会社の合併
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
出題区分表 商業簿記 第四 6「会社の合併※」。
0. どういう処理か
他の会社を吸収して、資産と負債をまるごと引き受ける取引です。
やることは 3 つだけです。
- 相手の資産・負債を時価で受け入れる
- 対価(ふつうは自社の株式)を発行する
- 差額をのれん(または負ののれん発生益)にする
のれん = 交付した株式の時価(対価) − 受け入れた純資産(時価)
帳簿価額ではなく時価で受け入れるのが要点です。
買収は「いま買ったらいくらか」で値段が決まるので、相手の古い帳簿価額は関係ありません。
そして交付した株式の分だけ、自社の資本金・資本準備金が増えます。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 受け入れる資産・負債は時価(帳簿価額ではない)
- 差額が借方ならのれん(資産)、貸方なら負ののれん発生益(特別利益)
- 相手の利益剰余金は引き継がない(受け入れるのは資産と負債だけ)
1. 合併の仕訳
根拠: 出題区分表 商-四-6
左に資産、右に負債と資本、差額をのれん——順番を固定すれば書けます。
合併で受け入れる資産・負債は、帳簿価額と時価のどちらで評価する?
時価
買収の対価は「いま買ったらいくらか」で決まるので、
相手の帳簿価額は関係ない。
のれんはどう計算する?
交付した株式の時価(=支払った対価)− 受け入れた純資産(時価)
対価のほうが大きければのれん(資産)、
小さければ負ののれん発生益(特別利益)。
A 社を吸収合併した。受け入れた資産の時価 ¥8,000,000、負債の時価 ¥3,000,000。対価として株式 1,000 株(時価 @¥6,000)を交付し、全額を資本金とした。仕訳は?
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 諸資産 8,000,000 | 諸負債 3,000,000 |
| のれん 1,000,000 | 資本金 6,000,000 |
受け入れた純資産 = 8,000,000 − 3,000,000 = ¥5,000,000
対価 = 1,000 株 × @¥6,000 = ¥6,000,000
のれん = 6,000,000 − 5,000,000 = ¥1,000,000
上の合併で、対価のうち半分を資本準備金とする場合は?
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 諸資産 8,000,000 | 諸負債 3,000,000 |
| のれん 1,000,000 | 資本金 3,000,000 |
| 資本準備金 3,000,000 |
のれんの金額は変わらない(対価の総額は同じだから)。
変わるのは資本の内訳だけ。
受け入れた純資産が対価を上回った場合の仕訳は?
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 諸資産 ××× | 諸負債 ××× |
| 資本金など ××× | |
| 負ののれん発生益 ××× |
安く買えたということ。発生した期に一括して特別利益にする(償却しない)。
合併で受け入れた相手の利益剰余金は、自社に引き継がれるか?
引き継がれない
受け入れるのは資産と負債だけ。
純資産は、こちらが交付した株式に応じて資本金・資本準備金として計上する。
合併で計上したのれんは、その後どうなる?
20 年以内に定額法などで償却する
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| のれん償却 ××× | のれん ××× |
販売費及び一般管理費に載る。無形固定資産なので直接法。
合併と連結(子会社化)の違いは?
| 相手の会社 | |
|---|---|
| 合併 | 無くなる(吸収される) |
| 連結 | 残る(株式を持って支配するだけ) |
合併は自社の帳簿に直接取り込むが、
連結は別会社のまま、決算のときに合算する(→ 10 章)。