みならいノート

簿記 2 級 2027年度版

剰余金の配当と処分

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

出題区分表 商業簿記 第四 3「利益剰余金」イ(任意積立金)、
第四 4「剰余金の配当など」ア(準備金積立額の算定)・イ(剰余金の処分※)・
ウ(株主資本の計数の変動※)。

0. どういう処理か

会社が稼いだお金は株主のものですが、全部を配ってしまうと会社にお金が残りません。
そこで会社法は、配当のたびに一部を準備金として積み立てることを義務づけています。

積立額の計算は 2 つを比べて小さいほうです。

① 配当額 × 1/10
② 資本金 × 1/4 −(資本準備金 + 利益準備金)

①と②の小さいほうを積み立てます。

なぜ②があるのか。 準備金は資本金の 4 分の 1 まで積めば十分、と決まっているからです。
すでに 4 分の 1 に達していれば、②はゼロかマイナスになり、積立は不要になります。

そして任意積立金は、会社が自分の意思で積み立てるものです。

誰が決めるか
利益準備金 会社法(強制)
任意積立金 株主総会(任意)

新築積立金・修繕積立金・別途積立金などがあり、
目的を達成したら繰越利益剰余金に戻します。

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 剰余金の配当と準備金の積立

根拠: 出題区分表 商-四-4-ア、商-四-4-イ

②の計算を忘れないこと。 ①だけで答えると、上限に達している場合に間違えます。

剰余金を配当するとき、準備金の積立額はどう計算する?

次の 2 つのうち小さいほう

  1. 配当額 × 1/10
  2. 資本金 × 1/4 −(資本準備金 + 利益準備金)

②は「準備金は資本金の 4 分の 1 まで積めば足りる」という上限。

資本金 ¥10,000,000、資本準備金 ¥1,000,000、利益準備金 ¥800,000。繰越利益剰余金から ¥2,000,000 を配当する。積立額は?

¥200,000

  1. 2,000,000 × 1/10 = ¥200,000
  2. 10,000,000 × 1/4 − (1,000,000 + 800,000) = 2,500,000 − 1,800,000 = ¥700,000

小さいほうは①なので ¥200,000。

資本金 ¥10,000,000、資本準備金 ¥1,500,000、利益準備金 ¥1,000,000。配当 ¥2,000,000 のときの積立額は?

¥0

  1. 2,000,000 × 1/10 = ¥200,000
  2. 10,000,000 × 1/4 − (1,500,000 + 1,000,000) = 2,500,000 − 2,500,000 = ¥0

すでに上限に達しているので積立は不要。②を計算しないと間違える。

株主総会で繰越利益剰余金から ¥2,000,000 の配当を決議し、利益準備金 ¥200,000 を積み立てた。仕訳は?

借方 貸方
繰越利益剰余金 2,200,000 未払配当金 2,000,000
利益準備金 200,000

繰越利益剰余金の減少額は配当額 + 積立額。配当額だけにしない。

その他資本剰余金を財源に配当する場合、積み立てるのはどの準備金?

資本準備金

財源が資本なら資本準備金、利益なら利益準備金。
積立額の計算式(①②の小さいほう)は同じ。

未払配当金を当座預金から支払った。仕訳は?

借方 貸方
未払配当金 ××× 当座預金 ×××

株主総会の決議時点では債務(未払配当金)を計上するだけで、
実際の支払いは後日。

2. 任意積立金

根拠: 出題区分表 商-四-3-イ

会社が自分で決めて積むもの。取り崩すときは繰越利益剰余金に戻します。

任意積立金とは?

株主総会の決議により、会社が任意に積み立てる利益剰余金

新築積立金・修繕積立金・配当平均積立金・別途積立金など。
利益準備金と違い、会社法上の義務ではない。

株主総会で繰越利益剰余金から新築積立金 ¥1,000,000 を積み立てた。仕訳は?

借方 貸方
繰越利益剰余金 1,000,000 新築積立金 1,000,000

純資産の中の振替。資産は動かない(お金が別に貯まるわけではない)。

建物が完成し、新築積立金 ¥1,000,000 を取り崩した。仕訳は?

借方 貸方
新築積立金 1,000,000 繰越利益剰余金 1,000,000

目的を達成したので繰越利益剰余金に戻す。収益にしない。

任意積立金を積み立てると、会社の現金は増えるか?

増えない

純資産の内訳を組み替えているだけで、資産は 1 円も動かない。
「積立金があるのにお金が無い」ということが起こりうる。

3. 株主資本の計数の変動

根拠: 出題区分表 商-四-4-ウ

純資産の中の引っ越しです。総額が変わらないことを確認してください。

株主資本の計数の変動とは?

資本金・準備金・剰余金のあいだで金額を振り替えること

株主総会などの決議によって行う。
純資産の総額は変わらない(中身の組み替えだけ)。

資本金 ¥3,000,000 を減少させ、その他資本剰余金とした。仕訳は?

借方 貸方
資本金 3,000,000 その他資本剰余金 3,000,000

資本金を減らす(減資)と、その他資本剰余金になる。

繰越利益剰余金が借方残高(マイナス)になっている。その他資本剰余金 ¥500,000 で補填した。仕訳は?

借方 貸方
その他資本剰余金 500,000 繰越利益剰余金 500,000

欠損の補填。資本から利益への振替は、この場合に限って認められる。

株主資本の計数の変動で、損益は発生するか?

しない

純資産の内訳を移し替えるだけなので、収益も費用も出ない。
「資本金を減らしたら利益が出る」わけではない。

このノートの 14 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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