みならいノート

簿記 2 級 2027年度版

材料費

みならいノートで覚える(無料)

このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

出題区分表 工業簿記 第五「材料費計算」1〜6。

0. どういう処理か

材料費は 消費単価 × 消費数量 で求めます。
つまり決めることは 2 つ、いくらの単価で、何個使ったかです。

まず、材料は 5 種類に分かれ、直接材料費になるのは 2 つだけです。

材料 内容 直接/間接
主要材料費(素材費・原料費) 製品の本体になるもの 直接
買入部品費 そのまま取り付ける部品 直接
補助材料費 燃料・塗料など補助的に使うもの 間接
工場消耗品費 軍手・潤滑油など 間接
消耗工具器具備品費 少額の工具・測定器具 間接

主要材料と買入部品だけが直接材料費、あとは全部間接材料費です。

次に、購入したときの金額(買入価額)には引取費用を含めます。
運賃・保険料・関税など、材料を手元に持ってくるまでにかかったものです。

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 材料の分類と購入原価

根拠: 出題区分表 工-五-1、工-五-2、工-五-3

まず「いくらで資産に載せるか」を決めます。
買っただけでは原価にならない(消費して初めて原価)ことに注意してください。

直接材料費になるのはどの材料か?

主要材料費(素材費・原料費)と買入部品費

補助材料費・工場消耗品費・消耗工具器具備品費は間接材料費。
「製品の本体になるか、そのまま取り付けるか」で分かれる。

材料の購入原価はどう求める?

購入代価 + 材料副費

材料副費のうち、引取運賃・保険料・関税などの外部副費は必ず購入原価に含める。
検収費・保管費などの内部副費は、含めることも費用処理することもできる(指示に従う)。

材料 ¥300,000 を掛けで購入し、引取運賃 ¥5,000 を現金で支払った。仕訳は?

借方 貸方
材料 305,000 買掛金 300,000
現金 5,000

引取運賃は材料の取得原価に含める。運賃を独立の費用にしない。

材料副費を予定配賦している場合、購入時の仕訳は?

借方 貸方
材料 ××× 買掛金 ×××
材料副費 ×××(予定配賦額)

実際に発生した材料副費は材料副費勘定の借方に集まり、
予定配賦額との差が材料副費差異になる。

材料元帳には何を記録するか?

材料の種類ごとに、受入・払出・残高の数量と単価と金額

総勘定元帳の「材料」勘定は金額の合計しか持たないので、
どの材料が何個残っているかは材料元帳でしか分からない。

2. 消費量の計算

根拠: 出題区分表 工-五-4

「何個使ったか」の求め方は 2 つあります。
継続記録法と棚卸計算法で、精度と手間が逆になります。

継続記録法とは?

材料の受け入れと払い出しをそのつど記録し、消費量を直接把握する方法

材料元帳を常に更新する。手間はかかるが、
帳簿残高が分かるので棚卸減耗を把握できる。直接材料に使う。

棚卸計算法とは?

「月初有高 + 当月受入高 − 月末実地棚卸高」で消費量を逆算する方法

払い出しを記録しないので手間が少ない。ただし
減耗も消費に含まれてしまうため、棚卸減耗が分からない。工場消耗品などに使う。

継続記録法で、帳簿残高 200 個に対し実地棚卸が 195 個だった。差の 5 個は?

棚卸減耗

継続記録法だからこそ、帳簿と実地の差として把握できる。

棚卸減耗費は何費として処理する?

間接経費(原価計算基準上、経費に分類される)

材料が減っているのに間接材料費ではない点が引っかけ。

借方 貸方
製造間接費 ××× 材料 ×××

異常な減耗は非原価項目にする。

3. 消費単価の計算

根拠: 出題区分表 工-五-5

「いくらの単価か」の求め方です。実際価格を使うと月末まで単価が決まりません。
そこで予定価格を使い、差額を後から差異として処理します。

実際の消費単価を求める方法を 2 つ挙げよ。

先入先出法と平均法(移動平均法・総平均法)

材料元帳の払出単価をどう決めるかの話。
3 級の商品有高帳と同じ考え方。

予定価格(予定消費単価)を使う理由は?

  1. 月末を待たずに製品原価を計算できる
  2. 価格の変動が製品原価に紛れ込まない(消費量の管理がしやすくなる)

実際価格だと、同じ材料を同じだけ使っても月によって原価が変わってしまう。

予定消費単価 @¥500、実際消費量 400 個のときの消費額と仕訳は?(うち直接分 350 個)

借方 貸方
仕掛品 175,000 材料 200,000
製造間接費 25,000

@¥500 × 350 個 = ¥175,000(直接材料費)、@¥500 × 50 個 = ¥25,000(間接材料費)。
消費額は予定単価で計算する。

予定消費単価 @¥500、実際単価 @¥520、消費量 400 個。材料消費価格差異は?

¥8,000 の不利差異(借方差異)

予定 ¥200,000 − 実際 ¥208,000 = △¥8,000。
予定より実際が高くついたので不利。

借方 貸方
材料消費価格差異 8,000 材料 8,000

材料消費価格差異が貸方に出た場合、それは有利差異か不利差異か?

有利差異

貸方に出る=予定より実際の方が安かった、ということ。
貸方=有利、借方=不利は、工業簿記のすべての差異に共通する。

材料消費価格差異は、会計年度末にどう処理する?

原則として売上原価に加減する

差異 処理
不利差異(借方) 売上原価に加算
有利差異(貸方) 売上原価から減算

予定で計算した原価を、実際に近づけるための調整。

4. 期末棚卸高

根拠: 出題区分表 工-五-6

月末に残っている材料は資産です。原価にはなりません。

月末に残っている材料は、原価と資産のどちらか?

資産(材料勘定の残高として次月へ繰り越す)

消費していない以上、原価になっていない。
「買った額 = 当月の材料費」ではないことの根拠。

当月材料費を求める式は?

月初材料棚卸高 + 当月材料仕入高 − 月末材料棚卸高

(棚卸減耗があれば、その分を差し引いて間接経費に振り替える。)

このノートの 17 問を、暗記カードで復習できます

みならいノートで覚える(無料)

答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

前 工業簿記の勘定体系
労務費 次

このノートは無償で公開しています。当方は内容の正確性・完全性・最新性を保証しません。学習にあたっては、法令の原文・公式の出題範囲その他の一次資料を必ずご確認ください。試験への合格その他の効果を保証するものでもありません。

本文の転載・再配布はお断りしています(利用規約)。手元に置いて使いたい方は、ストアから Markdown ファイルとして入手できます。