恒星の距離と等級
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (4) ア (イ) ㋐「恒星の性質と進化」。
内容の取扱いは、恒星の「性質」について距離・絶対等級・半径・表面温度・
スペクトル型及び質量を扱うことを求めている。
0. どういう論点か
恒星の明るさには 2 種類あり、区別できないと何も計算できません。
| 何を表すか | 距離の影響 | |
|---|---|---|
| 見かけの等級(実視等級) | 地球から見た明るさ | 受ける(遠いと暗い) |
| 絶対等級 | 10 パーセクの距離に置いたときの明るさ | 受けない(本当の明るさ) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 等級は数が小さいほど明るい(1 等星は 6 等星より明るい)
- 5 等級の差で明るさは 100 倍(1 等級で約 2.5 倍)
- 絶対等級は「10 pc に置いたら」の明るさ(10 光年ではない)
1. 距離の測り方
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(イ)-㋐
恒星までの距離を求める、もっとも基本的な方法は?
年周視差の測定(三角測量)
視差の逆数が距離になる。
1 パーセク(pc)とは?光年に直すと?
年周視差が 1″ になる距離。約 3.26 光年(約 3.1 × 10¹³ km)
距離[pc]= 1 ÷ 年周視差[″]。
年周視差が 0.05″ の恒星の距離は?
20 pc(約 65 光年)
1 ÷ 0.05 = 20。
1 光年とは?
光が 1 年に進む距離(約 9.5 × 10¹² km)
太陽系に最も近い恒星まで約 4.2 光年。
年周視差で測れる距離には限界がある。なぜ?遠い天体はどう測る?
視差が小さすぎて測れなくなるから。遠い天体は変光星や超新星などの「本当の明るさが分かる天体」を使う
明るさから距離を逆算する。
2. 等級
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(イ)-㋐
等級の大小と明るさの関係は?
等級の数が小さいほど明るい
0 等級やマイナスの等級もある。
5 等級の差は、明るさで何倍の違い?
100 倍
1 等級の差は 100 の 5 乗根=約 2.5 倍。
1 等星と 6 等星では明るさが何倍違う?
100 倍
等級差 5 だから。
絶対等級とは?
恒星を 10 パーセクの距離に置いたと仮定したときの見かけの等級
距離の影響を取り除いた、本当の明るさの尺度。
見かけの等級 m、絶対等級 M、距離 d[pc]の関係式は?
m − M = 5 log(d) − 5
m − M を距離指数という。
距離が 10 pc の恒星では、見かけの等級と絶対等級はどうなる?
等しくなる(m = M)
定義上そうなる。
太陽の見かけの等級(約 −26.8)が非常に明るいのに、絶対等級は約 4.8。これは何を意味する?
太陽は近いから明るく見えるだけで、恒星としてはごく平均的な明るさであること
10 pc に置いたら肉眼でやっと見える程度。
3. 光度と明るさの比較
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(イ)-㋐
恒星の光度とは?
恒星が単位時間に放出する全エネルギー(本当の明るさ)
絶対等級で表される量。
同じ絶対等級の 2 つの星が、見かけの明るさで 100 倍違うとき、距離は何倍違う?
10 倍
明るさは距離の 2 乗に反比例する。
見かけの明るさは距離とどんな関係?
距離の 2 乗に反比例する
2 倍遠いと 4 分の 1 の明るさ。
実視等級と写真等級(色による等級の違い)から何が分かる?
恒星の色(=表面温度)
2 つの等級の差を色指数という。
色指数が大きい(赤い)星は、表面温度がどうなっている?
低い
青い星ほど色指数が小さく、高温。