監査
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス案 Ver.0.1 の小分類 3「監査」(大分類 3:組織活動/中分類 12:ガバナンス・監査)。
2026-09-26 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
監査とは、独立した立場の人が、対象が基準どおりかを確かめて意見を述べることです。
監査の種類は、何を見るか・法律で義務か・誰がやるかの 3 つの軸で分かれます。
| 軸 | 分かれ方 |
|---|---|
| 何を見るか | 会計監査/業務監査/システム監査/情報セキュリティ監査 |
| 法律で義務か | 法定監査(義務)/任意監査(自主的) |
| 誰がやるか | 内部監査(組織の中の独立した部門)/外部監査(組織の外の専門家) |
そしてシステム監査では、1 点だけ覚えれば大半が解けます。
システム監査人は改善を「提案」するだけで、自分では直しません。
自分で直せば、次の監査で自分の仕事を評価することになり、独立性が失われるからです。
流れは次の順で出題されます。
監査計画 → 予備調査 → 本調査(監査証拠の入手と評価)→ 監査報告書の作成・報告 → 改善提案のフォローアップ
1. 監査の形態
根拠: シラバス 3-12-3
会計監査・業務監査・システム監査・情報セキュリティ監査の違いは?
| 監査 | 何を見るか |
|---|---|
| 会計監査 | 財務諸表などが適正か |
| 業務監査 | 会計以外の業務が、法令・規程どおりに適切・効率的に行われているか |
| システム監査 | 情報システムが、目的に沿って有効・効率的・安全に使われているか |
| 情報セキュリティ監査 | 情報セキュリティ対策が適切に整備・運用されているか |
システム監査は情報システム全体、情報セキュリティ監査はセキュリティの観点に絞ったもの。
法定監査と任意監査の違いは?
| 何か | 例 | |
|---|---|---|
| 法定監査 | 法律で義務づけられた監査 | 会社法による会計監査人の監査、金融商品取引法による財務諸表の監査 |
| 任意監査 | 組織が自主的に行う監査 | システム監査、情報セキュリティ監査の多く |
システム監査は、一般に法律上の義務ではなく任意で行う。
内部監査と外部監査の違いは?
| 誰が行うか | 主に誰のためか | |
|---|---|---|
| 内部監査 | 組織の中の、業務部門から独立した監査部門 | 経営者(業務の改善に役立てる) |
| 外部監査 | 公認会計士・監査法人など組織の外の専門家 | 株主・投資家など外部の利害関係者 |
内部監査でも、監査する部門は監査される部門から独立していなければならない。
2. システム監査の目的
根拠: シラバス 3-12-3
システム監査基準は、システム監査人が守るべき行為規範を示した、経済産業省の基準です(2023 年に改訂)。
システム監査人の権限と責任等は、なぜ明確にしておくか?
監査を依頼する側(経営者など)と監査人との間で、監査の目的・範囲・権限・責任を、あらかじめ文書(監査規程や契約書)で定めておく
権限(資料を見る、担当者に質問するなど)が決まっていないと、
被監査部門に資料の提出を断られて監査ができない。
責任の範囲が決まっていないと、何を保証したのかが曖昧になる。
監査の独立性と客観性の保持とは?
システム監査人は、監査の対象から独立し、客観的な立場で監査しなければならない
| 何か | |
|---|---|
| 外観上の独立性 | 組織上・身分上、監査の対象と利害関係がない |
| 精神上の独立性 | 公正で偏りのない判断を保つ |
自分が企画・開発・運用に関わったシステムは監査できない。
3. システム監査の実施
根拠: シラバス 3-12-3
予備調査と本調査の違いは?
| 何をするか | |
|---|---|
| 予備調査 | 監査の対象の概要をつかむ(資料の閲覧、担当者への聞き取りなど)。本調査の手順を具体的に決めるため |
| 本調査 | 監査手続を実施し、結論の裏付けとなる監査証拠を入手して評価する |
予備調査で「どこを見るか」を決め、本調査で「実際に確かめる」。
監査証拠とは? 被監査部門はどう関わるか?
監査証拠 = 監査人の意見(結論)を裏付ける事実(記録、ログ、設定、文書、現物の確認結果など)
「担当者がそう言った」だけでは足りず、客観的な裏付けが要る。
被監査部門は、監査人の求めに応じて監査証拠の提供に協力する。
提供を拒めないよう、監査人の権限をあらかじめ定めておく。
監査報告書には何を書くか。誰に出すか?
監査の目的・範囲・実施した手続・発見した問題点・監査意見・改善提案を記載し、
監査の依頼者(経営者など)に報告する。
被監査部門に渡して終わりにはしない。改善を指示できるのは経営者だから。
改善提案のフォローアップとは? 監査人は改善を実施するか?
フォローアップ = 改善提案が実際に実施されているかを、後から確認すること
監査人は改善を実施しない。 実施するのは被監査部門の責任で、
監査人は提案し、実施されたかを確かめるだけ。
自分で直すと独立性が失われ、次の監査で自分の仕事を評価することになる。最頻出の引っかけ。