとめて 1 本にしてよい。貸方の損益は合計額。

振替が終わった後、売上勘定の残高はどうなる?

ゼロ

貸方にあった残高と同額を借方に書いたため。
すべての収益・費用勘定が同じようにゼロになり、
次期は白紙から記録を始められる。

2. 純損益の繰越利益剰余金への振替

根拠: 出題区分表 三-6

損益勘定の残高が貸方 ¥150,000 だった。これは何を意味する?

当期純利益 ¥150,000

貸方(収益)のほうが借方(費用)より多い。
損益勘定の差額が、そのまま当期の利益になる。

当期純利益 ¥150,000 を振り替える仕訳は?

借方 貸方
損益 150,000 繰越利益剰余金 150,000

利益は資本の増加なので、繰越利益剰余金の貸方へ。
これで損益勘定もゼロになる。

当期純損失 ¥60,000 だった場合の振替仕訳は?

借方 貸方
繰越利益剰余金 60,000 損益 60,000

損失は資本の減少なので、繰越利益剰余金の借方へ。
利益のときと左右が入れ替わる。

なぜ当期純利益は資本金ではなく繰越利益剰余金へ振り替える?

資本金は株主が出資した元手、繰越利益剰余金は会社が稼いだ利益だから

出どころが違うものを混ぜると、
配当できる額(=稼いだ利益)が分からなくなる。

振替後の繰越利益剰余金の残高は、何を表す?

期首の残高 + 当期純利益 − 当期に配当した額

過去から積み上げた、まだ配当していない利益の合計。
貸借対照表に載るのはこの金額で、決算整理後残高試算表の
繰越利益剰余金(期首のまま)とは違う。

3. 損益勘定を読む

根拠: 出題区分表 三-5

損益勘定の借方と貸方には、それぞれ何が並ぶ?

  • 借方 … 費用(仕入・給料・減価償却費など)+ 当期純利益
  • 貸方 … 収益(売上・受取手数料など)

損益計算書とまったく同じ並び方になる。
損益勘定は、いわば帳簿の中の損益計算書。

損益勘定の借方に「繰越利益剰余金 150,000」と書かれていた。
これは何を意味する?

当期純利益 ¥150,000 を繰越利益剰余金へ振り替えた記録

損益勘定の借方の一番下に、相手科目として繰越利益剰余金が現れる。
この行の金額が当期純利益。第 2 問ではここを空欄にして問われる。

損益勘定の借方に並ぶ「仕入」の金額は、当期商品仕入高?

売上原価

損益振替は決算整理の後に行うので、
仕入勘定の残高はすでに売上原価に直っている(→ 売上原価の算定)。

決算振替仕訳の 3 本を、順に挙げると?

  1. 収益 → 損益(収益を借方に書いて消す)
  2. 費用 → 損益(費用を貸方に書いて消す)
  3. 損益 → 繰越利益剰余金(差額=当期純利益を資本へ)

この 3 本を終えて初めて、帳簿を締め切れる。

決算振替仕訳と決算整理仕訳の違いは?

  • 決算整理仕訳 … 期末の実態に合わせて金額を直す(売上原価、減価償却など)
  • 決算振替仕訳 … 金額は直さず、勘定間で残高を移して帳簿を閉じる

整理が先、振替が後。
順番を逆にすると、整理前の金額で損益が計算されてしまう。

このノートの 15 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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