セキュリティ関連法規
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス Ver.6.5 の小分類 5「セキュリティ関連法規」(大分類 1:企業と法務/中分類 2:法務)。
2026-08-05 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
法律ごとに誰を縛り、何を禁じているかが違います。まず全体像を置きます。
| 法律 | 立ち位置 |
|---|---|
| サイバーセキュリティ基本法 | 国の施策の方針を定める(罰則で人を縛る法律ではない) |
| 不正アクセス禁止法 | 他人になりすまして入る行為を禁じる |
| 個人情報保護法 | 個人情報を扱う事業者の義務を定める |
| 特定電子メール法 | 広告メールの送り方を規制する |
引っかけの分かれ目は次の 3 つです。
- 不正アクセス禁止法は、実際に被害が無くても罰せられる(侵入した時点で成立)
- オプトインとオプトアウトは逆(事前の同意か、拒否の申出か)
- 匿名加工情報と仮名加工情報は別物(他の情報と照合して復元できるか)
1. サイバーセキュリティ基本法と不正アクセス禁止法
根拠: シラバス 1-2-5
サイバーセキュリティ基本法とは?
日本のサイバーセキュリティに関する施策の基本となる事項を定めた法律
国・地方公共団体・重要インフラ事業者などの責務と、
施策の基本方針を定める。個人を直接罰する法律ではない点に注意。
不正アクセス禁止法が禁じる行為は? 被害が無ければ罰せられないか?
他人の ID・パスワードを無断で使ってアクセスする行為などを禁じる。
実際に被害が無くても、不正にアクセスした時点で処罰される。
さらに、他人の ID・パスワードを無断で第三者に提供する行為や、
不正に取得・保管する行為も禁じられている。
正式名称は「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」。
2. 個人情報保護法
根拠: シラバス 1-2-5
個人情報を扱う事業者の義務を定める法律です。
個人情報取扱事業者とは? 監督する機関は?
個人情報をデータベース化して事業に用いている者(法人・個人を問わない)。
取扱件数による適用除外は無く、小規模事業者も対象。
監督するのは個人情報保護委員会(内閣府の外局)。
個人識別符号とは?
それ単体で特定の個人を識別できる符号
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 身体的特徴を変換したもの | 指紋データ、顔認識データ、DNA |
| 公的な番号 | マイナンバー、旅券番号、運転免許証番号 |
これを含む情報は、それだけで個人情報になる。
要配慮個人情報とは? 扱い方の違いは?
不当な差別や偏見が生じないよう、とくに配慮を要する個人情報
人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪被害の事実など。
取得には原則として本人の同意が必要で、
後述のオプトアウトによる第三者提供は認められない。
オプトインとオプトアウトの違いは?
| 本人の意思の取り方 | |
|---|---|
| オプトイン | あらかじめ同意を得てから行う |
| オプトアウト | まず行い、本人が拒否を申し出たら停止する |
第三者提供は原則オプトイン(事前同意)。
一定の要件を満たせばオプトアウトも認められるが、
要配慮個人情報には使えない。
匿名加工情報とは?
特定の個人を識別できないように加工し、かつ元の個人情報に復元できないようにしたもの
この状態にすれば、本人の同意なく第三者に提供できる。
ビッグデータ活用のために設けられた仕組み。
マイナンバー法とは? 個人情報保護法との関係は?
マイナンバー(個人番号)の利用範囲や取扱いを定めた法律
利用できる場面が社会保障・税・災害対策に限定されており、
個人情報保護法よりも厳しく制限されている(本人の同意があっても目的外利用は不可)。
3. パーソナルデータ保護の国際的な動向
根拠: シラバス 1-2-5
GDPR とは? 日本の企業に関係するか?
一般データ保護規則(GDPR)= EU の個人データ保護に関する規則
EU 域内の人のデータを扱えば、EU の外の企業にも適用される。
EU 域外へのデータ持ち出しが厳しく制限されるのが特徴で、
日本企業も EU で事業をすれば対象になる。
忘れられる権利(消去権)とは?
本人が、自分に関するデータの削除を求められる権利
GDPR で明文化された。検索結果からの削除請求などが典型例。
仮名化と匿名化の違いは?
| どこまで加工するか | |
|---|---|
| 仮名化 | 氏名などを別の符号に置き換える。他の情報と照合すれば復元できる |
| 匿名化 | 復元できないところまで加工する |
復元できるかどうかが分かれ目。仮名化されただけのデータは、
まだ個人情報として保護の対象になりうる。
4. その他の情報セキュリティ関連法規
根拠: シラバス 1-2-5
特定電子メール法とは?
広告・宣伝を目的とする電子メールの送信を規制する法律
あらかじめ同意した相手にしか送れない(オプトイン方式)。
送信者の氏名・住所や、受信拒否の連絡先の表示も義務づけられている。
不正指令電磁的記録に関する罪(ウイルス作成罪)とは?
正当な理由なくコンピュータウイルスを作成・提供・取得・保管する行為を罰する罪
実際に使わなくても、作った時点・持っていた時点で成立する。
刑法に置かれている。