本支店間取引の処理
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
出題区分表 商業簿記 第五 1「本支店会計の意義・目的」・2「本支店間取引の処理」。
0. どういう処理か
支店に帳簿を置いて自分で記帳させると、支店ごとの業績が分かります。
これが本支店会計の目的です。
ですが帳簿が分かれるので、本支店間の取引で相手勘定が書けません。
そこで照合勘定を使います。
| 帳簿 | 相手を指す勘定 |
|---|---|
| 本店 | 支店 |
| 支店 | 本店 |
本店勘定と支店勘定は、常に貸借逆で同額です。合わなければどこかが記帳漏れです。
そして、支店が複数あるときの処理が 2 通りあります。
| 制度 | 支店どうしの取引を |
|---|---|
| 支店分散計算制度 | 支店どうしで直接記帳する(各支店が他支店の勘定を持つ) |
| 本店集中計算制度 | 本店を経由したものとして記帳する |
本店集中計算制度が原則です。本店がすべての取引を把握できるからです。
支店 A が支店 B に送金したら、「A → 本店」「本店 → B」の 2 つの取引として扱います。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 本店勘定と支店勘定は貸借逆で同額
- 本店集中計算制度では、支店の帳簿に他支店の勘定は出てこない
- 本店が支店の費用を立て替えたら、支店側でその費用を計上する
1. 照合勘定
根拠: 出題区分表 商-五-1、商-五-2
必ず 2 本セットで書く練習をしてください。片方だけでは残高が合いません。
本支店会計(支店独立会計制度)の目的は?
支店ごとの業績を把握すること
支店に帳簿を置いて自分で記帳させれば、支店ごとの損益が分かり、
経営管理に使える。
本店の帳簿と支店の帳簿には、それぞれどんな照合勘定を置くか?
| 帳簿 | 勘定 |
|---|---|
| 本店の帳簿 | 支店勘定 |
| 支店の帳簿 | 本店勘定 |
「相手の名前の勘定を持つ」と覚える。
本店が支店に現金 ¥200,000 を送った。本店側と支店側の仕訳は?
本店側
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 支店 200,000 | 現金 200,000 |
支店側
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 現金 200,000 | 本店 200,000 |
必ず 2 本セット。貸借が逆になっていることを確認する。
本店勘定と支店勘定の残高が一致しないときは、何を疑うか?
片方の記帳漏れ、または金額の誤り
「支店が送金したが本店に未達」のような未達取引があると一致しない。
決算では未達事項を整理してから合併する。
本店が支店の広告宣伝費 ¥50,000 を現金で立て替えた。支店側の仕訳は?
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 広告宣伝費 50,000 | 本店 50,000 |
費用は支店で計上する(支店のための支出だから)。
本店側は 支店 / 現金。
支店が獲得した当期純利益は、決算でどう処理する?
本店勘定へ振り替える
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 損益 ××× | 本店 ××× |
支店には資本金も繰越利益剰余金も無いので、
利益は本店勘定を通じて本店に集まる。
2. 支店が複数あるとき
根拠: 出題区分表 商-五-2
本店集中計算制度が原則。支店どうしの取引を本店経由に読み替えます。
支店分散計算制度とは?
支店どうしの取引を、支店どうしで直接記帳する制度
支店 A の帳簿に「B 支店」勘定を置く。
本店を通さないので、本店が取引を把握できない。
本店集中計算制度とは?
支店どうしの取引を、本店を経由したものとみなして記帳する制度
支店の帳簿には本店勘定しか置かない。
本店がすべての取引を把握できるので、こちらが原則。
支店 A が支店 B に現金 ¥100,000 を送った。本店集中計算制度での 3 者の仕訳は?
A 支店
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 本店 100,000 | 現金 100,000 |
本店
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| B 支店 100,000 | A 支店 100,000 |
B 支店
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 現金 100,000 | 本店 100,000 |
本店だけが 2 つの支店勘定を動かす。
上の取引を支店分散計算制度で処理すると、どう変わる?
A 支店と B 支店だけが仕訳し、本店は仕訳なし
A 支店: B 支店 100,000 / 現金 100,000
B 支店: 現金 100,000 / A 支店 100,000
支店の帳簿に他支店の勘定が現れるのが分散計算制度。
なぜ本店集中計算制度が原則なのか?
本店がすべての取引を把握でき、管理しやすいから
支店どうしが勝手にやりとりすると、本店は残高を照合できない。
支店の帳簿を単純にできる利点もある。