二次不等式
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 数学Ⅰ (3) 二次関数 ア (ウ)「二次不等式の解と二次関数のグラフとの関係について理解し,二次関数のグラフを用いて二次不等式の解を求めること」。
0. どういうまとまりか
二次不等式 の解は、放物線 が x 軸より上にある部分の の範囲です。
まず に直し、二次方程式とグラフ の判別式 で x 軸との共有点を調べてから、グラフを見て読みます。
のとき( なら、 の 2 つの解を とする):
| (重解 ) | |||
|---|---|---|---|
| 以外のすべての実数 | すべての実数 | ||
| すべての実数 | すべての実数 | ||
| 解なし | 解なし | ||
| 解なし |
分かれ目は次の 3 つ。
- なら、両辺に を掛けて に直す。不等号の向きが逆になる
- で「」は 2 つの解の外側、「」は内側
- のときは、グラフが x 軸より下に出ないので、解は「すべての実数」「解なし」「1 点」のどれか
1. D>0 のときの解き方
根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(3)-ア-(ウ)
二次不等式は、グラフと x 軸の共有点の 座標を境にして、グラフが x 軸の上にあるか下にあるかで解を読みます。
共有点の 座標は、二次方程式を解いて求めます。
二次不等式 の解は、グラフでは何にあたるか?
放物線 が x 軸より上にある部分の の範囲
「」なら x 軸より下にある部分。
、 で、 の解を とする。 の解は?
(2 つの解の外側)
下に凸なので、2 つの共有点の外側で x 軸より上にある。
、 で、 の解を とする。 の解は?
(2 つの解の内側)
「」なら端を含めて 。
の係数が負の二次不等式は、最初に何をするか?
両辺に を掛けて の係数を正にし、不等号の向きを逆にする
は になる。
2. D=0、D<0 のときの解
根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(3)-ア-(ウ)
のとき、 の放物線は x 軸に接し、接点以外では x 軸より上にあります。
のときは、x 軸と共有点をもたず、いつも x 軸より上にあります。
の解は?
以外のすべての実数
のときだけ左辺が 0 になる。「」ならすべての実数。
と の解は?
は解なし、 は
2 乗は負にならない。
、 のとき、 と の解は?
はすべての実数、 は解なし
グラフがいつも x 軸より上にある。
3. すべての実数で成り立つ条件
根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(3)-ア-(ウ)
「どんな についても 」は、グラフがいつも x 軸より上にあることです。
下に凸で、しかも x 軸と共有点をもたなければよいので、条件は 2 つそろって初めて決まります。
二次不等式 がすべての実数 で成り立つ条件は?
かつ
下に凸で、x 軸と共有点をもたない。
がすべての実数 で成り立つ条件は?()
かつ
x 軸に接してもよいので を含む。
「 がすべての実数で成り立つ」で、 の係数 が文字のとき、何に注意するか?
の場合を別に調べる
では二次不等式でなくなり、 かつ の条件が使えない。
4. 連立不等式と、解から係数を決める
根拠: 学習指導要領 数学Ⅰ-(3)-ア-(ウ)
連立不等式は、それぞれの不等式を解いて数直線に並べ、共通部分をとります。
また、解が先に分かっているときは、その解になる二次不等式を作って係数を比べます。
連立二次不等式の解は、どうやって求めるか?
それぞれの不等式を解き、数直線上で解の共通部分をとる
端を含むかどうか(● と ○)を数直線にかき分ける。
解が になる二次不等式を 1 つ作ると?
解が なら 。
練習問題
問 1 二次不等式 を解け。
方針 の解は、放物線 が x 軸より上にある の範囲。だから、まず x 軸と交わる点( の解)を求め、それを境にしてグラフの上下を読む。
- 左辺を因数分解する。掛けて 、足して になる 2 数は 2 と なので、
- を解くと、。放物線はこの 2 点で x 軸と交わる
- の係数は 1 で正なので、放物線は下に凸。下に凸の放物線が x 軸より上にあるのは、2 つの交点の外側
- よって、
確かめ: 内側の を入れると で負(成り立たない)。外側の を入れると で正(成り立つ)。
問 2 二次不等式 を解け。
方針 の係数が負のままだと、グラフが上に凸になって「外側・内側」を読み違えやすい。まず両辺に を掛けて の係数を正に直し(不等号の向きが逆になる)、下に凸のグラフで読む。
- 両辺に を掛ける。すべての項の符号が変わり、不等号の向きが逆になる。
- 左辺を因数分解する(たすき掛け)。
- 展開して確かめる。
- を解く。 から 、 から
- 下に凸の放物線が x 軸より下にある(または x 軸上にある)のは、2 つの交点の内側。「」なので端を含む
- よって、
ここで間違えやすい を掛けたときに不等号の向きを変え忘れると、答えが外側()になってしまう。
問 3 次の二次不等式を解け。(1) (2)
(1)3 以外のすべての実数 (2)解なし
方針 どちらも、x 軸と 2 点で交わらない放物線の不等式。「2 つの解の外側・内側」という読み方が使えないので、グラフが x 軸に接するのか()、x 軸から離れているのか()を調べて、グラフの位置から直接読む。
- (1)左辺を因数分解する。 なので、不等式は
- 2 乗した数は 0 以上で、0 になるのは 、つまり のときだけ。グラフは で x 軸に接し、ほかでは x 軸より上にある
- のときは左辺が 0 で、「」を満たさない。よって解は、3 以外のすべての実数
- (2)因数分解できないので、判別式で x 軸との共有点を調べる。 の係数が偶数なので を使うと、
- なので、グラフは x 軸と共有点をもたない。 の係数が正で下に凸だから、グラフはいつも x 軸より上にある
- 平方完成でも確かめられる。 で、 は 0 以上だから、左辺はいつも 2 以上
- 左辺が 0 以下になる はないので、解なし
ここで間違えやすい (1)を「すべての実数」としない。「」は 0 を含まないので、左辺が 0 になる だけが外れる。「」ならすべての実数になる。
問 4 すべての実数 について が成り立つような定数 の値の範囲を求めよ。
方針 「すべての実数 で 」は、放物線 の全体が x 軸より上にあること。条件は「下に凸」かつ「x 軸と共有点をもたない」の 2 つだが、 の係数は 1 で、下に凸は最初から満たされている。残る条件は、判別式 だけである。
- 係数を読む。、、
- 判別式を計算する。
- x 軸と共有点をもたない条件は なので、
- 左辺を因数分解する。掛けて 、足して になる 2 数は と 2 なので、
- これは についての二次不等式。 の解は で、「」なので 2 つの解の内側
- よって、
ここで間違えやすい 等号は入らない。( または )のときは放物線が x 軸に接し、接点で左辺が 0 になるので、「」が成り立たない が 1 つできてしまう。
問 5 連立不等式 、 を解け。
方針 連立不等式の解は、2 つの不等式を同時に満たす の範囲。それぞれを別々に解いてから、数直線に並べて重なっている部分をとる。
- 1 つ目の左辺を因数分解する。掛けて 3、足して になる 2 数は と なので、
- は、2 つの解 の内側。端は含まず、
- 2 つ目の左辺を因数分解する。掛けて 、足して になる 2 数は 1 と なので、
- は、2 つの解 の外側。端を含み、
- 数直線に並べる。 の部分は、 と重ならない
- の部分は、 と 2 から 3 の間で重なる。よって、
ここで間違えやすい 端を含むかどうかは、不等式ごとに違う。 は 2 つ目の「」の端で、1 つ目も満たす()ので含む。 は 1 つ目の「」の端で、満たさないので含まない。
問 6 二次不等式 の解が となるように、定数 、 の値を定めよ。
、
方針 解が先に分かっているので、ふだんと逆にたどる。まず解が になる二次不等式を自分で作り、それを与えられた不等式 と同じ形にそろえて、係数を比べる。
- 解が ( と 3 の内側)になる二次不等式を作る。
- 左辺を展開する。 なので、
- 与えられた不等式は「」で、不等号の向きが逆。向きをそろえるには、両辺に負の数を掛ければよい。負の数 を掛けると、()
- 左辺を展開する。
- これが と同じ式になるので、定数項を比べて 。両辺を で割って ( を満たす)
- の係数を比べて 。 を入れて、
確かめ: 、 のとき、不等式は 。両辺を で割ると 、つまり で、解は になる。
ここで間違えやすい 「」なのに解が内側になっているのは、 の係数 が負(上に凸)だから。 のつもりで の定数項 と 6 を直接比べようとすると、合わなくて行き詰まる。