水の循環と雲
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学基礎」の内容 (1) ア (ウ) ㋑「大気と海水の運動」。
大気と海水をつないでいるのは水そのもので、蒸発と凝結が熱を運ぶ仕組みをここで押さえる。
0. どういう論点か
水は地球上で、気体・液体・固体を行き来しながら循環しています。
このとき出入りする熱(潜熱)が、海から大気へ熱を渡す主な経路になっています。
雲や雨は、その途中で目に見える形になったものにすぎません。
| 変化 | 熱は | 起きる場所の例 |
|---|---|---|
| 蒸発(液体 → 気体) | 奪う | 海面・地面 |
| 凝結(気体 → 液体) | 放す | 上昇した空気の中(雲) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 雲は水蒸気ではない(水蒸気は目に見えない。雲は水滴や氷の粒)
- 凝結は熱を放す(蒸発が熱を奪うことの裏返し)
- 地球の水のほとんどは海水(淡水はごくわずか)
1. 水の循環
根拠: 学習指導要領 地基-(1)-ア-(ウ)-㋑
地球上の水のうち、海水はどれくらいの割合を占める?
約 97 %
残りの淡水の大部分は氷河や地下水で、河川や湖の水はごくわずか。
水の循環を動かしているエネルギーは、もとをたどると何?
太陽放射
太陽の熱が水を蒸発させ、大気が運び、重力が雨として戻す。
水が蒸発するとき、まわりの熱はどうなる?
奪われる(まわりは冷える)
この熱が水蒸気とともに運ばれる。
水蒸気が凝結して水滴になるとき、熱はどうなる?
放出される(まわりは暖まる)
この熱が、台風や積乱雲を発達させるエネルギーになる。
海から蒸発した水が、遠くの陸で雨になることは、熱の面から見ると何をしている?
海で受け取った熱を、別の場所へ運んで放出している
これが潜熱による熱輸送。
2. 雲のでき方
根拠: 学習指導要領 地基-(1)-ア-(ウ)-㋑
雲ができる条件は 1 つ、空気が冷えて水蒸気が飽和することです。
そして空気を冷やす最もふつうの方法が上昇なので、
「どこで上昇が起きるか」を知っていれば、雲ができる場所も分かります。
ある温度の空気が含むことのできる水蒸気の最大量を何という?
飽和水蒸気量
気温が高いほど大きい。
空気を冷やしていったとき、水蒸気が凝結し始める温度を何という?
露点(露点温度)
その空気がどれだけ湿っていたかで決まる。
雲は何でできている?
小さな水滴や氷の粒
水蒸気は目に見えないので、見えている時点で水滴か氷。
水蒸気が凝結するときに必要な、核になる小さな粒を何という?
凝結核
海塩粒子や塵などがこれにあたる。
空気が上昇すると雲ができるのはなぜ?
膨張して温度が下がり、露点に達して水蒸気が凝結するから(断熱冷却)
冷やされる原因が「上昇」であることが多い。
空気が上昇する原因を 3 つ挙げると?
①地面が強く暖められる ②山にぶつかる ③前線や低気圧で押し上げられる
どれも結果として雲をつくる。
雲の粒が雨になるには、何が必要?
粒どうしが集まって大きくなり、上昇気流で支えきれなくなること
小さいままでは落ちてこられない。
3. 前線と天気の変化
根拠: 学習指導要領 地基-(1)-ア-(ウ)-㋑
性質の違う空気は簡単には混ざらず、境目をつくります。
そこが上昇の起きる場所になるので、前線は雲と雨の通り道になります。
性質の異なる気団が接する境目が地表と交わる線を何という?
前線
暖かい空気が冷たい空気の上に乗り上げるか、押し上げられる。
温暖前線と寒冷前線では、雲の広がり方がどう違う?
温暖前線は広い範囲に層状の雲で長く弱い雨、寒冷前線は狭い範囲に積乱雲で短く強い雨
暖気がゆっくり乗り上げるか、寒気が急に潜り込むかの違い。
寒冷前線が通過すると、気温と風向きはどうなる?
気温は下がり、風向きが急に変わる
寒気が入ってくるため。
温帯低気圧と熱帯低気圧の違いは?
温帯低気圧は前線を伴い、南北の温度差をエネルギー源とする。熱帯低気圧は前線が無く、水蒸気の凝結熱で発達する
台風は熱帯低気圧のうち、強くなったもの。
日本付近で天気が西から東へ変わっていくのはなぜ?
中緯度の上空を偏西風が吹いているから
低気圧も高気圧も、この風に流されて東へ動く。