スペクトル型とHR図
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (4) ア (イ) ㋐「恒星の性質と進化」。
内容の取扱いは、恒星の「進化」については HR 図を扱い、質量により進化の速さ・
恒星の終末・生成元素が異なることも扱うことを求めている。
0. どういう論点か
HR 図は「縦=明るさ(絶対等級)、横=表面温度(左が高温)」のグラフです。
恒星はここでばらばらに散らばらず、3 つのかたまりに集まります。
| 位置 | 何の星か |
|---|---|
| 左上から右下へ帯状 | 主系列星(全体の約 9 割。水素の核融合中) |
| 右上 | 巨星・超巨星(低温なのに明るい=半径が大きい) |
| 左下 | 白色矮星(高温なのに暗い=半径が小さい) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- HR 図の横軸は左が高温(右へ行くほど低温=赤い)
- スペクトル型 O B A F G K M は高温から低温の順
- 同じ温度なら、明るいほうが半径が大きい
1. 色・温度・スペクトル型
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(イ)-㋐
恒星の色は何を表す?
表面温度
青白いほど高温、赤いほど低温。
スペクトル型を高温から順に並べると?
O・B・A・F・G・K・M
O 型が約 3 万 K 以上、M 型が約 3000 K。
太陽のスペクトル型と表面温度は?
G 型、約 6000 K
黄色っぽく見える。
スペクトル型が違うと、スペクトルに見える吸収線がどう違う?
温度によって吸収線を出す元素・イオンが変わる(O 型はヘリウムのイオン、A 型は水素が強い、
M 型は分子の吸収帯が出る)
線の種類から温度が決まる。
M 型の低温の星のスペクトルに分子の吸収帯が見えるのはなぜ?
温度が低く、分子が壊れずに存在できるから
高温星では分子も原子も電離してしまう。
星の表面温度と、もっとも強く放射する波長の関係は?
温度が高いほど短い波長で強く放射する(ウィーンの変位則)
だから高温星は青く見える。
2. HR 図の読み方
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(イ)-㋐
HR 図の縦軸と横軸は何?
縦軸は絶対等級(光度)、横軸は表面温度またはスペクトル型(左が高温)
慣例で温度は左が高い。
主系列星とは?HR 図のどこにある?
中心で水素の核融合を行っている星。左上から右下へのびる帯
恒星の約 9 割がここにある。
主系列星では、明るい星ほど質量と表面温度がどうなっている?
どちらも大きい(高温)
質量が大きいほど明るい(質量光度関係)。
巨星・超巨星は HR 図のどこにある?なぜそこに来る?
右上。表面温度が低いのに明るい=半径が非常に大きいから
ベテルギウスは半径が太陽の数百倍。
白色矮星は HR 図のどこにある?どんな星?
左下。表面温度は高いが暗い=半径が非常に小さい(地球ほど)
核融合を終えた星の残骸。
同じ表面温度の 2 つの星で、絶対等級が違うのは何が違う?
半径(明るいほうが大きい)
光度は表面積 × 単位面積あたりの放射で決まる。
恒星の光度は、半径と表面温度からどう決まる?
半径の 2 乗と、表面温度の 4 乗に比例する(シュテファン・ボルツマンの法則)
温度の効きが非常に大きい。
恒星の半径は、どうやって求められる?
光度(絶対等級)と表面温度から計算する
直接測れる星はごく少ない。
3. 質量が決めるもの
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(イ)-㋐
恒星の質量はどうやって測る?
連星の軌道運動(ケプラーの第 3 法則)から求める
単独の星では直接測れない。
質量光度関係とは?
主系列星では、質量が大きいほど光度が大きい(およそ質量の 3〜4 乗に比例)
質量が 2 倍なら光度は 10 倍以上。
質量の大きい星の寿命は長い?短い?
短い
燃料は多いが、光度が桁違いに大きく、はるかに速く使い切る。
太陽(1 太陽質量)の主系列星としての寿命は?質量 10 倍の星では?
太陽は約 100 億年、質量 10 倍の星は約 2000 万年程度
質量が大きいほど圧倒的に短い。
HR 図で、恒星が一生のうち最も長くとどまる場所は?
主系列(だから主系列星が多数を占める)
進化の後半は短いので、その段階の星は少ない。
星団の HR 図を描くと、年齢が分かるのはなぜ?
質量の大きい星から先に主系列を離れるので、主系列がどこまで残っているかで年齢が分かる
離れ始める点(転向点)が目印。