太陽の内部構造とエネルギー源
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (4) ア (ア) ㋒「太陽の活動」。
内容の取扱いは「太陽の内部構造にも触れること」を求めている。
0. どういう論点か
太陽の内部構造は、中心から外へ 3 つに分かれます。
熱の運ばれ方が層を決めているので、地球の内部(→ 地球内部の温度と物質)と同じ考え方です。
| 層 | 何が起きているか |
|---|---|
| 中心核(コア) | 水素の核融合(約 1500 万 K) |
| 放射層 | 放射(電磁波)で熱が運ばれる |
| 対流層 | 対流で熱が運ばれる(→ 光球の粒状斑) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- エネルギー源は核融合(燃焼ではない)
- 水素 4 個からヘリウム 1 個ができ、減った質量がエネルギーになる
- 中心で生まれた光が表面に出るまで数十万年(ニュートリノは 2 秒で出る)
1. 内部の構造
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(ア)-㋒
太陽の内部を中心から外へ 3 つに分けると?
中心核(コア)・放射層・対流層
そのさらに外が光球(表面)。
中心核の温度と密度はどれくらい?
約 1500 万 K、密度は約 150 g/cm³
核融合が起こる条件がそろっている。
放射層とは?
エネルギーが放射(電磁波の吸収と再放射)で外へ運ばれる層
ガスが不透明なため、光は何度も吸収されながら進む。
対流層とは?表面のどんな現象と結びつく?
対流によって熱が運ばれる外側の層。粒状斑として光球に現れる
厚さは太陽半径の 3 割ほど。
中心で生まれたエネルギーが表面へ出るまでにかかる時間は?
数十万年(何度も吸収・再放射されるため)
いま届く光のエネルギーは、はるか昔に生まれたもの。
太陽の質量・半径は、地球と比べてどれくらい?
質量は約 33 万倍、半径は約 109 倍
太陽系の質量の 99.8 % 以上を占める。
2. エネルギー源
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(ア)-㋒
太陽のエネルギー源は?
中心核で起こる水素の核融合反応
化学的な燃焼ではない。
核融合では、何が何に変わる?
水素原子核 4 個が、ヘリウム原子核 1 個に変わる
その過程でニュートリノと大量のエネルギーが出る。
核融合でエネルギーが生まれるのはなぜ?
反応の前後で質量がわずかに減り、その分が E = mc² でエネルギーになるから
減る質量は 0.7 % ほど。
太陽が 1 秒間に放出するエネルギーはどれくらい?
約 3.8 × 10²⁶ J(W)
そのうち地球が受けるのは約 20 億分の 1。
太陽が「燃焼」ではありえないと分かる理由は?
燃焼では数千年しか輝けず、46 億年という年齢を説明できないから
核融合なら 100 億年規模で輝ける。
太陽の寿命はどれくらいと考えられている?現在はどの段階?
約 100 億年。今は約 46 億年たった主系列星の段階(ほぼ折り返し)
やがて赤色巨星になる(→ 恒星の進化と終末)。
太陽からのニュートリノを観測すると何が分かる?
中心核で現在起きている核融合の様子(光と違って直接抜けてくる)
カミオカンデなどで観測されている。
3. 太陽定数と地球への影響
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(ア)-㋒
太陽定数とは?値は?
地球の大気圏外で、太陽光に垂直な 1 m² が 1 秒に受けるエネルギー。約 1.37 kW/m²
太陽定数と太陽の全エネルギー放出量は、どう結びつく?
太陽定数 × 地球の軌道を半径とする球の表面積 = 太陽の総放出量
距離が分かれば全体の明るさが出る。
太陽から出るエネルギーの波長は、どのあたりが最も強い?
可視光(約 500 nm 付近)
表面温度約 6000 K に対応する。
太陽の放射エネルギーの波長分布から、表面温度が求められるのはなぜ?
温度が高いほど短い波長で最も強く放射する(ウィーンの変位則)から
色を見れば温度が分かる。
太陽の活動の変化が地球の気候に与える影響は、どう見られている?
活動の強弱で太陽定数がわずかに変わる(0.1 % 程度)。長期の気候変動との関係が研究されている
現在の温暖化の主因とは考えられていない。