地球内部の温度と物質
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (1) ア (イ) ㋑「地球内部の状態と物質」。
内容の取扱いは「放射性同位体の崩壊など地球内部の熱源にも触れること」を求めている。
0. どういう論点か
内部の温度・圧力・組成は、表面から測れる量と実験室の結果をつないで推定します。
| 観測・実験 | 推定できること |
|---|---|
| 地温勾配・地殻熱流量 | 浅部の温度、熱の出方 |
| 高圧実験(岩石の融点) | どの深さで溶けるか、溶けないか |
| 隕石の組成・地球の平均密度 | 核とマントルの組成 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 地温勾配(約 3 ℃/100 m)をそのまま延長してはいけない(中心が 20 万 ℃ になってしまう)
- マントルは高温でも固体。融点も圧力とともに上がるため
- 熱源は放射性同位体の崩壊熱が主だが、地球ができたときの熱も残っている
1. 温度と圧力
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(イ)-㋑
地殻浅部の地温勾配はおよそどれくらい?
100 m につき 約 3 ℃(1 km につき約 30 ℃)
場所によって幅があり、火山地帯では大きい。
地温勾配をそのまま中心まで延長できないのはなぜ?
深部では勾配がずっと小さくなるから
延長すると中心が数十万 ℃ になり、実際(5000〜6000 ℃)と合わない。
地球の中心の温度と圧力は、およそどれくらい?
温度 5000〜6000 ℃、圧力 約 360 万気圧(約 360 GPa)
中心の温度は太陽の表面温度と同程度。
深さとともに圧力が高くなるのは、何によるか?
上にのっている岩石の重さ(自重)
深さ 1 km ごとに約 300 気圧の割合で増える。
マントルが高温なのに固体でいられるのはなぜ?
圧力が高いと融点も上がるため、温度が融点に達していないから
温度だけでは溶けるかどうかは決まらない。
アセノスフェアがやわらかい理由を、温度と融点の関係で言うと?
その深さでは、温度が融点にもっとも近づくから
一部が溶けていることもある。
2. 地球内部の熱源
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(イ)-㋑
地球は冷えつづけていますが、地球内部の熱源があるために、まだ内部が高温です。
地球内部の熱源のうち、現在もっとも大きいのは何?
放射性同位体の崩壊熱
ウラン・トリウム・カリウムなどが崩壊するときに出す熱。
崩壊熱を出す主な放射性同位体を 3 つ挙げると?
ウラン 238、トリウム 232、カリウム 40
いずれも半減期が数億〜百数十億年と長い。
放射性同位体は、地球のどこに多く含まれる?
地殻(とくに花こう岩質の大陸地殻)
イオン半径が大きく、マグマが固まる過程で地殻側に濃集した。
放射性同位体の崩壊のほかに、地球内部に残っている熱は?
地球ができたときの熱(微惑星の衝突熱と、核ができるときに解放された重力エネルギー)
46 億年かけてまだ冷え切っていない。
地表から宇宙へ逃げていく熱の量(地殻熱流量)の平均はおよそどれくらい?
約 90 mW/m²(0.09 W/m² 程度)
太陽から受け取るエネルギーに比べれば 1 万分の 1 以下。
地殻熱流量が大きいのはどこ?小さいのはどこ?
大きいのは海嶺や火山地帯、小さいのは古い海洋底や大陸の安定地塊(楯状地)
若くて熱いところで大きい。
地球内部の熱は、どのように外へ運ばれている?
マントルでは対流、リソスフェアでは伝導
やわらかいところは流れて運び、硬いところは伝わって運ぶ。
3. 内部の物質をどう知るか
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(イ)-㋑
マントルの物質を直接手に取れることがある。どんな場合?
火山噴出物に含まれるかんらん岩の捕獲岩(マントル捕獲岩)や、断層で上昇した岩体
これらの組成から上部マントルがかんらん岩と分かった。
核が鉄を主とすると考えられる根拠を 2 つ挙げると?
①地球の平均密度を説明できる ②鉄隕石(隕鉄)の存在が、金属核をもつ天体を示す
太陽系の元素の割合とも整合する。
高圧実験は、地球内部の研究にどう使われる?
内部と同じ圧力・温度を実験室でつくり、鉱物の相転移や融点を調べる
深さ 660 km の不連続面が相転移だと分かったのもこの方法。
地球の地殻に最も多く含まれる元素は?上位 2 つを答えると?
酸素とケイ素
ケイ酸塩鉱物が地殻・マントルの主成分であることを意味する。