利益剰余金
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
出題区分表 第四 3「利益剰余金」ア(利益準備金)・イ(その他利益剰余金(繰越利益剰余金))。
仕訳そのものより、「どの勘定が何を表しているか」が問われます。
第 3 問で貸借対照表の純資産の部を作るとき、ここが分かっていないと組み立てられません。
0. どういう処理か
会社が稼いだ利益のうち、まだ配当していない分の蓄積を利益剰余金といいます。
株主が出した元手(資本金)とは、出どころが違うので分けて管理します。
3 級で扱う純資産の部は、次の 3 つだけです。
| 区分 | 勘定 | 中身 |
|---|---|---|
| 資本金 | 資本金 | 株主が出した元手 |
| 利益剰余金 | 利益準備金 | 法律で積立てが強制される部分 |
| 繰越利益剰余金 | 自由に使える部分(その他利益剰余金) |
なぜ利益剰余金が 2 つに割れているのか。
利益を全部配当してしまうと、会社に財産が残らず、
お金を貸している側(債権者)が回収できなくなるからです。
そこで配当のたびに一定額を利益準備金として会社に留めさせ、
配当に回せないようにしています。
| 配当に使えるか | どう増えるか | |
|---|---|---|
| 利益準備金 | 使えない | 配当のたびに強制的に積み立てる |
| 繰越利益剰余金 | 使える | 当期純利益の振替で増える |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 繰越利益剰余金は配当できるが、利益準備金はできない
- 繰越利益剰余金は借方残高(マイナス)になることもある
- 資本金は利益では増えない(株式発行のときだけ)
1. 繰越利益剰余金
根拠: 出題区分表 四-3-イ
繰越利益剰余金とは何か?
過去から積み上げた利益のうち、まだ配当も積立てもしていない残り
区分としてはその他利益剰余金にあたる。
株主総会の決議があれば、配当に回せる部分。
繰越利益剰余金が増えるのはどういうとき?
繰越利益剰余金が減るのはどういうとき?
- 当期純損失を振り替えたとき
- 配当や利益準備金の積立てを決議したとき
どちらも借方に来る。
繰越利益剰余金が借方残高になることはある?
ある
損失が続いて、過去の利益を食いつぶした状態。
貸借対照表では 繰越利益剰余金 △××× のように
マイナス(控除)の形で純資産の部に表示する。
繰越利益剰余金は、貸借対照表のどこに載る?
純資産の部(貸方)
資本金・利益準備金と並ぶ。
金額は当期純利益を加えたあとの額(→ 損益計算書と貸借対照表)。
決算整理後残高試算表の繰越利益剰余金と、
貸借対照表の繰越利益剰余金は同じ金額?
貸借対照表の繰越利益剰余金は同じ金額?
違う
- 後 T/B … 期首の額(損益振替がまだ)
- 貸借対照表 … 期首の額 + 当期純利益
第 3 問で最も間違えやすい 1 行。
2. 利益準備金
根拠: 出題区分表 四-3-ア
利益準備金とは何か?
配当のたびに、法律によって積立てが強制される利益剰余金
会社に財産を残させるための仕組みで、配当には使えない。
なぜ利益準備金の積立てが強制されるのか?
債権者を保護するため
利益を全部配当してしまうと会社に財産が残らず、
お金を貸している側が回収できなくなる。
配当のたびに一定額を会社に留めさせ、財産の流出に歯止めをかけている。
利益準備金が増えるのはどういうとき?
利益準備金と資本金は、どちらも「取り崩せない」という点で同じ?
3 級の範囲では、どちらも配当に使わないという意味で同じ扱い
出どころは違う(資本金は株主の元手、利益準備金は稼いだ利益)が、
会社に留め置くという役割は共通している。
利益準備金は、貸借対照表のどの区分に載る?
純資産の部の「利益剰余金」
繰越利益剰余金と同じ区分に並ぶ。資本金とは別の行。
3. 純資産の部を組み立てる
根拠: 出題区分表 四-3-イ
3 級の貸借対照表で、純資産の部に載る勘定を 3 つ挙げると?
資本金・利益準備金・繰越利益剰余金
これ以外は出てこない(資本準備金・その他資本剰余金は 2 級)。
資本金 ¥5,000,000、利益準備金 ¥200,000、
後 T/B の繰越利益剰余金 ¥300,000、当期純利益 ¥150,000。
純資産の合計は?
後 T/B の繰越利益剰余金 ¥300,000、当期純利益 ¥150,000。
純資産の合計は?
¥5,650,000
5,000,000 + 200,000 + (300,000 + 150,000) = 5,650,000
繰越利益剰余金に当期純利益を足してから合計する。
純資産の額は、資産・負債とどういう関係にある?
純資産 = 資産 − 負債
貸借対照表の左右が一致するのはこの関係があるため
(→ 資産・負債・資本と収益・費用)。
純資産の部の合計が合わないときは、繰越利益剰余金を疑う。