地磁気と磁気圏
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (1) ア (ア) ㋑「地球の磁気」。
内容の取扱いは「地磁気の三要素及び磁気圏と太陽風との関連を扱うこと」「地磁気の原因と
古地磁気にも触れること」を求めている。
0. どういう論点か
地磁気は「地表でどう測るか(三要素)」と「宇宙に向かって何をしているか(磁気圏)」の
2 つの面から出ます。
| 何の話か | キーワード | |
|---|---|---|
| 地磁気の三要素 | 地表で磁場を測ると何が分かるか | 偏角・伏角・水平分力 |
| 地磁気の原因 | なぜ磁場があるのか | 外核の対流(ダイナモ作用) |
| 磁気圏 | 磁場が太陽風をどう防ぐか | 太陽風・磁気圏界面・オーロラ |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 三要素は偏角・伏角・水平分力(全磁力は三要素に入らない)
- 北を指す磁針の N 極が向く先は「北磁極」で、北極点とは別
- 伏角は北半球で下向き(正)、南半球で上向き(負)、磁気赤道で 0
1. 地磁気の三要素
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(ア)-㋑
地磁気はベクトルなので、向きと大きさを決めるには 3 つの量が必要です。
その組み合わせが地磁気の三要素です。
地磁気の三要素とは?
偏角・伏角・水平分力
この 3 つで磁場ベクトルが一意に決まる。全磁力は三要素に含めない。
偏角とは何?
磁針が指す北(磁北)と、真北とのずれの角度
日本では西へ 5〜10° ずれる(西偏)。
伏角とは何?
磁場の向きが水平面からどれだけ傾いているかの角度
自由に回る磁針の N 極が下を向く角度。
水平分力とは何?
地磁気の全磁力の、水平方向の成分
方位磁針を動かすのはこの成分。
全磁力を三要素に入れないのはなぜ?
水平分力と伏角から計算で出せてしまうから
全磁力 = 水平分力 ÷ cos(伏角)。独立な量は 3 つで足りる。
伏角は、赤道付近・北半球・南半球でそれぞれどうなる?
磁気赤道で 0°、北半球では下向き、南半球では上向き
北磁極では 90°(真下)になる。
日本付近の伏角はおよそどれくらい?
45〜55°(北半球なので下向き)
北へ行くほど大きくなる。
2. 地磁気の分布と原因
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(ア)-㋑
地磁気の分布は、どんな磁石で近似できる?
地球の中心に置いた 1 本の棒磁石(双極子磁場)
これで全体の 9 割ほどが説明できる。
方位磁針の N 極が引かれる「北磁極」は、磁石としてはどちらの極?
S 極
N 極が引かれる側なので、地球内部の磁石は北側が S 極になっている。
北磁極と北極点(地理上の北極)の関係は?
一致せず、数百 km 以上ずれている(しかも移動している)
このずれが偏角の原因。
地表の全磁力はおよそどれくらいの大きさ?
約 3 万〜6 万 nT(0.3〜0.6 ガウス)
磁気赤道付近で小さく、磁極付近で大きい。
地磁気の原因は何と考えられている?
液体の外核の対流による電流(ダイナモ作用)
金属鉄の流れが電流を生み、それが磁場を維持する。
地磁気が地球内部起源であることは、どうやって確かめられる?
磁場の分布が双極子でよく近似でき、変化がゆっくりであること(永年変化)
外部起源の変化(日変化・磁気嵐)は速く、小さい。
3. 磁気圏と太陽風
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(ア)-㋑
地磁気は地表で終わらず、宇宙空間に広がって太陽風をさえぎっています。
その領域が磁気圏です。
太陽風とは何?
太陽から常に吹き出している高温のプラズマ(陽子や電子)の流れ
秒速数百 km で流れ、磁場を運んでいる。
磁気圏とは何?
地球の磁場が太陽風をさえぎり、支配している領域
太陽風の圧力と地球磁場の圧力がつり合う面が磁気圏界面。
磁気圏の形は球形?
球形ではない
太陽側は 10 地球半径ほどに押しつぶされ、反対側は尾のように長く伸びる。
磁気圏があることは、地球の生物にとってどんな意味がある?
太陽風や宇宙線の荷電粒子が直接降り注ぐのを防いでいる
大気の散逸を抑える働きもある。
オーロラはどうして起こる?
磁気圏に入った荷電粒子が磁力線に沿って極域に降り込み、大気の分子を光らせる
だから極域に環状(オーロラオーバル)に現れる。
太陽面の爆発(フレア)が起きると地球で何が起こる?
磁気嵐(地磁気の激しい変動)、オーロラの活発化、通信障害(デリンジャー現象)
人工衛星や送電網にも影響が出る。
磁気圏の中で、高エネルギー荷電粒子が帯状に捕らえられている領域を何という?
ヴァン・アレン帯(放射線帯)
内帯と外帯の 2 つがある。