対数関数
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学Ⅱ (3) 指数関数・対数関数 ア (エ)「対数関数の値の変化やグラフの特徴について理解すること」。
0. どういうまとまりか
、 のとき、 を を底とする対数関数といいます。
は と同じことなので、指数関数 の と を入れかえた関数です。
そのためグラフは のグラフと直線 に関して対称になり、増減の分かれ目も指数関数と同じく底で決まります。
| 増減 | 増加 | 減少 |
| 共通 | 定義域は ・点 を通る・y 軸が漸近線 | 同左 |
| 大小(、) |
分かれ目は次の 3 つ。
- 定義域は 。方程式・不等式では、真数条件を先に書いてから解き、最後に照らし合わせる
- 底が 1 より小さいと、真数の大小と対数の大小が逆。不等式では不等号の向きが変わる
- 大小比較は底をそろえ、数(2 や など)も同じ底の対数で書く
1. 対数関数のグラフ
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(3)-ア-(エ)
指数関数 が点 を通り x 軸を漸近線にもつことを、 と を入れかえて読みかえると、対数関数の性質になります。
対数関数 のグラフと、指数関数 のグラフは、どんな位置関係にあるか?
直線 に関して対称
は と同じで、 の と を入れかえたものだから。
対数関数 の定義域と値域は?
定義域は (正の実数全体)、値域は実数全体
指数関数 の定義域(実数全体)と値域()が入れかわっている。
のグラフが、底によらず必ず通る点と、漸近線は?
点 を通り、y 軸が漸近線
だから。点 も通る。
は、 と で増減がどう違うか?
なら増加関数、 なら減少関数
は右上がり、 は右下がり。 なので、2 つのグラフは x 軸に関して対称。
2. 大小比較
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(3)-ア-(エ)
底が同じなら、真数の大小を比べれば済みます。底が 1 より小さいときは向きが逆になります。
のとき、 と の大小は?( のときと のとき)
なら 、 なら
のように、底が 1 より小さいと真数の大きいほうが小さくなる。
、、 の大小はどう比べるか?
底を 2 にそろえ、2 も と書いて真数を比べる
。 なので 。
3. 対数方程式・対数不等式
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(3)-ア-(エ)
対数関数は増加か減少のどちらかなので、 なら です。ただし真数は正でなければならないので、変形の前に真数条件を書いておきます。
対数方程式・対数不等式を解くとき、最初に何をするか?
真数条件(真数がすべて正)を書き出す
とまとめると、 かつ の条件が式から消えてしまう。最後にこの条件で解をしぼる。
を解くと、なぜ解が 1 つになるか?
から が出るが、真数条件 で は捨てるから
答えは 。まとめたあとの だけを見ると、 でも真数が正になってしまう。
対数不等式 を解くとき、何に注意するか?
真数条件 を先に書き、底 は 1 より小さいので不等号の向きを変える
なので 。真数条件と合わせて 。
のような方程式は、どう解くか?
と置いて の二次方程式にする
から 。 から 、 から 。 は実数全体をとるので、指数の置きかえのような の制限はない。
練習問題
問 1 、、 を小さい順に並べよ。
方針 底が 3 と 9 で違い、 は対数ですらないので、このままでは比べられない。底を 3 にそろえ、 も底 3 の対数で書いて、真数どうしを比べる。底 3 は 1 より大きいから、真数が大きいほど対数も大きい。
- の底を 3 にする。 なので、
- 係数 を真数の指数に戻す。
- を底 3 の対数で書く。 で、 なので、
- も真数を根号でそろえる。 なので、
- 真数を比べると、
- 底 3 は 1 より大きいので、真数の大小がそのまま対数の大小になり、
問 2 方程式 を解け。
方針 まず真数条件を書く。次に、左辺を 1 つの対数にまとめ、右辺の 3 も底 3 の対数で書いて、真数どうしを等しいと置く。出てきた解は、最後に真数条件でしぼる。
- 真数条件は かつ 。 かつ なので、
- 左辺の和を真数の積にまとめる。
- 右辺を底 3 の対数で書く。
- から真数を比べて、
- 左辺を展開すると 。27 を移項して、
- 因数分解して、 から
- 真数条件 を満たすのは、
ここで間違えやすい は を満たすが、もとの式に入れると真数が と で負になる。まとめたあとの式だけを見ると気づけないので、真数条件はまとめる前に書いておく。
問 3 不等式 を解け。
方針 まず真数条件を書く。次に、右辺の を底 の対数で書いて、真数どうしを比べる。底 は 1 より小さい(減少関数)ので、真数を比べるときに不等号の向きが変わる。
- 真数条件は 。 から、
- を底 の対数で書く。 なので、
- 不等式は になる
- 底 は 1 より小さいので、不等号の向きを変えて真数を比べる。
- を移項して 。両辺を 2 で割って、
- 真数条件 と合わせて、
ここで間違えやすい 向きをそのままにして としないこと。また、真数条件のほうには等号が付かない( では真数が 0 になる)。
問 4 不等式 を解け。
方針 まず真数条件を書く。次に、左辺を 1 つの対数にまとめ、右辺の 3 も底 2 の対数で書いて、真数どうしを比べる。底 2 は 1 より大きいので、不等号の向きはそのまま。最後に真数条件と合わせる。
- 真数条件は かつ 。 かつ なので、
- 左辺の和を真数の積にまとめる。
- 右辺を底 2 の対数で書く。
- で、底 2 は 1 より大きいので、向きはそのままで
- 左辺を展開して 8 を移項すると、
- 因数分解して、 から
- 真数条件 と合わせて、
ここで間違えやすい 6 の をそのまま答えにしないこと。 の部分は、もとの式の真数が正にならない。
問 5 方程式 を解け。
方針 を に直すと、式全体が の二次式になる。 と置いて の二次方程式を解き、 から に戻す。
- 真数条件は かつ 。合わせて、
- のとき、真数の指数を係数として前に出せる。
- と置くと、方程式は
- 因数分解して、 から
- のとき、 から
- のとき、 から
- どちらも真数条件 を満たすので、
ここで間違えやすい と は別のもの。前者は対数の値を 2 乗したもので、指数を前に出せるのは後者だけ。また、 は負の値もとるので、 を捨てない(指数の置きかえ の とは違う)。
問 6 のとき、関数 の最大値と最小値を求めよ。
最大値 5( のとき)、最小値 1( のとき)
方針 式全体が の二次式なので、 と置くと は の二次関数になる。 の範囲を の範囲に直してから、平方完成して頂点と両端の値を比べる。
- と置くと、
- の範囲を求める。底 2 は 1 より大きいので、 から 、つまり
- 平方完成する。
- 軸 は範囲 に入っているので、 で最小値 1 をとる。このとき から
- 最大値は両端のどちらかでとる。 のとき 、 のとき
- 両端で同じ値なので、どちらでも最大値 5 をとる。 は 、 は
ここで間違えやすい 軸 が範囲 のちょうど真ん中にあるので、両端の値が等しくなる。最大値をとる は 1 つではなく、 と の両方を答える。