対数とその性質
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学Ⅱ (3) 指数関数・対数関数 ア (ウ)「対数の意味とその基本的な性質について理解し,簡単な対数の計算をすること」。
0. どういうまとまりか
の解は とすぐ分かりますが、 の解は、これまでの記号では書けません。
そこで「 を何乗すれば になるか」という数を と書き、 を底とする の対数と呼びます。
対数は指数の言いかえなので、性質はすべて指数法則から出てきます。
| 指数で書くと | 対数で書くと |
|---|---|
分かれ目は次の 3 つ。
- 底は 、真数は 。この条件の外では対数を考えない
- 積は和に、商は差に、累乗は係数になる。和の対数 は分けられない
- 底が違う対数は、底の変換公式でそろえてから計算する
1. 対数の定義
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(3)-ア-(ウ)
、 のとき、どんな正の数 に対しても となる実数 がただ 1 つ決まります。この が です。
対数 とは何か? 指数を使って言いかえると?
を何乗すれば になるか、を表す数。
を底、 を真数という。 だから 。
の底 と真数 の条件は?
底は かつ 、真数は
は正の値しかとらないので、真数は正でなければならない。この条件(真数条件)は方程式・不等式を解くときに必ず最初に書く。
、、 の値は?
、、
、、。「底を何乗すれば真数になるか」を考える。
と の値は?
、
、 だから。さらに 、 も定義からすぐ出る。
2. 対数の性質
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(3)-ア-(ウ)
、 と置けば、指数法則 がそのまま対数の性質になります。
と は、どう分けられるか?(、)
、
積の対数は対数の和、商の対数は対数の差。指数法則 、 の言いかえ。
は、どう書きかえられるか?
真数の指数は、対数の前に係数として出せる。。
は正しいか?
正しくない
和になるのは積の対数 。和の対数 は、そのままでは分けられない。
と の値は?
、
和は真数の積に、差は真数の商にまとめてから値を出す。
3. 底の変換公式
根拠: 学習指導要領 数学Ⅱ-(3)-ア-(ウ)
底が違う対数どうしは、そのままでは性質が使えません。どれか 1 つの底にそろえます。
底の変換公式とは?
(、、 は正の数、、)
とすると 。両辺の を底とする対数をとると になる。
を、底を 2 にそろえて計算すると?
。
と の関係は? また の値は?
。
底の変換公式で とすると 。 なので、掛けると 。
底が 10 の対数 を何というか?
常用対数
大きな数の桁数や、小さな数が小数第何位から始まるかを調べるのに使う。
練習問題
問 1 を計算せよ。
3
方針 などは 1 つずつでは値が出ない。底がすべて 3 で同じなので、和は真数の積に、差は真数の商にまとめて 1 つの対数にする。
- 和を真数の積にまとめる。
- 差を真数の商にまとめる。
- 真数を計算すると、
- なので、
問 2 を計算せよ。
2
方針 係数の 2 が付いたままでは、差を商にまとめられない。 で係数を真数の指数に戻してから、差を真数の商にまとめる。
- 係数 2 を真数の指数に戻す。
- 差を真数の商にまとめる。
- 真数を計算すると なので、
- なので、
問 3 の値を求めよ。
6
方針 底が のままでは「何乗すれば 8 になるか」が見えにくい。底も真数も 2 の累乗なので、底の変換公式で底を 2 にそろえる。
- 底の変換公式で底を 2 にする。
- 分子は なので、
- 分母は なので、
- で割るのは 2 を掛けるのと同じなので、
確かめ: で、たしかに を 6 乗すると 8 になる。
問 4 を計算せよ。
方針 底が 2・4・3 とばらばらなので、このままでは対数の性質が使えない。底の変換公式で全部の底を 2 にそろえ、 だけで表す。最後に が約分されて消える。
- なので、
- の底を 2 にする。 なので、
- かっこの中を足す。
- の底を 2 にする。 なので、
- 3 と 4 を掛けると が約分されて、
問 5 、 とするとき、 と を 、 で表せ。
、
方針 真数を 2・3・10 の積や商で表せば、対数の性質で 、、 に分けられる。5 は 2 と 3 の積では作れないので、 として 10 と 2 で表す。
- 12 を素因数分解する。
- 積の対数を和に分ける。
- 指数を係数として前に出す。
- 15 は で、 なので、
- 積は和に、商は差に分ける。
- なので、
ここで間違えやすい は と の足し算・掛け算では作れない。5 を見たら として、 とするのが定石。