常用対数
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学Ⅱ (3) 指数関数・対数関数 ア (ウ)「対数の意味とその基本的な性質について理解し,簡単な対数の計算をすること」。
0. どういうまとまりか
底が 10 の対数 を常用対数といいます。私たちは数を 10 進法で書くので、10 を底にすると
「その数が何桁か」「小数第何位から始まるか」が、常用対数の整数部分にそのまま表れます。
と の近似値さえ覚えておけば、対数とその性質 を使って多くの数の常用対数が出せます。
| 知りたいこと | 条件 | 常用対数で言うと |
|---|---|---|
| 正の数 が整数部分 桁 | ||
| 小数第 位に初めて 0 でない数字 | ||
| 最高位の数字 | 整数部分を除いた残り(小数部分) | 〜 のどの間にあるか |
分かれ目は次の 3 つ。
- 桁数は「整数部分 + 1」。 なら 16 桁で、15 桁ではない
- 小数は、負の対数を「負の整数 + 0 以上 1 未満」に分けて読む。 は なので小数第 7 位
- 最高位の数字は、小数部分を 、、… と比べて決める
1. 常用対数とその値
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(3)-ア-(ウ)
2 と 3 の常用対数の近似値から、10 を使って 5 の常用対数も出せます。これで 1 から 10 までの整数のうち 7 以外の常用対数がそろいます。
常用対数とは何か?
底が 10 の対数
、、。10 進法の位取りと結びつくので、桁数を調べるのに使う。
と の近似値は?(小数第 4 位まで)
、
問題文で与えられることが多いが、覚えておくと見通しが立つ。、 はこの 2 つから出る。
は、 を使ってどう求めるか?
で、
5 は として 10 と 2 で表す。
(、 は整数)のとき、 はどう表せるか?
()
整数部分 が位取り(桁)を、小数部分 が数字の並びを表す。。
2. 桁数
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(3)-ア-(ウ)
桁の正の整数は、 以上 未満です。両辺の常用対数をとれば、桁数が常用対数の整数部分で決まります。
正の数 の整数部分が 桁であることを、常用対数で表すと?
の各辺の常用対数をとったもの。3 桁の数は 、つまり 。
は何桁の整数か?()
16 桁
で、。 なので 。整数部分 15 に 1 を足す。
は何桁の整数か?()
15 桁
なので 。
3. 小数第何位に初めて 0 でない数字が現れるか
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(3)-ア-(ウ)
1 より小さい正の数は常用対数が負になります。 台(小数第 3 位に初めて 0 でない数字)は 以上 未満です。
正の数 が小数第 位に初めて 0 でない数字が現れる数であることを、常用対数で表すと?
の常用対数をとったもの。 なら で小数第 3 位。
を小数で表すと、小数第何位に初めて 0 でない数字が現れるか?()
小数第 7 位
で、。 なので 。 と読んで第 6 位としないこと。
4. 最高位の数字
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(3)-ア-(ウ)
桁数を決めた整数部分を除くと、残った小数部分が「先頭の数字」を決めます。
の小数部分から、 の最高位の数字をどう決めるか?
小数部分が となる整数 (1〜9)が最高位の数字
()なら で、 の整数部分が最高位の数字。
の最高位の数字は?()
1
の小数部分は 。 なので、 は と の間にある。
練習問題
問 1 は何桁の整数か。また、最高位の数字を求めよ。ただし 、 とする。
16 桁、最高位の数字は 3
方針 を実際に計算するのは無理なので、常用対数 を求める。その整数部分が桁数を、小数部分が最高位の数字を決める。 なので、 は与えられた 2 つの値の和で出せる。
- なので、。値は から、
- 指数 20 を前に出す。 で、 から、
- なので、。 は 16 桁の数なので、 は 16 桁
- 小数部分は 。これを 1〜9 の常用対数と比べる
- 、 で から
- なので、。最高位の数字は 3
ここで間違えやすい 桁数は整数部分 15 そのものではなく、1 を足した 16。
問 2 は何桁の整数か。また、最高位の数字を求めよ。ただし 、 とする。
21 桁、最高位の数字は 9
方針 常用対数 を求め、整数部分から桁数を、小数部分から最高位の数字を読む。 は与えられていないので、 として から作る。
- なので、。値は から、
- 指数 30 を前に出す。 で、 から、
- なので、。 は 21 桁の数なので、 は 21 桁
- 小数部分は 。1 に近いので、大きい数字の常用対数と比べる
- なので で、 から 。また
- なので、。最高位の数字は 9
ここで間違えやすい は で、 はこれより大きい。ここで止めて 8 としないで、9 の常用対数まで確かめる。
問 3 を小数で表すと、小数第何位に初めて 0 でない数字が現れるか。ただし とする。
小数第 10 位
方針 1 より小さい数は常用対数が負になる。 を求め、それがどの連続する 2 つの整数の間にあるかを見れば、 以上 未満の が決まる。
- なので、
- 指数 を前に出す。
- 値は から、
- は と の間にあるので、
- 指数の形に戻すと、
- は小数第 10 位に初めて 1 が現れる数、 は小数第 9 位に初めて 1 が現れる数。その間にあるので、小数第 10 位に初めて 0 でない数字が現れる
ここで間違えやすい の「9」を読んで小数第 9 位としないこと。負の数は と「負の整数 + 0 以上 1 未満」に分けて、 のほうを読む。
問 4 が 10 桁の整数となるような自然数 をすべて求めよ。ただし とする。
方針 「10 桁の整数」を不等式 で書く。各辺の常用対数をとれば、 が指数から係数に下りてきて、 の一次不等式になる。
- 10 桁の整数は 以上 未満なので、
- 各辺の常用対数をとる(底 10 は 1 より大きいので向きはそのまま)。
- 指数 を前に出して を入れると、
- 各辺を で割る。、 なので、
- この範囲の自然数は、
確かめ: 、 はどちらも 9 以上 10 未満。その外側の と は範囲を外れる。
ここで間違えやすい 10 桁の条件は で、 ではない( 桁は整数部分が )。
問 5 となる最小の自然数 を求めよ。ただし 、 とする。
方針 求めたい が指数にあるので、両辺の常用対数をとって を係数に下ろす。 なので、 は与えられた 2 つの値の差で出せる。
- なので、。値は から、
- 両辺の常用対数をとる(底 10 は 1 より大きいので向きはそのまま)。
- 左辺は指数 を前に出して 、右辺は なので 2。値を入れると、
- 両辺を正の数 で割る。 なので、
- これを満たす最小の自然数は、
確かめ: は 2 より小さく、 は 2 より大きい。
ここで間違えやすい を四捨五入して 11 としないこと。 なので、11 では足りず、切り上げた 12 が答え。