日本列島の成り立ち
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (2) ア (イ) ㋓「日本列島の成り立ち」。
告示は「日本列島の地形や地質に関する資料に基づいて,島弧としての日本列島の地学的な特徴と
形成史をプレート運動などと関連付けて理解すること」を求め、内容の取扱いは
付加体も扱うことを求めている。
0. どういう論点か
日本列島は「大陸から切り離された島弧」で、その骨組みは付加体でできています。
プレートの沈み込みが列島をつくったという筋でまとめます。
| 時期 | 起こったこと |
|---|---|
| 古生代後期〜中生代 | 沈み込みにより付加体が次々に付加し、骨組みができる |
| 中生代 | 花こう岩の貫入(大陸の縁での火成活動) |
| 約 2000 万年前 | 日本海が開き、列島が大陸から分離(観音開き) |
| 数百万年前〜現在 | 伊豆-小笠原弧の衝突、隆起と侵食、火山活動 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 付加体は「海洋プレートの上の堆積物がはぎ取られて陸側に付いたもの」
(海洋プレートそのものが乗り上げたのではない) - 付加体は陸側へ向かって古くなる(新しいものが海溝側に付く)
- 日本海は大陸の割れ目が開いてできた(もとから海だったのではない)
1. 付加体
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(イ)-㋓
付加体とは?
海洋プレートの上の堆積物や岩石が、沈み込みのときにはぎ取られて陸側に押しつけられた地質体
日本列島の骨組みをつくっている。
付加体にはどんな岩石が含まれる?
チャート、石灰岩、玄武岩(海洋地殻)、砂岩・泥岩(陸源の堆積物)
遠い海でできた岩石と、陸に近い堆積物が混じる。
付加体に含まれるチャートや石灰岩は、どこでできた?
遠い海(赤道付近の深海や海山の上のサンゴ礁)
プレートに乗って運ばれてきた。
付加体の年代は、陸側と海溝側でどちらが古い?
陸側が古い(海溝側に新しい付加体が次々に付く)
日本列島では内陸側に古い付加体が並ぶ。
付加体の内部が複雑に混じり合っているのはなぜ?
沈み込みの強い力で、地層がちぎれて混ざり合う(メランジュ)から
もとの重なりが失われる。
現在も付加体ができている場所はどこ?
南海トラフ(付加体が発達している)
掘削によって形成の途中が観察されている。
付加体の存在は、日本列島の歴史について何を示す?
古生代後期から現在まで、沈み込みが続いてきたこと
列島は沈み込みの産物である。
2. 日本列島の地質構造
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(イ)-㋓
中央構造線とは?
西日本を縦に貫く大断層で、北側(内帯)と南側(外帯)を分ける境界
北に領家変成帯、南に三波川変成帯が接する。
フォッサマグナとは?
本州中部を南北に横切る、新しい地層で埋まった溝状の地域
その西縁が糸魚川-静岡構造線。
フォッサマグナができたのはなぜ?
日本海の拡大と、伊豆-小笠原弧の衝突によって本州が引き裂かれ、その凹みが埋められたから
厚い新第三紀の地層がたまっている。
日本列島に花こう岩が広く分布するのはなぜ?
中生代に大陸の縁で活発な火成活動があり、マグマが地下で固まったから
その後の隆起と侵食で地表に現れた。
西日本の外帯に南北で対になった変成帯(三波川・領家)が並ぶことは何を示す?
かつてここが沈み込み帯だったこと(低温高圧型と高温低圧型の対)
→ 変成作用と変成岩
3. 日本海の形成と現在の日本
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(イ)-㋓
日本列島が大陸から分離したのはいつ?どうやって?
約 2000 万年前(新第三紀)。大陸の縁が割れて日本海が広がった
東北日本と西南日本が観音開きのように回転した。
日本海の拡大のときに列島が回転したことは、どうやって分かった?
岩石の古地磁気(当時の磁北の向き)が、東北日本と西南日本で逆方向にずれていること
伊豆半島はどこから来た?
伊豆-小笠原弧の一部として南から運ばれ、本州に衝突して付加した
フィリピン海プレートの北上による。
日本列島で隆起が速く、地形が険しいのはなぜ?
プレートの収束によって隆起が続き、同時に雨が多く侵食も速いから
隆起と侵食がせり合っている。
日本に平野が少ないのはなぜ?
隆起が続く若い島弧で、山地が多く、平野は沖積平野に限られるから
安定地塊の広い平原とは対照的。
日本列島が島弧である地学的な特徴を 4 つ挙げると?
海溝と対になる弧状の配列、活発な地震活動、火山フロントをもつ火山列、付加体と変成帯からなる地質
すべてプレートの沈み込みに由来する。
日本列島の成り立ちを一文でまとめると?
大陸の縁で付加体として骨組みがつくられ、日本海が開いて分離し、現在も沈み込みによって
変形と隆起を続けている島弧
歴史の全体がプレート運動で説明できる。