デザインプロセスマネジメント
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス案 Ver.0.1 の小分類 2「デザインプロセスマネジメント」(大分類 1:ビジネス変革/中分類 6:デザインのアプローチ)。
2026-09-26 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
デザインのアプローチ の考え方を、実際にどんな手法で進めるかの話です。
シラバスは手法を 4 つの段階に分けています。手法の名前を聞いて、どの段階のものか言えることが目標です。
| 段階 | 何をするか | 手法 |
|---|---|---|
| ① 顧客理解・ユーザー理解 | 利用者の実態とニーズを集めて整理する | ユーザーニーズ調査、アンケート、インタビュー、フィールドワーク、親和図 |
| ② 仮説・構想 | 集めた事実からあるべき体験を描き、アイデアを出す | カスタマージャーニーマップ、サービスブループリント、構造化シナリオ法、発想法 |
| ③ プロトタイプ | アイデアを試せる形にする | サービスプロトタイプ、デザインプロトタイプ、デスクトップウォークスルー |
| ④ 評価 | 形にしたものを伝え、確かめる | ビジュアル表現、ストーリーテリング、プレゼンテーション手法、ユーザビリティテスト |
取り違えやすいのは次の 2 組です。
- カスタマージャーニーマップとサービスブループリント … 顧客から見える行動と感情だけを描くか、裏側の業務まで描くか
- 親和図と発想法 … 集めた事実をまとめるか、新しいアイデアを出すか
1. 顧客理解・ユーザー理解
根拠: シラバス 1-6-2
ユーザーニーズ調査は、利用者が何に困り、何を求めているかを明らかにする調査の総称です。
数を集めるか、深く聞くか、現場を見るかで手法が分かれます。
アンケート・インタビュー・フィールドワークの違いは?
| 手法 | 何が得意か |
|---|---|
| アンケート | 多くの人から同じ質問で数を集める(傾向をつかむ) |
| インタビュー | 少数の人に深く聞き、理由や背景を掘り下げる |
| フィールドワーク | 利用者の現場に出向いて行動を観察する(本人も言葉にしていないことに気づく) |
人は自分の行動を正確には語れない。言うことと実際にすることは違うので、観察が要る。
インタビューの構造化・半構造化・非構造化の違いは?
| 形式 | 質問の決め方 |
|---|---|
| 構造化 | 質問と順番をすべて事前に固定する。比べやすいが深掘りできない |
| 半構造化 | 大まかな質問だけ決め、答えに応じて掘り下げる |
| 非構造化 | テーマだけ決めて自由に話してもらう |
固定するほど比べやすく、自由にするほど思いがけない発見がある。
デザインの調査では、両方の利点を持つ半構造化がよく使われる。
親和図とは?
調査で集めた事実や意見をカードに書き出し、内容の近いもの同士をまとめてグループにし、見出しを付けて整理する図
ばらばらの声から、共通する課題やニーズの構造を見つけるために使う。
数値でなく言葉のデータを整理する手法。
2. 仮説・構想の手法
根拠: シラバス 1-6-2
カスタマージャーニーマップとサービスブループリントの違いは?
| 何を描くか | |
|---|---|
| カスタマージャーニーマップ | 顧客がサービスを知り、使い、使い終えるまでの行動・接点・感情の移り変わりを時系列に描く |
| サービスブループリント | 顧客の行動に加え、それを支える従業員の対応や裏側の業務・システムまで、層に分けて描く |
ジャーニーマップは顧客の目線、ブループリントは提供する側の設計図。
ブループリントでは、顧客から見える部分と見えない部分の境目も描く。
構造化シナリオ法とは?
利用者の体験を、抽象的な価値から具体的な操作まで、段階を分けたシナリオ(物語)として書き下ろす手法
- バリューシナリオ(価値) … 利用者にとってどんな価値があるか
- アクティビティシナリオ(行動) … その価値を得るために利用者が何をするか
- インタラクションシナリオ(操作) … 画面や機器をどう操作するか
上から順に具体化するので、操作の設計が価値から外れにくい。
発想法の KJ 法とブレインストーミングの違いは?
| 手法 | 何をするか |
|---|---|
| ブレインストーミング | 複数人でアイデアをたくさん出す。批判しない・質より量・自由奔放・他人の案に便乗してよい |
| KJ 法 | 出た情報をカードにし、近いものをまとめて構造を見いだす(親和図を作る手法) |
ブレインストーミングは広げる、KJ 法はまとめる。
続けて使うことが多い。
3. プロトタイプの手法
根拠: シラバス 1-6-2
プロトタイプは、完成品を作る前に作る試作品です。
早く安く作り、利用者に触ってもらって、外れていたら作り直します。
サービスプロトタイプとデザインプロトタイプの違いは?
| 何を試すか | |
|---|---|
| サービスプロトタイプ | サービスの流れ全体(受付から提供、アフターまで)を、寸劇や模擬の窓口などで試す |
| デザインプロトタイプ | 画面や製品の形・見た目・操作を、紙の画面や試作画面で試す |
流れを試すか、形を試すか。 どちらも、作り込む前に利用者の反応を見るためのもの。
デスクトップウォークスルーとは?
机の上に小さな模型や人形を置き、サービスを受ける場面を順に動かしながら、流れを確かめる手法
サービスプロトタイプの一種。
店舗や窓口を実際に作らなくても、関係者が同じ場面を見ながら、
どこで顧客が迷うか、どこで担当者の手が止まるかを話し合える。
4. 評価の手法
根拠: シラバス 1-6-2
作ったものは、関係者に伝わらなければ評価も改善もできません。
伝える手法と、利用者で確かめる手法があります。
ビジュアル表現・ストーリーテリング・プレゼンテーション手法は、それぞれ何のためか?
| 手法 | 何をするか |
|---|---|
| ビジュアル表現 | 図・絵・スケッチで見て分かる形にする |
| ストーリーテリング | 利用者が体験する場面を物語として語り、共感を呼ぶ |
| プレゼンテーション手法 | 相手に合わせて構成・資料を整え、意思決定を引き出すように伝える |
いずれも、アイデアを関係者と共有し、意見をもらうためのもの。
ユーザビリティテストとは?
実際の利用者(またはそれに近い人)に課題を与えて製品や試作品を使ってもらい、操作を観察して使いにくい点を見つける評価
作り手が「使いやすいはず」と考えても、利用者は別のところで迷う。
本人に聞くより、使っている様子を見るのが要点。