古地磁気と地磁気の逆転
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (1) ア (ア) ㋑「地球の磁気」。
内容の取扱いは「地磁気の原因と古地磁気にも触れること」を求めている。
0. どういう論点か
岩石は、できたときの地磁気の向きを記録として残します。これを読むのが古地磁気の研究で、
そこから 2 つの大きな結論が出ました。
| 読み取るもの | 分かること |
|---|---|
| 磁化の向き(南北) | 地磁気が過去に何度も逆転していたこと |
| 磁化の伏角 | その岩石ができた当時の緯度(古緯度) |
| 磁化の偏角の変化 | 大陸が動いてきたこと(見かけの極移動) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 記録されるのは「岩石ができた時」の磁場(現在の磁場ではない)
- キュリー点より高温では磁化を保てない(冷えて初めて記録される)
- 逆転の間隔は不規則(周期的ではない)
1. 岩石が地磁気を記録する仕組み
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(ア)-㋑
岩石が、できた当時の地磁気の向きを記録したものを何という?
残留磁気(自然残留磁化)
これを調べる分野が古地磁気学。
高温の溶岩はなぜ磁化を保てない?
キュリー点(キュリー温度)より高温では、磁性が失われるから
磁鉄鉱のキュリー点は約 580 ℃。
溶岩が磁化を獲得するのはいつ?
冷えてキュリー点を下回ったとき
そのときの地磁気の向きに磁性鉱物がそろい、そのまま固定される。
堆積岩でも古地磁気が記録されるのはなぜ?
磁性をもつ砕屑粒子が、沈むときに磁場の向きにそろって堆積するから
火成岩(熱残留磁化)と堆積岩(砕屑残留磁化)で仕組みが違う。
古地磁気を調べるとき、岩石の何を測る?
残留磁気の偏角と伏角(向き)
向きが現在の地磁気とどう違うかを見る。
2. 地磁気の逆転
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(ア)-㋑
地磁気の「逆転」とは何が起こること?
N 極と S 極が入れ替わること(方位磁針が南を指す状態になる)
岩石の残留磁気が現在と逆向きに記録されていることから分かった。
現在と同じ向きの時期・逆向きの時期を、それぞれ何という?
正磁極期(正帯磁期)と逆磁極期(逆帯磁期)
地質時代を通じて何度も入れ替わっている。
地磁気の逆転はどれくらいの間隔で起きている?
不規則で、数万年から数百万年おき
周期的ではない。最後の逆転は約 78 万年前。
約 78 万年前の逆転にあたる、日本の地層で定義された地質時代の名は?
チバニアン(千葉時代)
千葉県市原市の地層が、最後の逆転を記録する基準として国際的に認められた。
海洋底には、海嶺と平行な磁気の縞模様がある。何を示している?
海洋底が海嶺で生まれ、逆転を記録しながら両側へ広がってきたこと
プレートテクトニクスの強い証拠になった(→ 単元 03)。
縞状の磁気異常が海嶺の両側で対称なのはなぜ?
同じ時期にできた海洋底が、海嶺の両側へ等しく広がっていくから
対称の縞は「拡大」でしか説明できない。
3. 古緯度と大陸移動
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(ア)-㋑
岩石の残留磁気の伏角から何が分かる?
その岩石ができた当時の緯度(古緯度)
伏角は緯度で決まる(磁気赤道 0°、磁極 90°)ため。
同じ大陸の古い岩石をたどると、求まる磁極の位置が時代とともに動く。これを何という?
見かけの極移動(曲線)
「見かけの」と付くのは、実際に動いたのは磁極ではなく大陸だから。
大陸ごとに見かけの極移動曲線がずれていることは、何を示す?
それぞれの大陸が別々に動いてきたこと(大陸移動)
曲線を重ねると、過去に大陸がつながっていた配置が復元できる。
インドの古い岩石が浅い伏角を示すのは、何を意味する?
かつて低緯度(南半球寄り)にあり、その後北上したこと
古地磁気は大陸移動の距離を数値で語れる数少ない手がかり。
地磁気が数十年〜数百年の間にゆっくり変化することを何という?
地磁気の永年変化
偏角や伏角の値が時代とともにずれるため、古い海図の記録が使える。