ビジネスシステム
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス Ver.6.5 の小分類 14「ビジネスシステム」(大分類 2:経営戦略/中分類 5:ビジネスインダストリ)。
2026-08-05 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
この論点は用語の数が最多(54 語)です。3 つの塊に分かれています。
| 塊 | 中身 |
|---|---|
| 分野別のシステム | POS・GPS・GIS・ITS・ETC など、略語と分野の対応 |
| 行政のシステム | マイナンバー関連、電子申請、デジタルガバメント |
| AI | 種類・原則・課題。近年もっとも出題が増えているところ |
AI は用語が多いうえに、AI の問題点(バイアス・ハルシネーション・ディープフェイク)が
繰り返し問われます。ここを飛ばさないでください。
1. 代表的なビジネス分野のシステム
根拠: シラバス 2-5-14
略語がどの分野のものかを答えられれば足ります。
POS システムとは?
POS(Point of Sales:販売時点情報管理)システム
= 商品が売れたその時点で、品目・数量・時刻などを記録する仕組み
売れ筋・死に筋がすぐ分かるので、仕入や品ぞろえに反映できる。
流通情報システムの中核。
(銀行の勘定系・決済など、金融業界を支えるものは金融情報システムと呼ばれる。)
GPS と GIS の違いは?
| 何をするか | |
|---|---|
| GPS(Global Positioning System:全地球測位システム) | 衛星を使って現在位置を測る |
| GIS(Geographic Information System:地理情報システム) | 位置に紐づく情報を地図上で管理・分析する |
測るのが GPS、地図で扱うのが GIS。
GPS 応用システムはカーナビや物流の追跡に使われる。
ITS と ETC の関係は?
| 何か | |
|---|---|
| ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム) | 道路交通を IT で高度化する取組全体 |
| ETC(Electronic Toll Collection:自動料金収受)システム | 有料道路の料金を無線で自動精算する仕組み |
ETC は ITS の一部。
IC カードと RFID の関係は?
RFID(IC タグ)= 電波で非接触に情報を読み書きする技術
これをカード状にしたものがIC カード。
RFID を商品に付ければ、セルフレジでまとめて読み取れるし、
生産から流通までの経路を追うトレーサビリティも実現できる。
SFA とは?
営業支援システム(SFA:Sales Force Automation)
= 商談の進捗・顧客情報・訪問履歴を共有し、営業活動を支援する仕組み
CRM が顧客との関係全体を扱うのに対し、SFA は営業活動そのものを扱う。
スマートグリッドとは?
IT を使って電力の需要と供給を最適に制御する送電網
各家庭の使用量を把握し、発電・送電を調整する。
再生可能エネルギーのように発電量が変動する電源を扱うために必要になった。
CDN とは?
CDN(Content Delivery Network)
= 動画や画像を、利用者に近いサーバから配信する仕組み
同じ内容を各地のサーバに複製しておくことで、
配信元の負荷を下げ、表示を速くする。
デジタルツインとサイバーフィジカルシステムの関係は?
| 何か | |
|---|---|
| デジタルツイン | 現実の設備や都市を、仮想空間に双子のように再現したもの |
| サイバーフィジカルシステム(CPS) | 現実から集めたデータを仮想空間で分析し、結果を現実に戻す仕組み全体 |
デジタルツインは「写し」、CPS は「現実 ⇄ 仮想を往復させる仕組み」。
Society5.0 の技術的な土台になる。
2. 行政分野のシステム
根拠: シラバス 2-5-14
デジタルガバメントとガバメントクラウドとは?
| 何か | |
|---|---|
| デジタルガバメント | 行政サービス全体をデジタル前提で作り直す取組 |
| ガバメントクラウド | 国と地方が共通で使う、政府が整備したクラウド基盤 |
各自治体が別々にシステムを持つ非効率を解消する狙い。
ベースレジストリとは?
公的機関が持つ、社会の基盤となる台帳データ(法人・不動産・住所など)
各機関が同じ情報を別々に持つのをやめ、信頼できる 1 つの原本を共有する。
マイナンバー・マイナンバーカード・マイナポータルの違いは?
| 何か | |
|---|---|
| マイナンバー | 個人に付番される 12 桁の番号そのもの |
| マイナンバーカード | 番号と本人確認機能を持つIC カード |
| マイナポータル | 自分の情報の確認や行政手続ができるオンライン窓口 |
番号・カード・サイトの 3 つを取り違えないこと。
e-Gov と電子自治体・電子申請・電子調達・電子入札の関係は?
e-Gov = 国の行政手続をオンラインで行える総合窓口
| 用語 | 何か |
|---|---|
| 電子自治体 | 地方自治体のサービスを電子化する取組 |
| 電子申請 | 各種の届出・申請をオンラインで行うこと |
| 電子調達 | 行政機関の物品・役務の調達を電子化すること |
| 電子入札 | その調達のうち、入札をオンラインで行うこと |
電子入札は電子調達の一部。
緊急速報と J アラートの違いは?
| 何か | |
|---|---|
| 緊急速報 | 携帯電話へ一斉配信される警報(地震・津波・避難情報) |
| Jアラート(全国瞬時警報システム) | 国から自治体・住民へ瞬時に情報を伝達する仕組みそのもの |
J アラートが仕組み、緊急速報がその出口の 1 つ。
住民基本台帳ネットワークシステムとは?
全国の市区町村の住民基本台帳をネットワークで結び、
本人確認情報を共有する仕組み
マイナンバー制度の前から運用されている。
3. ソフトウェアパッケージ
根拠: シラバス 2-5-14
業務別ソフトウェアパッケージと業種別ソフトウェアパッケージの違いは?
| 何ごとに作られているか | |
|---|---|
| 業務別ソフトウェアパッケージ | 仕事の種類ごと(会計,営業支援,販売管理ソフトウェア) |
| 業種別ソフトウェアパッケージ | 業界ごと(金融,医療,製造,運輸向けソフトウェアパッケージ) |
どの会社にも共通する仕事か、その業界特有かが分かれ目。
DTP とは?
DTP(DeskTop Publishing)
= パソコン上で文書の割付・組版を行い、印刷用のデータを作ること
専門の印刷工程を、机の上で完結させられるようにしたもの。
4. AI の種類と使われ方
根拠: シラバス 2-5-14
特化型 AI と汎用 AI の違いは?
| 何ができるか | |
|---|---|
| 特化型AI | 特定の作業に限って能力を発揮する(画像認識、翻訳) |
| 汎用AI | 人間のように幅広い課題に対応できる(まだ実現していない) |
現在実用化されているものはすべて特化型 AI。
AI による認識・自動化・AI アシスタントとは?
| 何をするか | |
|---|---|
| AIによる認識 | 画像・音声・文字を判別する |
| AIによる自動化 | 判断を伴う作業を人手なしで行う |
| AIアシスタント | 対話を通じて利用者の作業を助ける |
認識 → 判断 → 対話、と役割が広がっていく。
生成 AI とマルチモーダル AI の違いは?
| 何か | |
|---|---|
| 生成AI | 文章・画像・音声などを新たに作り出す AI |
| マルチモーダルAI | 文章・画像・音声など複数種類の情報をまとめて扱える AI |
作るのが生成、種類をまたぐのがマルチモーダル。
生成 AI は出力にランダム性があり、同じ入力でも毎回同じ答えにならない。
5. AI の原則と課題
根拠: シラバス 2-5-14
人間中心の AI 社会原則とは?
AI を社会に導入するうえで守るべき、日本政府がまとめた基本原則
人間中心の原則(AI は人間の尊厳を損なわない)、
公平性・説明責任・透明性の原則などからなる。
関連する指針に、総務省のAI 利活用ガイドライン(AI 利活用原則)、
EU の信頼できる AI のための倫理ガイドライン
(Ethics guidelines for trustworthy AI)、
人工知能学会倫理指針がある。
AI のバイアスには 2 種類ある。それぞれ何か?
| どこで生じるか | |
|---|---|
| AI利用者の関与によるバイアス | 使う人の偏った指示・解釈によって生じる |
| アルゴリズムのバイアス | 学習データや仕組みそのものに偏りがあることで生じる |
過去の採用データで学習させると、過去の差別を再生産する——これが後者。
説明可能な AI(XAI)とヒューマンインザループとは?
| 何のための仕組みか | |
|---|---|
| 説明可能なAI(XAI:Explainable AI) | なぜその結論になったかを人間が理解できるようにする |
| ヒューマンインザループ(HITL) | 判断の過程に人間を介在させ、最終判断や修正を人が行う |
どちらも「AI にすべて任せない」ための仕組み。
医療や採用のように、誤りが重大な結果を招く分野で重要になる。
ハルシネーションとディープフェイクの違いは?
| 何か | |
|---|---|
| ハルシネーション | 生成 AI が事実でない内容をもっともらしく出力すること |
| ディープフェイク | AI で作った本物そっくりの偽の映像・音声 |
ハルシネーションは意図しない誤り、ディープフェイクは意図的な偽造に使われる。
どちらもファクトチェックの必要性につながる。
AI サービスの責任論とトロッコ問題とは?
AI サービスの責任論 = AI が損害を起こしたとき、
開発者・提供者・利用者の誰が責任を負うのかという議論
その典型的な思考実験がトロッコ問題——
「1 人を犠牲にして 5 人を救うべきか」という、
どちらを選んでも損害が出る状況での判断。
自動運転が事故を避けられない場面で、誰を守るよう設計するかとして現実の問題になる。
AI サービスのオプトアウトポリシーとは?
入力した内容を AI の学習に使わせない、と利用者が選べる方針
業務の機密情報を生成 AI に入力すると、
学習に使われて外部に出るおそれがある。
オプトアウトの可否は、業務利用の可否を判断する材料になる。