恒星の進化と終末
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (4) ア (イ) ㋐「恒星の性質と進化」。
内容の取扱いは「質量により恒星の進化の速さ,恒星の終末及び生成元素が異なることも
扱うこと」を求めている。
0. どういう論点か
恒星の一生は、生まれたときの質量でほぼ決まります。
「速さ」「終わり方」「つくる元素」の 3 つが質量で分かれます。
| 質量 | 終末 | つくる元素 |
|---|---|---|
| 太陽程度(軽い) | 惑星状星雲を残して白色矮星 | 炭素・酸素まで |
| 太陽の 8 倍以上(重い) | 超新星爆発→ 中性子星 | 鉄まで(爆発時に鉄より重い元素) |
| きわめて重い | 超新星爆発 → ブラックホール | 同上 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 重い星ほど速く進化する(寿命が短い)
- 鉄より重い元素は超新星爆発などでできる(ふつうの核融合ではできない)
- 白色矮星・中性子星・ブラックホールは「終末の姿」で、質量によって決まる
1. 誕生から主系列星へ
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(イ)-㋐
恒星はどこで生まれる?
星間雲(とくに低温で密度の高い分子雲)の中
重力で収縮して原始星になる。
原始星が光るエネルギー源は?
重力エネルギー(収縮して解放される熱)
まだ核融合は始まっていない。
主系列星になるのは、中心で何が始まったとき?
水素の核融合
このとき収縮が止まり、安定して輝く。
主系列星が安定して大きさを保てるのはなぜ?
内側へ向かう重力と、外へ向かうガスの圧力がつり合っているから
核融合が圧力を支える。
生まれたばかりの星の集団は、どんな星団として見える?
散開星団(若い星が比較的ゆるく集まっている)
同じ星間雲から一緒に生まれる。
2. 主系列を離れてから
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(イ)-㋐
中心の水素を使い切った星はどうなる?
中心が収縮し、外層が膨張して赤色巨星になる
HR 図では右上へ移動する。
赤色巨星の中心では何が起きている?
ヘリウムの核融合(炭素や酸素ができる)。その外側では水素の核融合が続く
中心が収縮して温度が上がったため。
太陽程度の質量の星の終末は?
外層を放出して惑星状星雲となり、中心部が白色矮星として残る
超新星爆発は起こさない。
白色矮星とは?何で支えられている?
核融合を終えた高密度の星の残骸。電子の圧力(縮退圧)で支えられている
半径は地球ほどで、密度は 1 cm³ で 1 トン規模。
質量の大きい星の中心では、核融合はどこまで進む?
炭素・酸素・ケイ素…と進み、最後は鉄まで
鉄より先へは進めない。
鉄より重い元素の核融合が起こらないのはなぜ?
鉄はもっとも安定な原子核で、それ以上融合してもエネルギーが出ない(逆に必要になる)から
だから核融合は鉄で止まる。
鉄の中心核ができた重い星はどうなる?
支えを失って一気に収縮し、超新星爆発を起こす
外層が吹き飛ばされる。
3. 終末の姿と元素の行方
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(イ)-㋐
超新星爆発の後に残るものは、質量によってどう違う?
中性子星(太陽の 8〜25 倍程度の星)か、ブラックホール(それより重い星)
何も残らない場合もある。
中性子星とは?
中性子が密に詰まった、半径 10 km ほどの超高密度の天体
高速で自転し電波を出すものはパルサーとして観測される。
ブラックホールとは?
重力が強すぎて光さえ脱出できない天体
まわりのガスが落ち込むときの X 線で存在が分かる。
鉄より重い元素(金・ウランなど)はどこでできた?
超新星爆発や中性子星の合体など、極端な環境
ふつうの核融合ではできない。
超新星爆発が次の世代の星に与える影響は?
重元素を星間空間にばらまき、そこから生まれる星や惑星の材料になる
地球の鉄や炭素も、昔の星の中でつくられた。
恒星の進化で生成元素が質量によって違うことは、宇宙の組成にどう関わる?
重い星が短命で重元素をまき散らすため、時代が進むほど星間物質の重元素が増える
古い星は重元素が少ない。
太陽はこれからどうなる?
約 50 億年後に赤色巨星になり、惑星状星雲を放出して白色矮星になる
星の一生を HR 図の上の移動として言うと?
主系列(誕生)→ 右上(赤色巨星)→ 左下(白色矮星)へ移動する
図の上の位置が、その星の段階を示す。