太陽の表面と活動
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (4) ア (ア) ㋒「太陽の活動」。
内容の取扱いは「『太陽表面の現象』については、スペクトルも扱うこと」
「『太陽の活動』については、太陽の活動周期と地球への影響も扱うこと」を求めている。
0. どういう論点か
太陽の外側は、外へ行くほど高温という直感に反する構造をしています。
層の名前・温度・何が見えるかを対で覚えます。
| 層 | 温度 | 見えるもの |
|---|---|---|
| 光球(表面) | 約 6000 K | 黒点、粒状斑 |
| 彩層 | 約 1 万 K | プロミネンス(紅炎)、フレア |
| コロナ | 100 万 K 以上 | 皆既日食のときの淡い光、太陽風の源 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 黒点が暗いのは周囲より低温だから(約 4000 K。それでも明るい)
- 黒点が多いほど太陽は活発(黒点が減ると活動は低下)
- 活動周期は約 11 年
1. 光球と黒点
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(ア)-㋒
光球とは?温度は?
私たちが見ている太陽の表面。約 6000 K
その外側に彩層・コロナがある。
粒状斑とは?何を示している?
光球に見える細かい模様。内部の対流(対流層のガスの上昇・下降)を示す
1 つの大きさは約 1000 km。
黒点はなぜ暗く見える?
周囲より温度が低いから(約 4000 K)
磁場が強く、対流による熱の運び込みが妨げられている。
黒点の観測から分かる太陽の性質を 2 つ挙げると?
自転していること、緯度によって自転周期が違うこと(差動回転)
赤道で約 25 日、高緯度で約 30 日。
太陽の縁のほうが暗く見える現象を何という?なぜ?
周縁減光。斜めに見るため、より外側(低温)の層しか見えないから
中心ほど深く高温の層が見える。
黒点は磁場とどう関係している?
強い磁場が集まっており、多くは N 極と S 極が対になって現れる
磁力線が光球を貫いている。
2. 彩層・コロナと爆発現象
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(ア)-㋒
彩層とは?いつ見える?
光球の外側の薄い層(約 1 万 K)。皆既日食のときに赤く見える
Hα 線で観測できる。
プロミネンス(紅炎)とは?
彩層から吹き上がり、磁力線に沿って浮かぶガスの構造
日食のとき縁に炎のように見える。
コロナとは?温度は?
太陽の最も外側の非常に薄い大気。100 万 K 以上
皆既日食のときに真珠色に見える。
コロナが光球より高温であることは、なぜ不思議?
熱は高温から低温へ流れるので、外側が高温になる仕組みが別に必要だから
磁場のエネルギーによる加熱が考えられている。
フレアとは?
彩層やコロナで起こる爆発現象(磁場のエネルギーが解放される)
X 線や高エネルギー粒子が放出される。
フレアが地球に及ぼす影響を 3 つ挙げると?
磁気嵐、デリンジャー現象(短波通信の障害)、オーロラの活発化
人工衛星の故障や送電網への影響もある。
太陽風はどこから吹き出している?
コロナ(高温のため粒子が重力を振り切って流れ出す)
秒速 数百 km で太陽系に広がる。
3. スペクトルと活動周期
根拠: 学習指導要領 地学-(4)-ア-(ア)-㋒
太陽のスペクトルには暗い線が見える。この線を何という?
吸収線(フラウンホーファー線)
光球の外側の低温のガスが特定の波長を吸収してできる。
太陽のスペクトルから何が分かる?
太陽大気の元素の種類と量、温度、磁場の強さ、視線方向の運動
ヘリウムは太陽のスペクトルから発見された。
太陽の組成は?
水素が約 9 割(原子数比)、ヘリウムが約 1 割、ほかはごく少量
質量比では水素 約 74 %、ヘリウム 約 25 %。
連続スペクトルと輝線・吸収線は、それぞれどんな場合に見える?
高温の固体や濃いガスは連続スペクトル、薄い高温ガスは輝線、連続スペクトルを低温のガスが通ると吸収線
太陽は連続スペクトル+吸収線。
太陽の活動周期はどれくらい?何の数で測る?
約 11 年。黒点の数で測る
黒点が多い時期を極大期という。
黒点の出現緯度は、周期の中でどう変わる?
周期の初めは高緯度に現れ、進むにつれて低緯度へ移る(蝶形図)
規則性があることが磁場の周期と結びつく。
太陽活動が弱かった時期に、地球の気候はどうだったと考えられている?
寒冷だった(17 世紀のマウンダー極小期と小氷期が重なる)
活動と気候の関係は研究が続いている。
太陽の活動が強まると、地球の磁気圏ではどんなことが増える?
磁気嵐やオーロラが増える(太陽風とフレアが強まるため)
→ 地磁気と磁気圏