コーポレートガバナンス
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス案 Ver.0.1 の小分類 1「コーポレートガバナンス」(大分類 3:組織活動/中分類 12:ガバナンス・監査)。
2026-09-26 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
組織が健全に運営されるための「見張り」と「守るべきこと」の話です。
シラバスは、組織の一員としてルールや手順を守ることの重要性を問うとしています。
最大の分かれ目は、誰が誰を律するかです。
| 何か | 向き | |
|---|---|---|
| コーポレートガバナンス | 株主などが経営者を監視・規律する仕組み | 経営者を外から律する |
| コンプライアンス | 組織と従業員が法令や社会規範を守ること | 組織が自らを律する |
もう 1 組、ビジネスと人権とハラスメントは、どちらも人権の話ですが範囲が違います。
ビジネスと人権は取引先を含むサプライチェーン全体、ハラスメントは職場の中です。
1. ガバナンスとコンプライアンス
根拠: シラバス 3-12-1
コーポレートガバナンスとは? 何のためにあるか?
コーポレートガバナンス(企業統治)= 経営者が株主などの利益に反する経営や不正をしないよう、監視・規律する仕組み
株式会社では、所有者(株主)と経営者が別の人であることが多い。
経営者が自分の都合で会社を動かさないように、見張りを組み込む。
コーポレートガバナンスを強めるための代表的な仕組みは?
- 社外取締役を置き、社内の利害に縛られない目で経営を監督する
- 監査役などが取締役の職務の執行を監査する
- 情報開示(ディスクロージャー)を充実させ、株主が経営を評価できるようにする
- 上場企業向けには、東京証券取引所のコーポレートガバナンス・コードが原則を示している
いずれも「経営者を経営者以外がチェックする」ための仕組み。
コンプライアンスとは? 「法令遵守」だけか?
コンプライアンス = 組織と従業員が、法令だけでなく社内規程や社会規範・倫理まで守って行動すること
「法令違反でなければよい」ではない。
法令に触れなくても、社会の信頼を損なう行為は企業の評判と存続を脅かす。
コーポレートガバナンスとコンプライアンスの違いは?
| 誰が誰を律するか | |
|---|---|
| コーポレートガバナンス | 株主・社外取締役などが経営者を監視・規律する |
| コンプライアンス | 組織と従業員が自ら法令や規範を守る |
ガバナンスは経営への見張り、コンプライアンスは全員が守るべきこと。
ガバナンスが効いていると、経営者が違反を黙認することを防げる。
2. 人権の尊重
根拠: シラバス 3-12-1
ビジネスと人権とは?
企業が、自社だけでなく取引先を含むサプライチェーン全体で、人権を侵害しないよう責任を果たすべきだという考え方
国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」(2011 年)がもとになっている。
強制労働・児童労働・差別などが対象。
「自社は直接やっていない」では済まず、取引先の人権侵害にも向き合うのが要点。
人権デューディリジェンスとは?
自社と取引先の事業で人権侵害が起きていないかを調べ、防止・軽減し、その取組を継続して開示していく一連の手続
負の影響の特定・評価 → 防止・軽減 → 取組の実効性の評価(追跡) → 説明・情報開示を繰り返す。
日本でも政府が企業向けの「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」(2022 年 9 月)を示している。
職場の代表的なハラスメントを 3 つ挙げよ。
| ハラスメント | 何か |
|---|---|
| パワーハラスメント | 職場での優位な立場を背景に、業務の範囲を超えて相手に苦痛を与える言動 |
| セクシュアルハラスメント | 性的な言動によって相手に不利益を与えたり、職場環境を悪くしたりすること |
| マタニティハラスメント | 妊娠・出産・育児休業などを理由とする嫌がらせや不利益な扱い |
事業主には、これらの防止措置(方針の明確化、相談窓口の設置、事後の対応)が法律で義務づけられている。
「指導のつもりだった」と言えば、パワーハラスメントにあたらないか?
あたらないとは限らない。 判断されるのは行為者の意図ではなく、
客観的に見て、業務上必要かつ相当な範囲を超えているか(同じ状況で一般的な労働者がどう感じるか)。
「冗談のつもりだった」「指導のつもりだった」は理由にならない。
一方で、業務上必要な範囲の適正な指導はハラスメントにあたらない。