情報システム戦略
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス案 Ver.0.1 の小分類 1-2-3「情報システム戦略」(大分類 1:ビジネス変革/中分類 2:経営戦略・デジタル戦略)。
2026-09-26 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
経営戦略を実現するための情報システムを、どう計画し、何を作るか決め、誰から買うかの流れです。
シラバスの 4 つの項目が、そのまま時間の順になっています。
情報システム戦略の策定 → システム化計画 → 要件定義 → 調達計画・実施
(全体の方針) (個別の計画) (何を作るか) (誰に頼むか)
取り違えやすい分かれ目は次の 4 つです。
| 分かれ目 | 覚え方 |
|---|---|
| SoR・SoE・SoI | 記録する・つながる・洞察する |
| 業務要件・機能要件・非機能要件 | 業務で何をしたいか・システムが何をするか・どれだけうまく動くか |
| RFI と RFP | RFI(情報をください)が先、RFP(提案をください)が後 |
| OEM とファブレス | 作る側(OEM)と、工場を持たない側(ファブレス) |
1. 情報システム戦略の策定
根拠: シラバス 1-2-3
情報システム戦略と情報システム化基本計画の関係は?
| 何か | |
|---|---|
| 情報システム戦略 | 経営戦略を実現するために、情報システムをどう活用するかの全社的な方針 |
| 情報システム化基本計画 | その戦略に沿って、全体としてどのシステムを・どの順に・どれだけの予算で整備するかを定めた中長期の計画 |
経営戦略 → 情報システム戦略 → 情報システム化基本計画 → 個別のシステム化計画と、上から具体化していく。
情報システム戦略は IT 部門だけで決めず、経営戦略と整合させる。
2. システム化計画
根拠: シラバス 1-2-3
システム化計画の立案では何を決めるか?
個別のシステムについて、対象業務・目的・スケジュール・体制・費用と投資効果・リスクを決めること
情報システム化基本計画(全体の計画)を、1 つのシステムの計画に落とし込む段階。
ここで投資効果を見積もり、作る価値があるかを判断する。
SoR・SoE・SoI の違いは?
| 役割 | 例 | |
|---|---|---|
| SoR(Systems of Record) | データを正確に記録・保持する。安定性が最優先 | 会計、在庫、勘定系 |
| SoE(Systems of Engagement) | 顧客とのつながり・関係づくり。変化への素早い追従が最優先 | アプリ、SNS 連携、EC サイト |
| SoI(Systems of Insight) | SoR と SoE のデータを分析して洞察を得る | BI、データ分析基盤、AI による予測 |
記録(SoR)・関係(SoE)・洞察(SoI)。 SoR は変えにくく、SoE は変え続けるもの。
3. 要件定義
根拠: シラバス 1-2-3
業務要件定義・機能要件定義・非機能要件定義の違いは?
| 何を決めるか | 例 | |
|---|---|---|
| 業務要件定義 | 新しい業務のやり方と、そこでシステムに求めること | 受注から出荷までを 1 日で終える |
| 機能要件定義 | システムが何をするか(機能) | 受注データを入力し、在庫を自動で引き当てる |
| 非機能要件定義 | 機能以外の品質(どれだけうまく動くか) | 応答 3 秒以内、稼働率 99.9%、セキュリティ |
業務 → 機能 → 非機能の順で具体化する。非機能要件は見落とされやすく、後で問題になりやすい。
要件定義の手法として使われる DFD・決定表・UML とは?
| 手法 | 何を表すか |
|---|---|
| DFD(Data Flow Diagram) | データの流れ(外部・処理・データストア・流れの 4 記号) |
| 決定表(デシジョンテーブル) | 条件の組合せと、そのときに取る動作を表にしたもの |
| UML(Unified Modeling Language) | オブジェクト指向の統一的な図の表記法(ユースケース図・クラス図・シーケンス図など) |
流れを描くなら DFD、条件分岐を漏れなく整理するなら決定表、いろいろな図を統一した記法で描くなら UML。
4. 調達計画・実施
根拠: シラバス 1-2-3
調達の流れを順に並べよ(RFI・RFP・提案書・見積書を含めて)。
- 情報提供依頼書(RFI) … 発注側 → ベンダー。「どんな技術・製品があるか情報をください」
- 提案依頼書(RFP) … 発注側 → ベンダー。「この要件で提案をください」
- 提案書・見積書 … ベンダー → 発注側。どう実現するかと、いくらかかるか
- 評価・選定 → 契約
RFI が先、RFP が後。 RFI の情報で要件を固めてから RFP を出す。
RFI と RFP の違いは?
| 求めるもの | タイミング | |
|---|---|---|
| RFI(Request For Information:情報提供依頼書) | 実現できる技術・製品・概算費用などの情報 | 要件を固める前 |
| RFP(Request For Proposal:提案依頼書) | システムの概要・要件・条件を示したうえでの具体的な提案 | 要件を固めた後 |
I は Information(情報)、P は Proposal(提案)。
一般競争入札と総合評価落札方式(加算方式)とは?
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 一般競争入札 | 条件を満たす誰でも参加できる入札。公共調達の原則 |
| 総合評価落札方式 | 価格だけでなく技術・品質も評価して落札者を決める方式 |
| 加算方式 | 総合評価のやり方の 1 つ。価格点 + 技術点の合計で比べる |
最も安い者に決める方式だと品質が落ちやすいので、価格と技術の両方で評価するのが総合評価。
(技術点 ÷ 価格で比べるのは除算方式。)
OEM とファブレスの違いは?
| 何か | |
|---|---|
| OEM(Original Equipment Manufacturer) | 相手先のブランドで販売される製品を製造すること(製造を請け負う側) |
| ファブレス | 自社で工場を持たず、製造を外部に任せる形態(企画・設計・販売に集中) |
ファブレス企業が製造を頼む相手が OEM 業者、と対で覚える。
どちらも「何を自社でやり、何を外から調達するか」の選択。
グリーン調達とは?
製品や原材料、サービスを調達するときに、品質や価格だけでなく
環境への負荷が小さいものを優先して選ぶこと
情報システムでいえば、省エネルギーの機器や、リサイクルしやすい機器を選ぶ、など。
企業の社会的責任(CSR)や SDGs への取組の一部として行われる。