エンタープライズアーキテクチャ
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス案 Ver.0.1 の小分類 1-2-4「エンタープライズアーキテクチャ」(大分類 1:ビジネス変革/中分類 2:経営戦略・デジタル戦略)。
2026-09-26 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
部署ごとにばらばらに作られた業務とシステムを、組織全体の設計図として整理し、
今(As-is)→ 目指す姿(To-be)へ計画的に移っていくための手法が
EA(エンタープライズアーキテクチャ)です。
As-is モデル(現状)──(差を分析)──→ To-be モデル(あるべき姿)
↓
移行計画
設計図は 4 つの層に分けて描きます。上ほど業務寄り、下ほど技術寄りです。
| 層 | 何を描くか |
|---|---|
| ビジネスアーキテクチャ | 業務の流れ・組織・役割 |
| データアーキテクチャ | 業務で使うデータとその関係 |
| アプリケーションアーキテクチャ | 業務を支えるシステム(アプリケーション)の構成 |
| テクノロジアーキテクチャ | ハードウェア・ネットワーク・基盤技術 |
取り違えやすい分かれ目は、As-is は「現状」、To-be は「あるべき姿」という向きだけです。
逆に覚えると問題が全部裏返ります。
1. EA の考え方と全体像
根拠: シラバス 1-2-4
EA(エンタープライズアーキテクチャ)とは?
組織全体の業務とシステムを統一的な方法で整理・可視化し、
全体最適の観点から、あるべき姿へ改善していくための設計手法
部署ごとの部分最適(重複したシステム、つながらないデータ)を解消し、
経営戦略と IT を組織全体で整合させるのが目的。
EA は何のために使うか? 部分最適との対比で答えよ。
| 状態 | |
|---|---|
| 部分最適 | 部署ごとに都合よくシステムを作る → 似たシステムの重複、データがつながらない、全体のコスト増 |
| 全体最適(EA の狙い) | 組織全体の設計図で見て、重複をなくし、データや業務をつなげる |
EA は組織全体を 1 枚の設計図で見ることで、全体最適を実現する。
EA の 4 つの層(アーキテクチャ)を、業務寄りから順に挙げよ。
- ビジネスアーキテクチャ … 業務・組織
- データアーキテクチャ … データの構造と関係
- アプリケーションアーキテクチャ … システム(アプリ)の構成
- テクノロジアーキテクチャ … ハードウェア・ネットワークなどの基盤
業務 → データ → アプリ → 技術。上の層の要求を、下の層が支える関係。
2. As-is モデルと To-be モデル
根拠: シラバス 1-2-4
As-is モデルと To-be モデルの違いは?
| 何を描くか | |
|---|---|
| As-is モデル | 現状の業務とシステムの姿(今どうなっているか) |
| To-be モデル | あるべき姿・目標の業務とシステム(将来どうあるべきか) |
As is =「今あるがまま」、To be =「こうあるべき」。
EA では As-is と To-be をどう使って改善を進めるか?
- As-is モデルで現状を可視化する
- 経営戦略から To-be モデル(あるべき姿)を描く
- 両者の差(ギャップ)を分析する
- ギャップを埋める移行計画を立て、段階的に実行する
いきなり理想に飛ぶのではなく、差を明らかにして計画的に移るのが EA の進め方。
To-be モデルを描くとき、何を出発点にするか?
経営戦略・事業の目標
To-be は「今の不満を直した姿」ではなく、経営が目指すことを実現できる業務とシステムの姿。
だから EA は、情報システム戦略と同じく経営戦略と整合させて作る。
As-is と To-be の考え方は EA 以外でも使われる。どんな場面か?
業務改善・DX・システム化計画など、現状とあるべき姿の差を明らかにして手を打つ場面全般
例:デジタルガバナンス・コードも、As-is と To-be のギャップを定量的に把握し、見直すことを求めている。
「現状 → あるべき姿 → 差 → 計画」という型は、変革の基本形として繰り返し出てくる。