アイソスタシー
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (1) ア (イ) ㋑「地球内部の状態と物質」。
内容の取扱いは「アイソスタシーも扱うこと」を求めている。
0. どういう論点か
アイソスタシーは「地殻がマントルに浮いてつり合っている」という考え方です。
氷が水に浮くのと同じ関係を、地殻とマントルに当てはめます。
| 見え方 | アイソスタシーが言うこと |
|---|---|
| 標高が高い山脈 | 地殻が厚い(下に「根」がある) |
| 海洋は標高が低い | 地殻が薄く、密度も大きい |
| 氷河が融けた地域が今も隆起 | 荷重が減り、つり合いに戻る途中 |
| 重力異常(負) | 軽い地殻が深くまである |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 浮いているのは「地殻がマントルに」(水に浮いているわけではない)
- 標高が高い=地殻が厚い(重い岩石でできているのではない)
- つり合いは、ある深さ(補償深度)での圧力が等しくなること
1. 浮かんでつり合う
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(イ)-㋑
アイソスタシーとは何?
地殻がマントルの上に浮き、重さがつり合っている状態
アルキメデスの原理を地殻に当てはめた考え方。
アイソスタシーで、つり合っているのはどこでの何?
ある深さ(補償深度)における圧力
その深さでは、上にのっている物質の重さが場所によらず等しくなる。
氷山にたとえると、地殻とマントルは何に対応する?
地殻が氷、マントルが水
氷が水より軽いので浮くのと同じで、地殻はマントルより密度が小さい。
標高の高い山脈の地下は、どうなっている?
地殻が厚くなっている(山の「根」がある)
浮いている部分が高いほど、水中に沈んだ部分も深い。
地殻の密度を 2.7、マントルの密度を 3.3 g/cm³ とすると、標高 1 km の山にはどれくらいの根が必要?
約 4.5 km
2.7 × (h + d) = 3.3 × d の関係から、d = 2.7h/(3.3 − 2.7) = 4.5h。
海洋地殻は薄いのに、なぜ大きく沈んでいる(海底が低い)?
薄いうえに玄武岩質で密度が大きいから
浮力が小さく、つり合いの位置が低くなる。
2. アイソスタシーの証拠
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(イ)-㋑
スカンジナビア半島やカナダで、現在も土地が隆起しているのはなぜ?
氷期に地表をおおっていた氷河が融け、荷重が減ったぶんつり合いに戻りつつあるから
年に 1 cm 程度の隆起が続いている。
氷河が融けた後の隆起が、すぐに終わらないのはなぜ?
マントルの流動がゆっくりで、つり合いに戻るのに時間がかかるから
粘性の大きい流体の上の板が戻るのと同じ。
氷河がのっていた時代、その地域の地殻はどうなっていた?
氷の重さで押し下げられていた
荷重が増えるとつり合いの位置が下がる。
高い山脈で、ブーゲー異常(重力異常)が大きな負の値になるのはなぜ?
密度の小さい地殻が深くまで達しているため、地下の質量が予想より少ないから
「根」の存在を重力の側から確かめたことになる。
アイソスタシーがほぼ成り立っている地域は、重力異常がどうなる?
ほぼ 0 になる
つり合っている=地下の質量が過不足なくそろっている。
アイソスタシーが成り立っていない場所の例は?
海溝など、プレートが沈み込んで力がかかり続けている場所
大きな重力異常が残る(つり合いから外れている)。
3. 侵食・堆積とつり合い
根拠: 学習指導要領 地学-(1)-ア-(イ)-㋑
山脈が侵食されて低くなると、地殻はどう動く?
軽くなったぶん上昇する(隆起する)
だから侵食されても、ただ削られて消えるのではなく、地殻の根が浅くなりながら残る。
山の表面を削り続けると、標高はどう変化する?
隆起しながらゆっくり低くなる
削った量より標高の減り方が小さいので、山地は長く残る。
堆積物が厚くたまる盆地では、地殻はどうなる?
重くなったぶん沈降する
沈降が続くと、さらに厚い堆積物がたまる。
大陸地殻の平均の厚さと、海洋地殻の平均の厚さを比べると?
大陸は 30〜50 km、海洋は 5〜10 km で、大陸は 5 倍前後厚い
標高差はこの厚さの差がつり合いで表れたもの。