プロジェクトマネジメント
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス案 Ver.0.1 の小分類 1「プロジェクトマネジメント」(大分類 1:ビジネス変革/中分類 5:プロジェクトマネジメント)。
2026-09-26 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
プロジェクトとは、目的と期限が決まっていて、達成したら終わる活動です。
終わりのない繰り返しの定常業務とはここが違います。
シラバスが問うのは「プロジェクトの一員として、進捗や課題を共有し、関係者と連携する」ための知識です。
取り違えやすい組を先に並べます。
| 取り違えやすい組 | 分かれ目 |
|---|---|
| プロジェクトマネージャ と PMO | 1 つのプロジェクトに責任を持つ人か、組織の複数のプロジェクトを横から支える部門か |
| プロジェクトチーム と ステークホルダ | 作業する人か、利害を持つすべての人(チームの外も含む)か |
| スコープ と WBS | やることの範囲か、それを作業に分解した図か |
| アローダイアグラム と ガントチャート | 順序と依存関係を見るか、期間と進捗を見るか |
| リスクの回避 と 転嫁 | やめるか、他人に持たせるか |
1. プロジェクトの立ち上げと体制
根拠: シラバス 1-5-1
プロジェクトマネジメントは、限られた期間・予算・人で目的を達成するために、
計画を立て、進み具合を見て、ずれを直す活動です。
プロジェクト憲章とは?
プロジェクトの目的・成果物・期間・予算・責任者などを定め、プロジェクトの開始を正式に認める文書
これによってプロジェクトマネージャに権限が与えられる。
「何のためにやるのか」が揺れたときに立ち返る拠りどころになる。
プロジェクトマネージャ・プロジェクトチーム・ステークホルダの関係は?
| 誰か | |
|---|---|
| プロジェクトマネージャ | 計画・実行・完了に責任を持ち、意思決定する人 |
| プロジェクトチーム | プロジェクトマネージャのもとで実際に作業する人の集まり |
| ステークホルダ | 発注者・利用部門・経営層・取引先など、利害を持つすべての関係者 |
ステークホルダはチームより広い。 プロジェクトに参加していない人も含む。
PMO とは? プロジェクトマネージャとの違いは?
PMO(Project Management Office)= 組織内の複数のプロジェクトを横断して支援・管理する部門
| 何を受け持つか | |
|---|---|
| プロジェクトマネージャ | 1 つのプロジェクトの成功に責任を持つ |
| PMO | 手法・書式の標準化、進捗の集約、要員の調整など、組織全体でプロジェクトをうまく回す |
2. 範囲と日程
根拠: シラバス 1-5-1
何をやるか(スコープ)を決め、作業に分け、並べて日程(スケジュール)にする、という順で進みます。
スコープとは? 勝手に広がると何が起きるか?
スコープ = プロジェクトで「やること」の範囲(成果物と作業)
「ついでにこれも」と範囲が膨らむと、期間も費用も守れなくなる。
だから範囲を決め、変えるときは正式な手続を通す。
WBS とは? 何のために作るか?
WBS(Work Breakdown Structure)= プロジェクトの作業を階層的に細かく分解した図
- 作業の漏れを防ぐ
- 小さく分けるので見積りの精度が上がる
- 担当と責任を割り当てられる
スコープを目に見える形にしたもので、スケジュールや費用の見積りの土台になる。
アローダイアグラムとガントチャートの違いは?
| 何が分かるか | |
|---|---|
| アローダイアグラム | 作業の順序・依存関係。どの作業の並びが全体の期間を決めているか(クリティカルパス) |
| ガントチャート | 各作業の開始・終了と進捗を横棒で表す |
依存関係を見るならアロー、進捗を見るならガント。
ガントチャートからは、どの遅れが全体を遅らせるかが読めない。
次のアローダイアグラムで、全体の最短日数は?
A(3 日)の後に B(4 日)、A の後に C(2 日)、B と C の両方が終わってから D(1 日)。
A(3 日)の後に B(4 日)、A の後に C(2 日)、B と C の両方が終わってから D(1 日)。
8 日
経路は A→B→D(3+4+1=8 日)と A→C→D(3+2+1=6 日)。
いちばん長い経路(A→B→D)が全体の日数を決める。これがクリティカルパス。
C は 2 日遅れても全体は延びないが、B が 1 日遅れれば全体も 1 日延びる。
3. 情報の共有とリスク
根拠: シラバス 1-5-1
一員として求められるのは、気づいた遅れや課題を早く伝えることです。
コミュニケーションのマネジメントとは?
必要な情報を、必要な人へ、適切な時期と手段で届くようにする管理
誰に・何を・どの頻度で・どの手段で伝えるかを、あらかじめ決めておく。
プロジェクトの失敗は技術よりも情報が伝わっていなかったことに原因がある場合が多い。
悪い知らせほど早く上げる。
リスクの対応策 4 つとは?
| 対応 | 何をするか | 例 |
|---|---|---|
| 回避 | リスクの原因そのものを取り除く | 危ない作業をやめる・計画を変える |
| 軽減 | 起きる確率か影響を小さくする | 予備の要員を確保する |
| 転嫁 | 影響を第三者に移す | 保険をかける・外部に委託する |
| 受容 | 対策せず、起きたら対応する | 影響が小さいので受け入れる |
回避は「やらない」、転嫁は「他人に持たせる」。
受容も立派な対応策で、起きる前に「何もしない」と決めておくことを指す。
リスクへの対応は、いつ決めておくものか?
起きる前
リスクを洗い出し、起きる確率と影響の大きさで優先順位をつけ、
対応策を計画しておく。起きてから考えるのでは遅い。
計画した後も、状況の変化に合わせて見直し続ける。