株主資本等変動計算書
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
出題区分表 商業簿記 第三 11「株主資本等変動計算書※」(2 級では株主資本およびその他有価証券
評価差額金に係る増減事由に限定)。
0. どういう処理か
貸借対照表は期末の残高しか示しません。
純資産が期中にどう動いたかは分からないのです。
その動きを示すのが株主資本等変動計算書(S/S)です。
形は決まっています。
| 資本金 | 資本準備金 | 利益準備金 | 繰越利益剰余金 | その他有価証券評価差額金 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 当期首残高 | ××× | ××× | ××× | ××× | ××× |
| 新株の発行 | +××× | +××× | |||
| 剰余金の配当 | +××× | △××× | |||
| 当期純利益 | +××× | ||||
| 株主資本以外の変動額 | ±××× | ||||
| 当期末残高 | ××× | ××× | ××× | ××× | ××× |
横に純資産の項目、縦に変動の事由を並べます。
解き方は 1 つだけです。
期中の仕訳のうち、純資産の勘定が動いたものを拾って、該当するマスに書く。
新しく覚えることはほとんどありません。仕訳が書ければ埋まります。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 剰余金の配当では、繰越利益剰余金が減り、利益準備金が増える(同じ行に 2 つ書く)
- 当期純利益は繰越利益剰余金の増加として書く
- その他有価証券評価差額金は「株主資本以外の項目の当期変動額(純額)」の行にまとめる
1. 表の構造
根拠: 出題区分表 商-三-11
行と列の意味をまず固定してください。
株主資本等変動計算書は何を示す書類か?
純資産の各項目が、期中にどう変動したかを示す書類
貸借対照表は期末残高しか示さないので、
「配当したのか、増資したのか、利益が出たのか」が分からない。
株主資本等変動計算書の縦(行)と横(列)には何を並べるか?
- 横(列) … 純資産の項目(資本金、資本準備金、利益準備金、繰越利益剰余金など)
- 縦(行) … 変動の事由(新株の発行、剰余金の配当、当期純利益など)
上端が当期首残高、下端が当期末残高。
2 級で株主資本等変動計算書の対象になる項目は?
株主資本とその他有価証券評価差額金
区分表に「2 級では株主資本およびその他有価証券評価差額金に係る増減事由に限定」とある。
新株予約権などは 1 級。
当期純利益は、株主資本等変動計算書のどこに書くか?
繰越利益剰余金の列の、「当期純利益」の行に加算
損益振替で繰越利益剰余金が増えるため。
2. 変動事由の書き方
根拠: 出題区分表 商-三-11
仕訳を思い出して、動いた勘定のマスに書くだけです。
増資して ¥2,000,000 の払込みを受け、全額を資本金とした。変動計算書にはどう書くか?
「新株の発行」の行で、資本金の列に +¥2,000,000
仕訳は 当座預金 / 資本金。動いた純資産は資本金だけ。
払込金額の 2 分の 1 を資本準備金とした場合は?
「新株の発行」の行で、資本金と資本準備金の両方に加算
払込 ¥2,000,000 なら、資本金 +¥1,000,000、資本準備金 +¥1,000,000。
同じ行に 2 つの列が動く。
繰越利益剰余金から ¥500,000 の配当を行い、¥50,000 を利益準備金に積み立てた。変動計算書にはどう書くか?
「剰余金の配当」の行で、繰越利益剰余金に △¥550,000、利益準備金に +¥50,000
仕訳は
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 繰越利益剰余金 550,000 | 未払配当金 500,000 |
| 利益準備金 50,000 |
繰越利益剰余金の減少額は、配当額と積立額の合計。
その他有価証券評価差額金の変動は、どの行に書くか?
「株主資本以外の項目の当期変動額(純額)」の行
事由ごとに分けず、純額でまとめて 1 行にする。
2 級ではこれだけ覚えれば足りる。
当期首残高と当期末残高の関係を確かめる方法は?
当期首残高 + 当期変動額の合計 = 当期末残高(列ごとに)
各列で縦に足して検算する。
さらに、当期末残高の合計が貸借対照表の純資産合計と一致する。
株主資本等変動計算書の当期末残高は、どの書類とつながるか?
貸借対照表の純資産の部
各項目の当期末残高が、そのまま貸借対照表に載る。
2 つの表はここでつながっている。