みならいノート

簿記 2 級 2027年度版

労務費

みならいノートで覚える(無料)

このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

出題区分表 工業簿記 第六「労務費計算」1〜5。

0. どういう処理か

労務費でつまずく原因はほぼ 1 つです。支払額と消費額が一致しません。

給料の締日は月末とは限りません。「20 日締め・25 日払い」なら、
当月に支払った額は、先月 21 日から今月 20 日までの働きに対するものです。
一方、原価計算が知りたいのは今月 1 日から今月末までの働きです。

支払額 = 当月支払高 − 前月未払高 + 当月未払高 = 消費額

もう 1 つの分かれ目は、直接工か間接工かではなく、何をしていた時間かです。

直接労務費 間接労務費
直接工 直接作業時間のぶん 間接作業時間・手待時間のぶん
間接工 — 全部

直接工の賃金がすべて直接労務費になるわけではありません。 ここが最頻出の引っかけです。

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 労務費の分類

根拠: 出題区分表 工-六-1

「誰の」ではなく「何をしていた時間か」で分けます。
この一点だけで、労務費の問題の半分は解けます。

労務費に含まれるものを挙げよ。

賃金・給料・雑給・従業員賞与手当・退職給付費用・法定福利費

労働力の消費によって生じるものはすべて労務費。
賞与や社会保険料の会社負担分も労務費(経費ではない)。

直接労務費になるのはどれか?

直接工が直接作業に従事した時間ぶんの賃金だけ

  • 直接工の間接作業時間 → 間接労務費
  • 直接工の手待時間 → 間接労務費
  • 間接工の賃金 → 全額が間接労務費
  • 賞与手当・法定福利費 → 間接労務費

手待時間とは何か。何費になる?

材料待ち・機械故障などで、作業ができずに待っていた時間。間接労務費

働いていないが賃金は発生している。特定の製品に紐づけられないので間接。

直接工の作業時間はどう区分されるか?

就業時間の内訳 さらに内訳 行き先
実働時間 直接作業時間 直接労務費
実働時間 間接作業時間 間接労務費
手待時間 — 間接労務費

直接作業時間だけが直接労務費になる。

賃金の支払時に控除する社会保険料の従業員負担分は、労務費か?

労務費に含まれる(賃金総額のうち預り金として控除するだけ)

借方 貸方
賃金・給料 ××× 預り金 ×××
現金 ×××

手取額ではなく総額が労務費。会社負担分は別に法定福利費(間接労務費)となる。

2. 消費賃金の計算

根拠: 出題区分表 工-六-2、工-六-3、工-六-4、工-六-5

支払額を消費額に直す計算です。未払分の足し引きの向きを必ず確認してください。

当月支払高 ¥800,000、前月未払高 ¥150,000、当月未払高 ¥180,000。当月の消費額は?

¥830,000

800,000 − 150,000 + 180,000 = 830,000。
前月未払は引く(先月の働き)、当月未払は足す(今月の働きでまだ払っていない)。

なぜ前月未払高を差し引くのか?

当月に支払った額の中に、前月の働きに対するぶんが含まれているから

締日と月末がずれているために起きる。
「支払った月」ではなく「働いた月」の原価にする、というのが費目別計算の考え方。

予定賃率を使う理由は?

  1. 月末の実際賃率の確定を待たずに計算できる
  2. 残業などによる賃率の変動が製品原価に紛れ込まない

材料の予定消費単価とまったく同じ動機。

予定賃率 @¥1,200、直接作業時間 500 時間、間接作業時間 60 時間。消費の仕訳は?

借方 貸方
仕掛品 600,000 賃金・給料 672,000
製造間接費 72,000

@¥1,200 × 500h = ¥600,000(直接労務費)、@¥1,200 × 60h = ¥72,000(間接労務費)。
同じ賃率を使い、行き先だけ分ける。

予定賃率で計算した消費額 ¥672,000、実際の消費額 ¥690,000。賃率差異は?

¥18,000 の不利差異(借方差異)

借方 貸方
賃率差異 18,000 賃金・給料 18,000

予定より実際が高くついたので不利。借方=不利は材料と同じ。

作業時間はどうやって把握するか?

作業時間報告書(作業票)・出勤票などの証ひょうによる

  • 出勤票 … 就業時間を把握する
  • 作業時間報告書 … 直接作業時間と間接作業時間の内訳を把握する

2 つの帳票の役割の違いが問われることがある。

このノートの 11 問を、暗記カードで復習できます

みならいノートで覚える(無料)

答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

前 材料費
経費 次

このノートは無償で公開しています。当方は内容の正確性・完全性・最新性を保証しません。学習にあたっては、法令の原文・公式の出題範囲その他の一次資料を必ずご確認ください。試験への合格その他の効果を保証するものでもありません。

本文の転載・再配布はお断りしています(利用規約)。手元に置いて使いたい方は、ストアから Markdown ファイルとして入手できます。