海洋の層構造
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学基礎」の内容 (1) ア (ウ) ㋑「大気と海水の運動」。
海水も大気と同じで、上下に層をなしている。分け方の基準が水温であることを押さえる。
0. どういう論点か
海は上から下まで同じではありません。水温の変わり方で 3 つに分かれます。
大気の構造 と同じ考え方で、気温(水温)の折れ曲がりで区切ると覚えると、
2 つの層構造を別々に覚えずに済みます。
| 層 | 水温 | 何が起きているか |
|---|---|---|
| 表層混合層 | ほぼ一定 | 風と波でかき混ぜられている |
| 水温躍層(主水温躍層) | 深さとともに急に下がる | 上下が混ざりにくい壁になる |
| 深層 | 低いままほぼ一定(2 ℃ 前後) | ゆっくりと大循環している |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 表層混合層の水温が一定なのは「混ざっているから」(暖かさが届いているからではない)
- 水温躍層はふたのはたらきをする(上下の水が入れ替わりにくい)
- 深層は、どの緯度でも冷たい(赤道の下でも 2 ℃ 前後)
1. 海水そのもの
根拠: 学習指導要領 地基-(1)-ア-(ウ)-㋑
海水の塩分は、平均でどれくらい?
約 3.5 %(35 ‰ 程度)
場所によって多少違うが、含まれる成分の割合はほぼ同じ。
海水に最も多く溶けている塩類は?
塩化ナトリウム
次いで塩化マグネシウムなどが多い。
蒸発が多い海域と、降水や河川の流入が多い海域では、塩分はどうなる?
蒸発が多いと高くなり、降水や流入が多いと低くなる
水だけが出入りするため。
海水の密度は、何によって決まる?
水温と塩分(低温で塩分が高いほど重い)
これが深層の流れを生む原因になる。
海が地球の気候を安定させているのはなぜ?
水は暖まりにくく冷めにくい(比熱が大きい)ため、熱をためこめるから
沿岸の気温は内陸より変化が小さい。
2. 深さによる区分
根拠: 学習指導要領 地基-(1)-ア-(ウ)-㋑
海水は水温の変化のしかたで、上から順にどんな 3 つの層に分けられる?
表層混合層・水温躍層・深層
これを海洋の層構造という。
表層混合層で水温がほぼ一定なのはなぜ?
風や波によってかき混ぜられているから
厚さは数十〜百数十 m ほど。
水温が深さとともに急に下がる層を何という?
水温躍層(主水温躍層)
上の暖かい水と下の冷たい水を隔てる。
水温躍層があると、上下の海水はどうなる?
混ざりにくくなる
密度の差がふたのようにはたらくため。
深層の水温は、赤道の下ではどうなっている?
低いまま(2 ℃ 前後)
太陽の熱は表層までしか届かず、深層は高緯度で沈んだ冷たい水で満たされている。
低緯度と高緯度では、層構造の見え方がどう違う?
低緯度でははっきりした水温躍層があり、高緯度では表層から冷たく、層の区別がはっきりしない
高緯度では上下が混ざりやすい。
季節によって表層混合層の厚さが変わるのはなぜ?
日射と風の強さが変わるから(冬は冷えて風も強く、厚くなる)
夏は表面だけが暖まり、浅いところに躍層ができる。
3. 光と生物から見た海
根拠: 学習指導要領 地基-(1)-ア-(ウ)-㋑
層構造は、水温だけの話ではありません。光の届く深さと栄養分のある深さがずれていることが、
海の生物の分布を決めています。ここは 海水の運動 の湧昇につながります。
太陽光が届き、光合成ができる海の表層を何という?
有光層
深さはおよそ 100 m 前後まで。
海の栄養分(栄養塩)は、どこに多い?
深いところ
生物の遺骸が沈んで分解されるため、下にたまる。
光は表層に、栄養は深層にある。この「ずれ」は何をもたらす?
深層の水が上がってくるところでだけ、プランクトンが大量に育つ
湧昇のある海域が好漁場になる理由。
海水が二酸化炭素を吸収することは、気候にどう効く?
大気中の二酸化炭素を減らし、温暖化を和らげる向きにはたらく
海は大気の何十倍もの炭素をためている。