みならいノート

簿記 3 級 2027年度版

証ひょうと伝票

みならいノートで覚える(無料)

このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

出題区分表 第一 5「証ひょうと伝票」ア・イ・ウ。

第 2 問の常連です。とくに一部現金取引の起票(2 通りの書き方)と、
伝票からの集計は、知っていれば取れて、知らないと手が出ません。

0. どういう処理か

ここで扱うのは「仕訳の前に何があるか」です。

何か 役割
証ひょう 領収書・請求書・納品書・通帳の写しなど 取引が実際にあったことの証拠
伝票 入金伝票・出金伝票・振替伝票 仕訳帳の代わりに使う1 取引 1 枚の紙

証ひょうは会社の外から来る(または外へ出す)紙で、これを見て仕訳を起こします。
伝票は会社の中で作る紙で、仕訳帳を分担して書くための道具です。

なぜ伝票を使うかというと、仕訳帳は 1 冊しかないので、
取引が多い会社では書き手が 1 人に絞られてしまうからです。
伝票なら複数人が同時に起票でき、担当ごとに分けて回せます。

3 級で扱うのは 3 伝票制です。

伝票 使う取引 仕訳の形
入金伝票 現金が増える 借方が必ず現金
出金伝票 現金が減る 貸方が必ず現金
振替伝票 現金が動かない 現金以外どうし

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 証ひょう

根拠: 出題区分表 一-5-ア

証ひょうとは何か?

取引があったことを証明する書類

領収書、請求書、納品書、注文書、当座勘定照合表、レシートなど。
仕訳はこれを見て起こす。証ひょうが無い記録は根拠がない。

商品を仕入れたとき、仕入先から受け取る「納品書」と「請求書」は何が違う?

  • 納品書 … 品物を納めたときに添える。何をいくつ納めたかの明細
  • 請求書 … 代金の支払いを求める。金額と支払期限

納品と請求のタイミングがずれる(月まとめ請求など)ため、別々の紙になる。

銀行から届く「当座勘定照合表」から何が分かる?

銀行側が記録している当座預金の入出金

自社の帳簿と突き合わせて、振込手数料の引き落としや
未記帳の入金などを発見する。証ひょうから仕訳を起こす問題でよく出る。

【証ひょうから起票】次の領収書を受け取った。仕訳は?

領収書
金額 ¥55,000
但し 事務用パソコン代として(うち消費税 ¥5,000)

借方 貸方
備品 50,000 現金 55,000
仮払消費税 5,000

税抜方式では、消費税を本体価格に含めない。
領収書に内訳が書いてあるので、そのまま分ける。

【証ひょうから起票】従業員が立て替えた旅費の精算書を受け取り、
現金 ¥8,400 を支払った。仕訳は?

借方 貸方
旅費交通費 8,400 現金 8,400

出張前に仮払いしていた場合は、仮払金を取り崩す形になる点に注意。

2. 3 伝票制

根拠: 出題区分表 一-5-イ

3 伝票制の 3 つの伝票と、それぞれ使う取引は?

  • 入金伝票 … 現金が増える取引(借方が必ず現金)
  • 出金伝票 … 現金が減る取引(貸方が必ず現金)
  • 振替伝票 … 現金が動かない取引

現金が絡むかどうかで、まずどの伝票かが決まる。

入金伝票の「科目」欄に書くのは何?

相手科目(現金の反対側に来る勘定)

借方が現金なのは決まりきっているので書かない。
売掛金を現金で回収したなら、科目欄は 売掛金。

商品 ¥20,000 を仕入れ、代金を現金で支払った。どの伝票にどう書く?

出金伝票に 仕入 20,000

現金が減る取引なので出金伝票。貸方の現金は書かず、相手科目だけを書く。

入金伝票に 売上 30,000 と書いてあった。仕訳に直すと?

借方 貸方
現金 30,000 売上 30,000

入金伝票 → 借方は現金。科目欄は貸方に来る。
伝票から仕訳を復元する問題ではこの向きを間違えない。

3. 一部現金取引の起票

根拠: 出題区分表 一-5-イ

代金の一部だけを現金で受け取った(払った)取引は、3 伝票制では 1 枚に収まりません。
書き方が 2 通りあり、どちらを使ったかは入金伝票の科目で分かります。

商品 ¥10,000 を売り上げ、¥3,000 を現金で受け取り、残額は掛けとした。
3 伝票制の起票方法は何通りある?

2 通り

  1. 取引を分解する方法 … 現金部分と掛け部分を別の取引として書く
  2. いったん全額を掛けとする方法 … 全額を掛け売上にしてから、現金回収を書く

どちらでも最終的な勘定残高は同じになる。

上の取引を取引を分解する方法で起票すると?

  • 入金伝票 … 売上 3,000
  • 振替伝票 … 売掛金 7,000 / 売上 7,000

現金で売った分と、掛けで売った分を別の取引として扱う。
入金伝票の科目が 売上 になるのが目印。

上の取引をいったん全額を掛けとする方法で起票すると?

  • 振替伝票 … 売掛金 10,000 / 売上 10,000
  • 入金伝票 … 売掛金 3,000

全額を掛けで売ったことにしてから、そのうち ¥3,000 をすぐ回収した、と考える。
入金伝票の科目が 売掛金 になるのが目印。

答案で、2 つの起票方法のどちらが使われたかをどう見分ける?

入金伝票(出金伝票)の科目を見る

  • 科目が 売上 → 取引を分解する方法
  • 科目が 売掛金 → いったん全額を掛けとする方法

問題では片方の伝票だけが与えられ、もう 1 枚を答えさせる形が多い。
先に与えられた伝票の科目から、どちらの方法かを決めてから書く。

4. 伝票の集計と管理

根拠: 出題区分表 一-5-ウ

仕訳日計表とは何か?

1 日分の伝票を勘定科目ごとに集計した表

伝票 1 枚ずつを総勘定元帳へ転記すると手間も間違いも増えるので、
いったん日ごとにまとめる。仕訳週計表なら 1 週間分。

仕訳日計表から総勘定元帳へは、どう転記する?

勘定ごとの合計額を 1 行で転記する(合計転記)

1 件ずつ転記するのではない。
元帳の摘要欄には相手科目ではなく 仕訳日計表 と書く。

仕訳日計表の借方合計と貸方合計はどうなる?

必ず一致する

各伝票が貸借の釣り合った仕訳になっているので、
それを集計した表も釣り合う。一致しなければ集計ミス。

仕訳日計表を作っても、売掛金元帳・買掛金元帳へはどう転記する?

伝票から 1 枚ずつ個別に転記する(個別転記)

補助元帳は「どの得意先にいくら」を持つのが目的なので、
合計してしまうと意味が無くなる。
総勘定元帳へは合計転記、補助元帳へは個別転記。

このノートの 17 問を、暗記カードで復習できます

みならいノートで覚える(無料)

答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

前 主要簿と補助簿
現金と現金過不足 次

このノートは無償で公開しています。当方は内容の正確性・完全性・最新性を保証しません。学習にあたっては、法令の原文・公式の出題範囲その他の一次資料を必ずご確認ください。試験への合格その他の効果を保証するものでもありません。

本文の転載・再配布はお断りしています(利用規約)。手元に置いて使いたい方は、ストアから Markdown ファイルとして入手できます。