二次方程式とグラフ
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学Ⅰ (3) 二次関数 ア (ウ)「二次方程式の解と二次関数のグラフとの関係について理解すること」。
0. どういうまとまりか
二次方程式 の実数解は、放物線 が x 軸と交わる点の 座標です。
解の公式の根号の中 (判別式 )の符号を見れば、解いてしまわなくても実数解の個数、
つまりグラフと x 軸の共有点の個数が分かります。
| 判別式 | 二次方程式の実数解 | x 軸との共有点 | のグラフ |
|---|---|---|---|
| 異なる 2 つ | 2 個(交わる) | 頂点が x 軸より下 | |
| 1 つ(重解) | 1 個(接する) | 頂点が x 軸上 | |
| ない | 0 個 | 頂点が x 軸より上 |
分かれ目は次の 3 つ。
- 「実数解をもつ」は 。「異なる 2 つの実数解」の と取り違えない
- 接する条件は 。接点の 座標は重解
- の係数が偶数()なら で判定してよい。符号は と同じ
1. 二次方程式の解と判別式
根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(3)-ア-(ウ)
因数分解できない二次方程式は、解の公式で解きます。公式の根号の中が負だと、実数の解はありません。
二次方程式 の解の公式は?
のとき実数解になる。
二次方程式 ( の係数が偶数)の解の公式は?
分母・分子を 2 で約分した形。計算が軽くなる。
二次方程式 の判別式 とは何か?
(解の公式の根号の中)
の係数が なら 。
判別式 の符号と、二次方程式の実数解の個数の関係は?
なら異なる 2 つの実数解、 なら重解(1 つ)、 なら実数解はない
「実数解をもつ」条件は 。
のとき、二次方程式 の重解は?
解の公式で根号の中が 0 になった値。グラフの軸の 座標と同じ。
2. グラフと x 軸の共有点
根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(3)-ア-(ウ)
のグラフと x 軸の共有点は、 とおいた二次方程式の実数解を 座標にもつ点です。
方程式を解くことと、グラフが x 軸とどこで出会うかを見ることは、同じことを別の側から見ています。
二次方程式 の実数解は、グラフでは何にあたるか?
放物線 と x 軸の共有点の 座標
x 軸は直線 。
放物線 と x 軸の共有点の個数は、判別式 でどう決まるか?
なら 2 個、 なら 1 個、 なら 0 個
共有点が 1 個のとき、放物線は x 軸に接するという。
放物線 が x 軸に接する条件と、そのときの接点の 座標は?
、接点の 座標は
接点は頂点。頂点の 座標が 0 になる、と言っても同じ。
のとき、 と頂点の 座標の符号にはどんな関係があるか?
と、頂点の 座標が負であることは同じ
頂点の 座標は 。下に凸の放物線は、頂点が x 軸より下なら x 軸と 2 点で交わる。
放物線 が x 軸と 2 点で交わるとき、x 軸から切り取る線分の長さは?
2 つの解の差 の絶対値。
放物線 と直線 の共有点の個数は、どうやって調べるか?
を消した二次方程式 の判別式の符号を見る
x 軸との共有点は、直線が の場合。
練習問題
問 1 二次方程式 を解け。
方針 左辺 は、整数の範囲では因数分解できない(掛けて 3、足して になる組み合わせが作れない)。因数分解できない二次方程式は、解の公式 で解く。
- 係数を読む。、、
- 根号の中 を先に計算する。
- 分子の は なので 5、分母の は
- 公式に入れて、
ここで間違えやすい なので、 は 5(正)になる。 の符号をそのまま書いて としない。
問 2 二次方程式 を、 の係数が偶数のときの公式で解け。
方針 の係数 が偶数なので、 とみて を使う。ふつうの公式より数が小さくなり、最後の約分が要らなくなる。
- 係数を読む。、。 の係数は なので、
- 根号の中 を計算する。
- 分子の は なので 2
- 公式に入れる。
- 分母が 1 なので、
確かめ(ふつうの公式): 根号の中は で、。 を 2 で約分すると になり、一致する。
ここで間違えやすい は の係数の半分。 としない。また、この公式の分母は ではなく である。
問 3 放物線 と x 軸の共有点の個数を、定数 の値で分類せよ。
のとき 2 個、 のとき 1 個、 のとき 0 個
方針 x 軸との共有点の個数は、 とおいた二次方程式 の実数解の個数と同じで、判別式 の符号で決まる。 を の式で表し、正・0・負の 3 つに分ける。
- 係数を読む。、、
- 判別式を計算する。
- のとき共有点は 2 個。 の を移項して 、両辺を 4 で割って
- のとき共有点は 1 個(接する)。 から 、
- のとき共有点は 0 個。 から 、
ここで間違えやすい を と変形して で割るなら、負の数で割るので不等号の向きが逆になる()。向きを変え忘れると、2 個と 0 個が入れ替わる。
問 4 放物線 が x 軸に接するような定数 の値と、そのときの接点の座標を求めよ。
のとき接点 、 のとき接点
方針 放物線が x 軸に接するのは、 とおいた二次方程式が重解をもつとき、つまり判別式が 0 のとき。 の係数が で偶数なので を使う。 が決まったら、接点の 座標は重解 で求める。
- 係数を読む。、。 の係数は なので、
- を計算する。
- 接する条件は なので、
- 左辺を因数分解する。掛けて 、足して になる 2 数は と 1 なので、。よって
- 接点の 座標は重解で、
- のとき 。接点は x 軸上にあるので 座標は 0 で、接点は
- のとき で、接点は
確かめ: のとき、式は で、 で x 軸に接する。 のとき、式は で、 で x 軸に接する。
ここで間違えやすい の値を出したところで終わらない。 の値は 2 つあるので、接点もそれぞれについて求める。
問 5 放物線 が x 軸から切り取る線分の長さを求めよ。
方針 「x 軸から切り取る線分」は、放物線と x 軸の 2 つの交点を結ぶ線分のこと。交点の 座標は の解なので、方程式を解いて、大きいほうの解から小さいほうの解を引けば長さになる。
- の係数 が偶数なので、 として解く。根号の中は で、
- 公式に入れる。
- 交点は と の 2 つ
- 大きいほうから小さいほうを引く。
別解(公式 を使う): 判別式は なので 。長さは で、 だから同じ値になる。
ここで間違えやすい 4. でかっこを外すとき、 は になる。 としてしまうと、長さが 0 になってしまう。
問 6 放物線 と直線 の共有点の個数を、定数 の値で分類せよ。
のとき 2 個、 のとき 1 個(接する)、 のとき 0 個
方針 共有点では、放物線の と直線の が等しい。だから 2 つの式から を消してできる の二次方程式の実数解が、共有点の 座標になる。実数解の個数は判別式の符号で決まるので、判別式を の式で表して場合を分ける。
- 2 つの式の右辺を等しいとおいて、 を消す。
- 右辺を左辺に移項して、
- 係数を読む。、。 の係数は なので、
- を計算する。
- 、つまり から のとき、異なる 2 つの実数解をもつので、共有点は 2 個
- 、つまり のとき、重解をもつので、共有点は 1 個(接する)
- 、つまり のとき、実数解をもたないので、共有点は 0 個
確かめ: のとき、方程式は で 。重解 をもち、直線 は点 で放物線に接する。
ここで間違えやすい 移項したあとの定数項は なので、 は で になる。符号を落として とすると、不等号の向きが全部逆になる。