システムの評価指標
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス Ver.6.5 の小分類 44「システムの評価指標」(大分類 8:コンピュータシステム/中分類 16:システム構成要素)。
2026-08-05 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
稼働率の計算が確実に出ます。式は 1 つだけです。
稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)
意味は「動いている時間 ÷ 全体の時間」です。
| 何の時間か | |
|---|---|
| MTBF(平均故障間動作時間) | 動いている時間の平均 |
| MTTR(平均修復時間) | 直している時間の平均 |
MTBF が長く、MTTR が短いほど稼働率は上がります。
もう 1 つの柱は故障への 3 つの構えです。名前が似ていて混ざります。
| 考え方 | |
|---|---|
| フェールセーフ | 故障したら安全な側に倒す(信号機を赤にする) |
| フォールトトレラント | 故障しても機能を保つ(冗長化して動かし続ける) |
| フールプルーフ | 人が誤操作しても問題が起きないようにする |
フールプルーフだけが「故障」ではなく「人のミス」への備えです。
1. 性能を測る
根拠: シラバス 8-16-44
レスポンスタイムとは?
レスポンスタイム(応答時間)
= 処理を要求してから、結果が返り始めるまでの時間
利用者が体感する速さに直結する。
すべての結果が出そろうまでの時間はターンアラウンドタイムといい、
バッチ処理ではこちらが重視される。
ベンチマークとは?
あらかじめ決められた基準のプログラムを実行し、
性能を数値で比較する方法
異なる機器を同じ条件で比べられるのが利点。
ただし実際の業務の処理内容とは違うので、
ベンチマークが速い=自社の業務が速い、とは限らない。
2. 稼働率
根拠: シラバス 8-16-44
MTBF と MTTR とは? 稼働率の式は?
| 何か | |
|---|---|
| MTBF(平均故障間動作時間) | 故障から次の故障までの、動作していた時間の平均 |
| MTTR(平均修復時間) | 故障してから復旧するまでの修理時間の平均 |
稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)
分母は「動いていた時間 + 直していた時間」=全体の時間。
故障率は単位時間あたりに故障する割合で、MTBF の逆数にあたる。
MTBF が 480 時間、MTTR が 20 時間のときの稼働率は?
0.96(96%)
480 ÷(480 + 20)= 480 ÷ 500 = 0.96
稼働率を上げる道は 2 つ——
MTBF を伸ばす(壊れにくくする)か、MTTR を縮める(早く直す)か。
直列に接続した装置全体の稼働率はどう求めるか?
各装置の稼働率の積
装置 A(0.9)と B(0.9)が直列なら、
0.9 × 0.9 = 0.81
どちらか一方でも止まれば全体が止まるので、
つなぐほど全体の稼働率は下がる。
並列(どちらかが動けばよい)なら
1 −(1 − 0.9)×(1 − 0.9)= 0.99 と上がる。
3. 故障とミスへの構え
根拠: シラバス 8-16-44
フェールセーフ・フォールトトレラント・フールプルーフの違いは?
| 何に備えるか | どうするか | |
|---|---|---|
| フェールセーフ | 故障 | 安全な状態に倒す(止める・赤にする) |
| フォールトトレラント | 故障 | 機能を保ったまま動き続ける(冗長化) |
| フールプルーフ | 人の誤操作 | 誤った操作ができないようにする |
フールプルーフだけが「人のミス」への備え。
蓋を閉めないと動かない電子レンジが例。
フォールトトレラントを実現する構成が、
デュアルシステム(2 系統が並行して動く)や
デュプレックスシステム(予備系に切り替える)。
コールドスタンバイとホットスタンバイの違いは?
| 予備機の状態 | 切り替え時間 | |
|---|---|---|
| コールドスタンバイ | 停止している(必要時に起動) | 長い |
| ホットスタンバイ | 常に稼働し、いつでも代われる | 短い |
費用と切り替え時間のトレードオフ。
デュプレックスシステムの予備系をどちらにするかで、
復旧の速さと運用費用が変わる。
4. 費用
根拠: シラバス 8-16-44
TCO とは? 初期コストと運用コストの関係は?
TCO(Total Cost of Ownership:総所有費用)
= 導入から廃棄までにかかる費用の合計
| 何が含まれるか | |
|---|---|
| 初期コスト | 機器の購入、開発、導入作業 |
| 運用コスト | 保守、電力、要員、教育、廃棄 |
運用コストのほうが長期では大きくなることが多い。
初期コストだけで比べると判断を誤る、というのが TCO という考え方の要点。