みならいノート

数学Ⅰ 2027年度版

グラフの移動と係数の符号

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 数学Ⅰ (3) 二次関数 ア (ア)「二次関数の値の変化やグラフの特徴について理解すること」。

0. どういうまとまりか

グラフを動かすと式がどう変わるか、逆にグラフの形から式の係数の符号がどう読めるかを扱います。
どちらも「式の文字をどう置き換えるか」「グラフのどこを見るか」の決まりを覚えておけば、計算は短くなります。

移動 式の置き換え 移動後の式
軸方向に 、 軸方向に の平行移動 を 、 を に
x 軸に関する対称移動 を に
y 軸に関する対称移動 を に
原点に関する対称移動 を 、 を に

分かれ目は次の 3 つ。

1. 平行移動の式

根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(3)-ア-(ア)

のグラフ上の点 を 軸方向に 、 軸方向に だけ平行移動した点を とすると、
、 です。これを に入れると になります。
移動後の点から、元の点へ戻して代入しているので、符号が移動の向きと逆になります。

のグラフを 軸方向に 、 軸方向に だけ平行移動したグラフの式は?

( を に、 を に置き換える)

と書いても同じ。

平行移動の式で、 を ではなく に置き換えるのはなぜか?

移動後の点 を元に戻した点 が、元のグラフ上にあるから

元の式に入るのは「戻した点」の座標。

二次関数のグラフの平行移動を、式を展開せずに求めるにはどうするか?

頂点の移動だけを考える

頂点 は に移り、 の係数 は変わらない。

2. 対称移動

根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(3)-ア-(ア)

x 軸に関して対称な点は 座標の符号だけが、y 軸に関して対称な点は 座標の符号だけが変わります。
原点に関して対称な点は、両方の符号が変わります。二次関数では、頂点の動きと凸の向きで確かめられます。

のグラフを x 軸に関して対称移動したグラフの式は?

( を に置き換える)

頂点の 座標の符号が変わり、凸の向きが逆になる。

のグラフを y 軸に関して対称移動したグラフの式は?

( を に置き換える)

頂点の 座標の符号が変わる。凸の向きは変わらない。

のグラフを原点に関して対称移動したグラフの式は?

( を 、 を に置き換える)

頂点 は に移り、凸の向きが逆になる。

二次関数のグラフを対称移動したとき、 の係数 の符号が変わるのはどの移動か?

x 軸に関する対称移動と、原点に関する対称移動

y 軸に関する対称移動では は変わらない(左右を入れ替えるだけ)。

3. グラフから係数の符号を読む

根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(3)-ア-(ア)

のグラフが与えられたとき、・・ の符号は、凸の向き・ 軸との交点・軸の位置から読めます。
頂点の 座標の符号(x 軸と交わるかどうか)は、判別式を使って 二次方程式とグラフ で読みます。

のグラフで、 の符号はグラフのどこで読むか?

軸との交点( 切片)の 座標

を代入すると 。

のグラフで、 の符号はどう読むか?

軸 の位置と の符号から読む

軸が 軸より右()なら、 と は異符号。左なら同符号。

のグラフが下に凸で、軸が 軸より右にある。 の符号は?

で だから 。

で、 と はグラフのどこで読むか?

は のときの 座標、 は のときの 座標

、。

練習問題

問 1  のグラフを、 軸方向に 3、 軸方向に だけ平行移動したグラフの式を求めよ。

方針 平行移動したグラフの式は、「 を に、 を に置き換える」と出る。ここでは 、 なので、 を に、 を つまり に置き換える。

  1. 元の式 の と を置き換える。
  2. を展開する。
  3. を展開する。
  4. 2 つを足して、右辺をまとめる。
  5. 左辺の を右辺に移項する。

確かめ(頂点で見る): 元の式は なので頂点は 。これを 軸方向に 3、 軸方向に 動かすと に移る。求めた式は で頂点が になり、一致する。

ここで間違えやすい 「 軸方向に 3 だから 」としない。式に入れるのは、移動後の点を元に戻した座標なので、符号が移動の向きと逆になる。 も同じで、 動かすなら に置き換える。

問 2  のグラフを、x 軸・y 軸・原点のそれぞれに関して対称移動したグラフの式を求めよ。

x 軸: 、y 軸: 、原点:

方針 対称移動は、符号が入れ替わる座標の文字を、式の中で置き換えれば出る。x 軸に関してなら を に、y 軸に関してなら を に、原点に関してならその両方を置き換える。

  1. x 軸に関する対称移動。 を に置き換える。
  2. 両辺に を掛けて について解く。右辺のすべての項の符号が変わり、
  3. y 軸に関する対称移動。 を に置き換える。
  4. 、 なので、( の 1 次の項だけ符号が変わる)
  5. 原点に関する対称移動。 を に、 を に置き換える。右辺は 4. と同じなので、
  6. 両辺に を掛けて、

確かめ(頂点で見る): 元の式は で、頂点は 、下に凸。

移動 頂点 凸の向き 式
x 軸 上に凸
y 軸 下に凸
原点 上に凸

ここで間違えやすい y 軸に関する対称移動では、 の係数と定数項は変わらない。全部の項の符号を変えるのは x 軸に関するときである。

問 3  のグラフをどのように平行移動すると、 のグラフに重なるか。

軸方向に 、 軸方向に

方針 平行移動しても放物線の形( の係数)は変わらず、動くのは位置だけ。2 つの式はどちらも の係数が 1 なので重ねられる。位置は頂点で代表できるから、両方を平方完成して頂点を出し、頂点がどれだけ動いたかを見る。

  1. 移動前の式を平方完成する。 の係数 の半分は 、その 2 乗は 1 なので、
  2. 定数項を合わせる。。頂点は
  3. 移動後の式を平方完成する。 の係数 4 の半分は 2、その 2 乗は 4 なので、
  4. 定数項を合わせる。。頂点は
  5. 頂点は から へ動いた。 軸方向の移動は「移動後 移動前」で
  6. 軸方向の移動も同じように、

ここで間違えやすい 引く順番を逆にして「 軸方向に 3、 軸方向に 5」としない。動かす量は、行き先の座標から元の座標を引く。

問 4 放物線 を 軸方向に 2、 軸方向に だけ平行移動すると、 になった。、 の値を求めよ。

、

方針 分かっているのは移動したあとの式で、求めたいのは移動する前の式。だから移動を逆向きにたどる。 軸方向に 2、 軸方向に の逆は、 軸方向に 、 軸方向に 3 の平行移動である。

  1. 逆向きの移動は 、。 を つまり に、 を に置き換える
  2. 移動後の式 を置き換える。
  3. 展開する。、
  4. 右辺をまとめる。
  5. 左辺の を移項する。
  6. これが元の放物線 なので、係数を比べて 、

確かめ(頂点で見る): 移動後の式は で頂点 。逆向きに戻すと頂点は つまり 。 となり、一致する。

ここで間違えやすい 与えられた移動( 軸方向に 2、 軸方向に )を、移動後の式 にそのままもう一度かけない。それでは元に戻らず、さらに先へ動かしてしまう。

問 5  のグラフが上に凸で、 軸の正の部分と交わり、軸が 軸より右にある。、、 の符号を答えよ。

、、

方針  は凸の向き、 は 軸との交点から、それぞれ単独で読める。 はグラフのどこにも単独では現れないので、軸 の位置と の符号を組にして、最後に読む。

  1. グラフが上に凸なので、
  2. を代入すると なので、 は 軸との交点の 座標。 軸の正の部分と交わるから、
  3. 軸は直線 。これが 軸より右にあるので、
  4. 両辺に を掛けると 。分数が負になるのは分子と分母が異符号のときなので、 と は異符号
    1. から なので、

ここで間違えやすい 「軸が右にあるから 」と、軸の位置だけで決めない。同じく軸が右にあっても、下に凸()なら になる。必ず の符号と組にして読む。

このノートの 11 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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