収益と費用の勘定科目
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
出題区分表 第二 18「収益と費用」。
0. どういう処理か
ここは新しい仕組みを覚える論点ではなく、勘定科目を選び分ける論点です。
第 1 問では取引が日本語で書かれるだけなので、
どの科目を使うかを間違えると、仕訳の形が合っていても不正解になります。
紛らわしいのは主に次の 3 組です。
| 迷う場面 | 分ける基準 |
|---|---|
| 通信費/消耗品費/広告宣伝費 | 何のために使ったか(連絡/事務用品/宣伝) |
| 支払家賃/支払地代/支払手数料 | 何の対価か(建物/土地/サービス) |
| 給料/法定福利費/福利厚生費 | 誰のための、どういう支出か |
もう 1 つ、「受取」で始まるものは収益、「支払」で始まるものは費用という規則性があります。
受取家賃は収益、支払家賃は費用。これは例外がないので手がかりになります。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 家賃は建物、地代は土地(支払家賃と支払地代を取り違えない)
- 社会保険料の会社負担分は法定福利費、従業員負担分は預り金
- 商品の発送費は発送費、事務用品は消耗品費、切手は通信費
1. 費用の科目を選び分ける
根拠: 出題区分表 二-18
支出そのものではなく、何のために使ったかで科目が決まります。
同じ「現金で払った」でも、目的が違えば別の科目になります。
郵便切手・電話料金・インターネット料金に使う勘定は?
通信費
連絡のための支出をまとめる科目。
事務用のボールペン・帳簿・コピー用紙を購入したときの勘定は?
消耗品費
短期間で使い切る事務用品。備品(固定資産)にするほどの金額・耐用年数がないもの。
新聞やインターネットに広告を出したときの勘定は?
広告宣伝費
自社や商品を知ってもらうための支出。
建物を借りて支払う賃借料の勘定は?また、土地を借りた場合は?
- 建物 … 支払家賃
- 土地 … 支払地代
家賃は建物、地代は土地。 駐車場や資材置き場を借りたら地代になる。
不動産業者に支払う仲介手数料や、振込手数料の勘定は?
支払手数料
サービスの提供を受けた対価。
クレジット取引の信販会社への手数料も同じ科目(→ 電子記録債権とクレジット売掛金)。
従業員の出張旅費・電車代・タクシー代の勘定は?
旅費交通費
通勤手当も同じ科目で処理することが多い(問題の指示に従う)。
電気代・ガス代・水道代の勘定は?
水道光熱費
通信費(電話・インターネット)とは別。同じ「毎月の請求書」でも中身で分かれる。
社会保険料の会社負担分を納付したときの勘定は?
法定福利費(費用)
法律で会社が負担すると決まっているぶん。
従業員負担分は給料から天引きした預り金なので、費用にはならない(→ その他の債権と債務)。
どの科目にも当てはまらない少額の費用に使う勘定は?
雑費
該当する科目がない場合の受け皿。
金額が大きいものや繰り返し発生するものは、専用の科目を設けるのが原則。
商品を売り上げたときの、当社負担の運送料の勘定は?
発送費
売るためにかかった費用。
仕入時の引取運賃が仕入原価に含まれるのと対照的(→ 三分法と返品)。
2. 収益の科目
根拠: 出題区分表 二-18
費用と対になる科目が並びます。「受取」で始まれば収益という規則が使えます。
建物を貸して受け取る賃貸料の勘定は?また、土地を貸した場合は?
- 建物 … 受取家賃
- 土地 … 受取地代
費用側(支払家賃・支払地代)と同じ分け方。
商品売買の仲介などで受け取る手数料の勘定は?
受取手数料(収益)
貸付金や預金から生じる利息の勘定は?(受け取る側・支払う側)
- 受け取る … 受取利息(収益)
- 支払う … 支払利息(費用)
過年度に貸倒処理した債権を回収したときの勘定は?
償却債権取立益(収益)
すでに帳簿から消してある債権なので、売掛金を復活させずに収益とする
(→ 貸倒引当金)。
「受取」「支払」で始まる勘定の見分け方は?
「受取」で始まれば収益、「支払」で始まれば費用
受取家賃・受取地代・受取手数料・受取利息はすべて収益。
支払家賃・支払地代・支払手数料・支払利息はすべて費用。例外はない。
貸倒損失・雑損・固定資産売却損は、それぞれどの区分?
すべて費用
「損」で終わるものは費用、「益」で終わるものは収益。
雑益・固定資産売却益・償却債権取立益は収益。