銀河系の構造
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (4) ア (イ) ㋑「銀河系の構造」。
内容の取扱いは「『銀河系の構成天体とその分布』については、恒星の進化と関連付けて
扱うこと」「銀河系の回転運動にも触れること」を求めている。
0. どういう論点か
銀河系(天の川銀河)は 3 つの部分からなり、部分ごとに住んでいる星の種類が違います。
その違いは、恒星の進化と終末 で見た「星の年齢」で説明できます。
| 部分 | 形 | 主な天体 |
|---|---|---|
| バルジ | 中心の膨らみ | 古い星、中心に巨大ブラックホール |
| 円盤部(ディスク) | うすい円盤・渦状腕 | 若い星、星間物質、散開星団 |
| ハロー | 全体を包む球状の領域 | 古い星、球状星団 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 若い星がいるのは円盤部(星間物質があり、いまも星が生まれる)
- 球状星団はハローにあり、古い星の集まり
- 太陽は中心から約 2.8 万光年、円盤部にある(中心ではない)
1. 銀河系の形と大きさ
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(イ)-㋑
銀河系(天の川銀河)の形と大きさは?
直径約 10 万光年の渦巻き状の円盤と、それを包むハロー。円盤の厚さは 1000〜2000 光年
中心にバルジがある。
天の川が帯状に見えるのはなぜ?
私たちが円盤の中にいて、円盤を横から見る方向に星が多く重なって見えるから
銀河系の断面を内側から見ている。
太陽系は銀河系のどこにある?
円盤部の中、中心から約 2.8 万光年(半径のやや外より)
銀河系の中心はいて座の方向。
銀河系に含まれる恒星の数はおよそどれくらい?
1000 億〜2000 億個
ほかに星間物質と暗黒物質を含む。
銀河系の中心が可視光で見えにくいのはなぜ?
間にある星間物質(ちり)が光を吸収・散乱するから
電波や赤外線なら見通せる。
銀河系の中心には何があると考えられている?
太陽の 400 万倍ほどの質量をもつ巨大ブラックホール
周囲の星の運動から質量が求められた。
2. 構成天体と恒星の進化
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(イ)-㋑
散開星団と球状星団の違いを、場所・星の数・年齢で言うと?
散開星団は円盤部にあり数十〜数百個で若い、球状星団はハローにあり数万〜数百万個で古い
分布と年齢が対応している。
球状星団に古い星が多いのはなぜ?
ハローには星間物質がほとんど無く、新しく星が生まれないから
銀河系ができた初期の星が残っている。
円盤部に若い星が多いのはなぜ?
星間物質(分子雲)が集まっており、いまも星が生まれているから
渦状腕に沿って若く明るい星が並ぶ。
古い星(ハローの星)と若い星(円盤部の星)では、重元素の量がどう違う?
古い星のほうが少ない
超新星爆発によって重元素が増えてきたため(→ 恒星の進化と終末)。
星間物質とは?2 つの形を挙げると?
恒星の間に広がるガスとちり。星間ガス(水素が主)と星間塵(固体微粒子)
星の材料になる。
散光星雲(輝線星雲)が光るのはなぜ?
近くの高温の星の紫外線を受け、星間ガスが電離して光るから
オリオン大星雲が代表例。
暗黒星雲とは?
背後の星の光をさえぎる、密度の高い星間雲
低温で、その内部では星が生まれている。
星間赤化とは?
星間塵によって青い光が散乱され、星が実際より赤く見える現象
距離や温度の推定に補正が必要になる。
3. 銀河系の回転運動
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(イ)-㋑
銀河系の回転運動は、目に見えない質量(暗黒物質)の存在を示す手がかりになりました。
銀河系の円盤部は回転している。太陽の公転速度と周期は?
秒速約 220 km、1 周に約 2 億年
銀河系の中心のまわりを回っている。
銀河系の回転は、剛体のように全体が同じ角速度で回っている?
違う(差動回転。内側ほど角速度が大きい)
だから渦状腕は巻き込まれていく。
銀河系の回転運動から、質量はどう求められる?
太陽の公転速度と距離から、内側にある質量をケプラーの第 3 法則(万有引力)で計算する
回転が速いほど内側の質量が大きい。
外側でも回転速度が落ちないことは、何を示す?
目に見えない質量(暗黒物質)が外側まで広がって存在すること
星の分布だけでは説明できない。
暗黒物質(ダークマター)とは?
光を出さず、重力によってのみ存在が分かる物質
銀河の回転や銀河団の運動から必要とされる。
銀河系の回転は、恒星の運動の観測でどう確かめられる?
恒星の視線速度(ドップラー効果による波長のずれ)と固有運動の分布から
方向によって系統的な速度の違いが現れる。
銀河系は孤立している?周囲との関係は?
孤立していない。アンドロメダ銀河などとともに局所銀河群をつくっている
小さな伴銀河(大・小マゼラン雲)も引き連れている。