業務分析・データ利活用
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス Ver.6.5 の小分類 2「業務分析・データ利活用」(大分類 1:企業と法務/中分類 1:企業活動)。
2026-08-05 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
この論点は図表の名前と、それが何を見るための図かが中心です。
図の形を覚えるのではなく、「何を知りたいときに使うか」で覚えてください。
用途で束ねると次の 4 つに分かれます。
| 知りたいこと | 使う図 |
|---|---|
| どれが効いているか(重点) | パレート図・ABC分析 |
| なぜ起きたか(原因) | 特性要因図・系統図・ロジックツリー |
| 2 つの量に関係があるか | 散布図・回帰分析・相関係数行列 |
| ばらつき・分布はどうか | ヒストグラム・箱ひげ図・管理図 |
統計では、次の 3 つが引っかけの定番です。
- 相関と因果は違う(一緒に動いても原因とは限らない)
- 第 1 種の誤りと第 2 種の誤りは逆(無いものを有ると言う/有るものを無いと言う)
- 精度と偏りは別(ばらつきの小ささと、真の値からのずれ)
1. 業務の把握
根拠: シラバス 1-1-2
まず現場で何が起きているかを集める段階です。
業務内容を把握するための代表的な 3 つの方法は?
| 方法 | 何をするか |
|---|---|
| アンケート | 質問紙で多数から回答を集める(広く浅く) |
| インタビュー | 相手に直接聞く(狭く深く) |
| フィールドワーク | 現場に入って観察する(言葉にならない実態が見える) |
アンケートは数を集められるが、聞いていないことは分からない。
インタビューの 3 つの型とは?
| 型 | 進め方 |
|---|---|
| 構造化 | 質問と順序を決めておき、そのとおりに聞く |
| 半構造化 | 大枠は決め、流れに応じて掘り下げる |
| 非構造化 | 決めずに自由に話してもらう |
構造化ほど比較しやすいが、想定外の話は出てこない。
2. 業務分析の手法
根拠: シラバス 1-1-2
何が問題で、どこから手を付けるかを絞る道具です。
パレート図とは? ABC 分析との関係は?
パレート図 = 棒グラフを大きい順に並べ、累積比率の折れ線を重ねた図
これを使って対象を A・B・C の 3 群に分け、重点管理するのがABC 分析。
「上位 2 割が全体の 8 割を占める」という考え方(重点指向)にもとづく。
まず A 群から手を付ける、が結論。
特性要因図とは? 別名は?
結果(特性)に影響する要因を、魚の骨のように枝分かれさせて整理する図
別名フィッシュボーンチャート。
原因を洗い出すための図であって、重要度の順位は付かない(順位はパレート図の役目)。
管理図は何を見る図か?
工程が安定しているかを、時間の経過に沿って見る図
中心線と上下の管理限界線を引き、点がその外に出たら異常と判断する。
品質管理で使う。
系統図とロジックツリーの違いは?
どちらも目的を手段へ、上位を下位へと枝分かれさせる図。
| 主な使いどころ | |
|---|---|
| 系統図 | 目的を達成する手段を段階的に展開する(QC 七つ道具の 1 つ) |
| ロジックツリー | 問題を漏れなく重複なく分解して原因や打ち手を探す |
考え方は同じで、呼び名と使う場面が違う。
関連して、語や概念を線で結んで関係を描くのがコンセプトマップ。
PERT(アローダイアグラム)とクリティカルパス分析とは?
PERT(アローダイアグラム)= 作業の順序と所要日数を矢線で表した図
この図の上で、最も余裕がなく全体の期間を決めている経路を求めるのが
クリティカルパス分析。ここが遅れると全体が遅れるので、重点的に管理する。
3. データの可視化
根拠: シラバス 1-1-2
目的に合った図を選べるかが問われます。
棒グラフ・折れ線グラフ・散布図は、それぞれ何を見る図か?
| 図 | 見るもの |
|---|---|
| 棒グラフ | 項目どうしの大小の比較 |
| 折れ線グラフ | 時間による変化・推移 |
| 散布図 | 2 つの量の関係(相関) |
複数の系列を重ねたのが複合グラフ、左右で単位の違う軸を持つのが2軸グラフ。
ヒストグラムと箱ひげ図の違いは?
どちらも分布を見る図。
| 見えるもの | |
|---|---|
| ヒストグラム | 度数分布そのもの(山の形) |
| 箱ひげ図 | 最小値・四分位数・中央値・最大値(複数群の比較に強い) |
形を細かく見たいならヒストグラム、いくつもの群を並べて比べたいなら箱ひげ図。
ヒートマップとレーダーチャートは何を見る図か?
| 図 | 見るもの |
|---|---|
| ヒートマップ | 値の大小を色の濃淡で表す(分布や偏りが一目で分かる) |
| レーダーチャート | 複数の評価項目のバランス(多角形の形で見る) |
レーダーチャートは項目数が軸の数になる。
クロス集計表と分割表、モザイク図の関係は?
クロス集計表(分割表)= 2 つ以上の項目を掛け合わせて件数を数えた表
その構成比を長方形の面積で表した図がモザイク図。
表では読み取りにくい割合の偏りが、面積として見える。
相関係数行列と散布図行列とは?
多数の変数の関係を、すべての組合せについて一度に見るための道具
| 何を並べるか | |
|---|---|
| 相関係数行列 | 各組の相関係数(数値)を格子状に |
| 散布図行列 | 各組の散布図を格子状に |
数値で当たりを付け、形を確かめるという順で使う。
マトリックス図とは?
2 つの軸を交差させ、その交点に要素の対応関係を配置する図
「重要度 × 緊急度」のように、2 つの観点で位置づけを決めるときに使う。
チャートジャンクとは?
グラフの読み取りに役立たない、余計な装飾
立体化・過剰な色・不要な背景など。
これらは誤解を招くので取り除く。不適切に作られたグラフにだまされないこと、
そしてそのようなグラフを作らないことが問われる。
CSV とシェープファイルとは?
| 何か | |
|---|---|
| CSV(Comma Separated Value) | 値をカンマで区切ったテキスト形式。ソフトを選ばず読める |
| シェープファイル | 地図(地理空間)データを扱う代表的な形式 |
地図上に分布を描くときはシェープファイルを使う。
共起キーワードとは?
文章の中で一緒に現れやすい語の組合せ
テキストマイニングで、話題のまとまりや関連を見つけるのに使う。
4. データの種類と前処理
根拠: シラバス 1-1-2
そのデータがどうやって得られたかで扱い方が変わります。
量的データと質的データの違いは?
| 何か | |
|---|---|
| 量的データ | 数値で測れ、計算に意味がある(身長・売上) |
| 質的データ | 分類を表す(性別・血液型。平均に意味がない) |
質的データは件数を数えて扱う。
1 次データと 2 次データの違いは?
| 何か | |
|---|---|
| 1次データ | 自分の目的のために自ら集めたデータ |
| 2次データ | 他者がすでに集めたデータを利用するもの(統計や公開データ) |
2 次データは安く早いが、目的に完全には合わない。
構造化データと非構造化データの違いは? メタデータとは?
| 何か | |
|---|---|
| 構造化データ | 表形式で、行と列に整理されている |
| 非構造化データ | 文章・画像・音声など、そのままでは表にできない |
| メタデータ | データそのものではなく、データについての情報(作成日時・形式・作成者) |
非構造化データを分析するには前処理が要る。
時系列データとクロスセクションデータの違いは?
| 何を並べたか | |
|---|---|
| 時系列データ | 同じ対象を時間に沿って並べたもの(ある店の月別売上) |
| クロスセクションデータ | ある一時点で複数の対象を並べたもの(今月の全店売上) |
縦(時間)に伸びるか、横(対象)に広がるかが分かれ目。
データの発生源による代表的な区分を 5 つ挙げよ。
- 調査データ(アンケートなどで尋ねて得たもの)
- 実験データ(条件を制御して得たもの)
- 人の行動ログデータ(購買・閲覧などの記録)
- 機械の稼働ログデータ(設備やセンサの記録)
- GISデータ(位置・地理の情報)
どう得られたかで、偏りの入り方が変わるのでこの区別が要る。
5. 統計情報の活用
根拠: シラバス 1-1-2
数字が何を言えて、何を言えないかの話です。
母集団と標本抽出の関係は? 抽出法を挙げよ。
母集団 = 調べたい対象の全体。そこから一部を取り出すのが標本抽出。
| 方法 | どうするか |
|---|---|
| 全数調査 | 全部を調べる(国勢調査が代表例) |
| 単純無作為抽出 | 完全にランダムに選ぶ |
| 層別抽出 | 母集団を層に分け、各層から選ぶ |
| 多段抽出 | 段階的に絞り込んで選ぶ |
アンケート調査のように標本を使う場合は、選び方の偏りが結果を左右する。
仮説検定と有意水準とは?
仮説検定 = 立てた仮説が、偶然では説明しにくいかを確率で判断する手続
有意水準 = 「偶然ではない」と判断する基準の確率(5% や 1% がよく使われる)。
基準を緩めれば誤って「差がある」と言いやすくなる。
第 1 種の誤りと第 2 種の誤りの違いは?
| 何を間違えるか | |
|---|---|
| 第1種の誤り | 本当は差が無いのに、有ると判断する(あわてんぼう) |
| 第2種の誤り | 本当は差が有るのに、無いと判断する(ぼんやり) |
片方を減らすともう片方が増える関係にある。順番を逆に覚えないこと。
精度と偏りの違いは?
| 何を表すか | |
|---|---|
| 精度 | 測定値のばらつきの小ささ(何度測っても同じ値か) |
| 偏り | 測定値が真の値からどれだけずれているか |
精度が高くても偏っていることはある(毎回同じだけずれる測り方)。
まとめて「精度と偏り」として問われる。
統計的バイアスと認知バイアスの違いは?
| どこで生じるか | |
|---|---|
| 統計的バイアス | データの集め方で生じる偏り。選択バイアス(対象の選び方)、情報バイアス(測り方)など |
| 認知バイアス | 人の判断そのものの偏り(見たいものだけ見る、など) |
データが正しくても、読む人の認知バイアスで結論を誤ることがある。
相関と因果の違いは? 擬似相関とは?
相関 = 一緒に動く。因果 = 一方が他方の原因である。
一緒に動いていても原因とは限らない。
第 3 の要因のせいで関係があるように見えるものを擬似相関という
(アイスの売上と水難事故は、どちらも気温のせいで一緒に増える)。
相関があるからといって因果を主張しない、が結論。
回帰分析と最小二乗法の関係は?
回帰分析 = ある変数から別の変数を説明・予測する式を求める手法
その直線を引くとき、実測値との差(残差)の2 乗の合計が最小になるように
決める方法が最小二乗法。
6. データサイエンスとビッグデータ
根拠: シラバス 1-1-2
大量のデータから、人が気づけない規則を見つける話です。
ビッグデータとは?
従来のやり方では扱いきれない、量・種類・発生速度をもつデータ
量が多いだけでなく、非構造化データを含む多様さと、
次々と発生し続ける速さが特徴。
BI・データウェアハウス・データマイニングの関係は?
| 何か | |
|---|---|
| データウェアハウス | 分析のために業務データを時系列で蓄積した倉庫 |
| データマイニング | 蓄積から知られていなかった規則やパターンを掘り出す手法 |
| BI(Business Intelligence) | それらを経営の意思決定に生かす仕組み全体 |
貯める → 掘る → 経営に使う、という並び。
文章を対象にした掘り出しがテキストマイニング。
データサイエンスのサイクルとは? データサイエンティストとは?
課題設定 → データ収集 → 加工・分析 → 解釈 → 施策への反映を繰り返す流れが
データサイエンスのサイクル。
これを担い、統計・IT・対象業務の知識を併せ持つ人材がデータサイエンティスト。
1 回分析して終わりではなく、回し続けることが要点。
7. 意思決定と問題解決
根拠: シラバス 1-1-2
決めるための道具です。
モデル化とシミュレーションの関係は? データ同化とは?
モデル化 = 対象の仕組みを数式や図で表すこと。
そのモデルを動かして結果を試すのがシミュレーション。
モデルには結果が 1 つに決まる確定モデルと、偶然を含む確率モデルがある。
実際の観測値をモデルに取り込んで精度を上げるのがシミュレーションのデータ同化。
デシジョンツリーとは?
選択肢と、その結果起こりうる事象を枝分かれで表し、期待値を比べて選ぶ図
各枝に確率と利得を置き、期待値の大きい枝を選ぶ。
在庫管理・与信管理・発注方式は、それぞれ何を決めるか?
| 何を決めるか | |
|---|---|
| 在庫管理 | どれだけ持つか(多いと費用、少ないと欠品) |
| 与信管理 | 取引先にどこまで掛けで売ってよいか |
| 発注方式 | いつ・いくつ発注するか(定量発注方式・定期発注方式) |
いずれもデータにもとづく予測・最適化の対象。
似た性質でまとめるのがグルーピング、規則を見つけるのがパターン発見。
ブレーンストーミングの 4 原則とは?
批判しない・自由奔放・質より量・便乗発展(結合改善)
批判をしないことでアイデアの数を稼ぐのが狙い。
これを紙に書いて回す形にしたものがブレーンライティング
(声の大きい人に引きずられない)。
親和図法とは?
バラバラに出た意見や事実を、似たもの同士にまとめて構造化する手法
ブレーンストーミングで出したあとに使う。
出す(発散)と まとめる(収束)は別の作業、という順序が要点。