経営戦略
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス案 Ver.0.1 の小分類 1-2-1「経営戦略」(大分類 1:ビジネス変革/中分類 2:経営戦略・デジタル戦略)。
2026-09-26 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
シラバスは経営戦略を上から 3 段に分けています。用語をこの 3 段に振り分けると混乱しません。
| 段 | 何を決めるか | 代表的な用語 |
|---|---|---|
| 経営戦略の策定 | 会社は何のために存在し、どこを目指すか | 経営理念・MVV・ベンチマーキング・ベストプラクティス・VUCA |
| 全体戦略の策定 | どの事業をやるか、何を自前でやるか | PPM・コアコンピタンス・アウトソーシング・M&A・TOB・エコシステム・アライアンス |
| ビジネス戦略の策定 | 1 つの事業でどう勝つか、どう測るか | SWOT・VRIO・バリューチェーン・成長マトリクス・競争戦略・BSC・CSF・KGI・KPI |
分析の道具は「何を見るための枠か」で区別します。
- SWOT 分析 … 自社の強み弱みと外の機会脅威
- VRIO 分析 … その強みが本当に競争優位を生むか
- バリューチェーン分析 … どの活動で価値が生まれているか
- PPM … どの事業に資金を配るか
- 成長マトリクス … どの方向に成長するか(製品 × 市場)
1. 経営戦略の策定
根拠: シラバス 1-2-1
経営理念と MVV の関係は?
経営理念(企業理念)= 企業が何のために存在し、何を大切にするかを示した根本的な考え方
それを 3 つに分けて具体化したのが MVV:
| 問い | |
|---|---|
| ミッション(Mission) | 私たちは何のために存在するか(使命) |
| ビジョン(Vision) | 将来どうなりたいか(目指す姿) |
| バリュー(Value) | そのために何を大切にして行動するか(価値観) |
経営戦略は、この理念とビジョンを実現するための道筋として作る。
ベンチマーキングとベストプラクティスの違いは?
| 何か | |
|---|---|
| ベンチマーキング | 優れた企業のやり方を測定・比較し、自社との差を明らかにして改善目標にする手法 |
| ベストプラクティス | ある目的を達成するうえで最も効果的とされるやり方(手本そのもの) |
比べる行為がベンチマーキング、比べる相手の手本がベストプラクティス。
比較対象は同業とは限らない。
VUCA とは?
Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)
の頭文字で、先の見通しが立ちにくい現代の環境を表す言葉
長期の計画をきっちり立てて守るより、変化に合わせて素早く見直す戦略が求められる、という文脈で使われる。
2. 全体戦略の策定
根拠: シラバス 1-2-1
PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)とは? 4 つの区分は?
市場成長率と市場占有率の 2 軸で事業を 4 つに分類し、資源配分を決める手法
| 市場成長率 高 | 市場成長率 低 | |
|---|---|---|
| 占有率 高 | 花形 | 金のなる木 |
| 占有率 低 | 問題児 | 負け犬 |
金のなる木で稼いだ資金を問題児に投じ、花形に育てるのが基本の流れ。
コアコンピタンスとアウトソーシングの関係は?
| 何か | |
|---|---|
| コアコンピタンス | 他社にまねできない、自社の中核となる強み |
| アウトソーシング | 業務の一部を外部に委託すること |
コアコンピタンスに経営資源を集中し、それ以外はアウトソーシングする、という組み合わせで使われる。
M&A・TOB・アライアンスの違いは?
| 何か | |
|---|---|
| M&A(Mergers and Acquisitions) | 合併・買収して 1 つになる(支配権を得る) |
| TOB(Take Over Bid:公開買付け) | 買付けの期間・価格・株数を公告して、市場外で株式を買い集める方法。M&A の手段の 1 つ |
| アライアンス | 独立したまま提携する(業務提携・資本提携・共同開発) |
M&A は「一体になる」、アライアンスは「独立したまま組む」。TOB は M&A の「やり方」。
ビジネスにおけるエコシステムとは?
複数の企業・団体・利用者が、それぞれの強みを持ち寄って互いに依存し合い、
全体として価値を生み出す関係(生態系)
例:スマートフォンの OS 企業・アプリ開発者・利用者がつながって、全体で成長する。
アライアンスが「特定の相手との提携」なのに対し、エコシステムは多数が参加する広い仕組み。
3. ビジネス戦略の策定
根拠: シラバス 1-2-1
SWOT 分析の 4 つの枠は?
| 内部環境 | 外部環境 | |
|---|---|---|
| プラス | Strength(強み) | Opportunity(機会) |
| マイナス | Weakness(弱み) | Threat(脅威) |
強み・弱みは内部環境(自社で変えられる)、
機会・脅威は外部環境(自社では変えられない)。この振り分けが問われる。
VRIO 分析とバリューチェーン分析の違いは?
| 何を見るか | |
|---|---|
| VRIO 分析 | 自社の経営資源が Value(経済的価値)・Rarity(希少性)・Inimitability(模倣困難性)・Organization(組織) を満たし、競争優位を生むか |
| バリューチェーン分析 | 事業活動を主活動(購買物流・製造・出荷物流・販売・サービス)と支援活動(人事・技術開発・調達など)に分け、どの活動で価値やコストが生まれているか |
VRIO は「強みの質」、バリューチェーンは「価値が生まれる場所」を見る。
成長マトリクス(アンゾフ)の 4 つの戦略は?
| 既存の製品 | 新しい製品 | |
|---|---|---|
| 既存の市場 | 市場浸透 | 製品開発 |
| 新しい市場 | 市場開拓 | 多角化 |
製品と市場の 2 軸で、どの方向に成長するかを考える。
両方とも新しい多角化が最もリスクが高い。
競争戦略の 3 つの基本戦略(ポーター)と、ニッチ戦略・ブルーオーシャン戦略の位置づけは?
| 基本戦略 | 勝ち方 |
|---|---|
| コストリーダーシップ | 業界で最も安いコストで作って勝つ |
| 差別化 | 他社にない特長で選ばれる |
| 集中 | 特定の顧客層・地域に絞り込む |
- ニッチ戦略 … 大手が狙わないすき間市場に集中する(集中戦略の一種)
- ブルーオーシャン戦略 … 競争のない未開拓の市場を新たに創る(競争の激しい既存市場=レッドオーシャンを避ける)
バランススコアカードの 4 つの視点は?
財務・顧客・業務プロセス(内部ビジネスプロセス)・学習と成長
財務の数字だけでなく、それを生み出す顧客・業務・人材まで含めて、
戦略の達成度をバランスよく評価する手法。
学習と成長 → 業務プロセス → 顧客 → 財務の順に因果がつながると考える。
CSF・KGI・KPI の違いは?
| 用語 | 意味 | 例(顧客満足で売上を伸ばす) |
|---|---|---|
| KGI(重要目標達成指標) | 最終的に達成したいゴールの指標 | 年間売上 10% 増 |
| CSF(重要成功要因) | ゴールの達成に決定的に効く要因 | リピーターを増やすこと |
| KPI(重要業績評価指標) | CSF がどこまで進んだかを途中で測る指標 | リピート率・問合せ回答時間 |
KGI がゴール、CSF が勝ち筋、KPI が途中の計器。
バリューエンジニアリングとクラウドファンディングとは?
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| バリューエンジニアリング(VE) | 製品やサービスの価値 = 機能 ÷ コストと捉え、必要な機能を保ったままコストを下げる(または機能を上げる)ことで価値を高める手法 |
| クラウドファンディング | インターネットで不特定多数の人から少額ずつ資金を集める方法(購入型・寄付型・投資型など) |
VE は「単なるコスト削減」ではなく、機能とのバランスで価値を上げるのが要点。