大気の組成と鉛直構造
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (3) ア (ア) ㋐「大気の構造」。
告示は「大気の組成,太陽放射と地球放射の性質を理解するとともに,大気に関する観測資料などに
基づいて,各圏の特徴と地球全体の熱収支など大気の構造を理解すること」を求めている。
0. どういう論点か
大気圏は、気温が上がるか下がるかで 4 つの層に分かれます。
境界の名前と高さ、気温変化の向きを対にして覚えます。
| 層 | 高さ | 気温 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 対流圏 | 地表〜約 11 km | 下がる | 地表から暖められる |
| 成層圏 | 〜約 50 km | 上がる | オゾンが紫外線を吸収 |
| 中間圏 | 〜約 80 km | 下がる | 吸収する物質が少ない |
| 熱圏 | 80 km〜 | 上がる | 酸素・窒素が紫外線・X 線を吸収 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 気温が上がるのは成層圏と熱圏(下がるのは対流圏と中間圏)
- オゾンが最も多いのは成層圏の下部(約 20〜25 km)で、気温が最高なのは成層圏の上端
- 組成は約 80 km までほぼ一定(水蒸気だけは大きく変わる)
1. 大気の組成
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(ア)-㋐
乾燥した大気の主な成分とその割合は?
窒素 約 78 %、酸素 約 21 %、アルゴン 約 0.93 %、二酸化炭素 約 0.04 %
体積比で表す。
水蒸気を「主な成分」に入れないのはなぜ?
場所と時間で大きく変わるから(0〜4 % 程度)
だから乾燥空気の組成として示す。
大気の組成が高さ約 80 km までほぼ一定なのはなぜ?
対流や乱流でよく混ざっているから
それより上では軽い成分が上に分かれる。
気圧とは何?地表の気圧はどれくらい?
その高さより上にある空気の重さによる圧力。約 1013 hPa(1 気圧)
1 cm² あたり約 1 kg の空気がのっている。
気圧は高さとともにどう変わる?
急に減る(およそ指数関数的に)。高さ約 5.5 km で地上の半分
空気は圧縮されるので下に密集している。
大気の質量の大部分は、どの層にある?
対流圏(全体の約 80 %)
成層圏までで 99 % を超える。
2. 対流圏と成層圏
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(ア)-㋐
対流圏の気温は高さとともにどう変わる?平均の割合は?
下がる。100 m につき約 0.65 ℃(気温減率)
地表が暖められ、そこから離れるほど低温になる。
対流圏の厚さは緯度によってどう違う?
低緯度で厚く(約 17 km)、高緯度で薄い(約 8 km)
暖かいほど対流が高くまで届く。
対流圏と成層圏の境界を何という?
圏界面(対流圏界面、トロポポーズ)
気温の下降が止まる高さ。
成層圏で気温が上がるのはなぜ?
オゾンが太陽の紫外線を吸収して熱に変えるから
上のほうが紫外線を先に受けるので高温になる。
オゾン層はどのあたりにある?
成層圏の下部、高さ約 20〜25 km で濃度が最大
気温が最高なのは成層圏の上端(約 50 km)である点に注意。
成層圏で対流が起こりにくいのはなぜ?
上のほうが高温で、空気が上下に動きにくい(安定)から
だから「成層」の名がついた。
気象現象(雲・雨)がほぼ対流圏に限られるのはなぜ?
水蒸気があり、上下方向の対流が起こるから
成層圏は安定で乾燥している。
3. 中間圏と熱圏
根拠: 学習指導要領 地学-(3)-ア-(ア)-㋐
中間圏の気温はどう変わる?中間圏の上端はどれくらいの温度?
高さとともに下がり、約 80 km で −90 ℃ 前後(大気で最も低温)
紫外線を吸収する物質が少ない。
熱圏で気温が非常に高くなるのはなぜ?
酸素や窒素の分子が、波長の短い紫外線や X 線を吸収するから
1000 ℃ を超えるが、空気が薄いので熱は感じない。
オーロラが見られるのはどの層?
熱圏
高さ 100〜300 km で発光する。
電離層(電波を反射する層)はどこにある?
熱圏
大気が電離しており、短波の通信に使われる。
流星が光るのはどの層?
中間圏(高さ 80〜120 km 付近)
大気との摩擦で高温になり発光する。