環境関連法規
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス案 Ver.0.1 の小分類 5「環境関連法規」(大分類 7:倫理・コンプライアンス/中分類 28:ビジネス関連法規)。
2026-09-26 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
環境の法律は、使い終わった物をどうするかと、これから CO2 をどう減らすかの 2 つに分かれます。
| 系統 | 法律 | 中身 |
|---|---|---|
| 使い終わった物 | リサイクル法(各種) | 使用済み製品を回収し、資源として再利用する |
| これからの CO2 | GX推進法 | 脱炭素と経済成長を両立させる経済へ移る(GX)ための仕組み |
取り違えやすい分かれ目は次の 2 つです。
- 「リサイクル法」は 1 本の法律ではない。パソコン、家電 4 品目、小型家電などで別々の法律がある
- GX は「減らす」だけでなく「成長につなげる」。GX推進法は規制よりも、投資を呼び込むお金の仕組みが中心
1. リサイクル法
根拠: シラバス 7-28-5
「リサイクル法」と呼ばれる法律の代表は? パソコンはどれの対象か?
| 法律 | 主な対象 |
|---|---|
| 資源有効利用促進法 | パソコン(メーカーによる回収・再資源化)、小型二次電池など |
| 家電リサイクル法 | エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の 4 品目 |
| 小型家電リサイクル法 | 携帯電話、デジタルカメラなど小型の電子機器 |
パソコンは家電リサイクル法ではなく資源有効利用促進法でメーカーが回収する。
3R とは? 優先順位は?
| 中身 | |
|---|---|
| リデュース(Reduce) | ごみを出さない・減らす |
| リユース(Reuse) | そのまま繰り返し使う |
| リサイクル(Recycle) | 資源として再生して使う |
優先順位は リデュース → リユース → リサイクル。
リサイクルは原料に戻すためのエネルギーがかかるので、まず減らすのが先。
会社のパソコンを廃棄・リサイクルに出す前に、必ずやるべきことは?
記憶装置(HDD・SSD)のデータを、復元できない方法で消去する
ファイルを削除したりゴミ箱を空にしたりしただけでは、専用ソフトで復元できる。
消去ソフトによる上書き、物理的な破壊、専門業者への依頼(消去証明書をもらう)などで確実に消す。
廃棄物処理法で、事業者が自社の廃棄物について負う責任は?
排出事業者責任 = 事業活動で出た廃棄物は、出した事業者が自らの責任で適正に処理する
処理を業者に委託しても責任は無くならない。許可を持つ業者に委託し、
マニフェスト(産業廃棄物管理票)で最後まで適正に処理されたかを確かめる。
2. GX推進法
根拠: シラバス 7-28-5
正式名称は「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」(2023 年成立)。
GX(グリーントランスフォーメーション)=化石燃料中心の経済・社会から、クリーンエネルギー中心へ転換し、脱炭素と経済成長を両立させることを進める法律です。
GX推進法とは? 目指すものは?
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律
CO2 を原則として出さずに産業競争力を強め、経済成長できる経済構造(脱炭素成長型経済構造)へ
円滑に移っていくことを目指す。
単に排出を規制するのではなく、脱炭素への投資を成長につなげるのが特徴。
GX推進法が定める主な仕組みを 3 つ挙げよ。
| 仕組み | 中身 |
|---|---|
| GX 推進戦略 | 国が移行の進め方を戦略として定める |
| GX 経済移行債 | 国が債券を発行して先に資金を集め、脱炭素への投資を支援する |
| 成長志向型カーボンプライシング | CO2 の排出に値段を付ける(化石燃料賦課金、排出量取引) |
先に国がお金を出して投資を促し、後からカーボンプライシングの収入で返していく、という組み立て。
カーボンプライシングとは? GX推進法で導入されるものは?
CO2 の排出量に応じて費用を負担させ、排出を減らす動機を作る仕組み
| 仕組み | 中身 |
|---|---|
| 化石燃料賦課金 | 化石燃料を輸入・採取する事業者に、CO2 の量に応じて賦課金を課す |
| 排出量取引 | 企業に排出できる量(排出枠)を割り当て、余った枠・足りない枠を売り買いさせる |
排出を減らした企業ほど得をするようにして、削減を市場の力で進める。
カーボンニュートラルとは?
温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いて、実質ゼロにすること
日本は 2050 年のカーボンニュートラル実現を目標にしている。
「排出をゼロにする」ではなく、排出と吸収を差し引きゼロにするのが要点。
GX はこの目標と経済成長を両立させるための取組み。