みならいノート

簿記 2 級 2027年度版

有価証券の分類と期末評価

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

出題区分表 商業簿記 第二 2「有価証券」イ(売買目的有価証券・時価法)、
第二 13「投資その他の資産」イ(子会社株式、関連会社株式)・ウ(その他有価証券)・オ(長期前払費用)、
第三 7(その他有価証券評価差額金)。

0. どういう処理か

同じ株式でも、何のために持っているかで期末の評価がまったく変わります。

すぐ売って儲けるつもりで持っている株なら、時価がいくらかは意味を持ちます。
一方、子会社を支配するために持っている株は、売る気がないので時価は意味を持ちません。
評価の方法は、その証券が会社にとって何であるかに従います。

保有目的 期末の評価 評価差額の行き先 B/S の表示
売買目的有価証券 時価 当期の損益(有価証券評価損益) 有価証券(流動)
満期保有目的債券 償却原価 有価証券利息 投資有価証券※
子会社株式・関連会社株式 取得原価のまま 出さない 関係会社株式(固定)
その他有価証券 時価 純資産(その他有価証券評価差額金) 投資有価証券(固定)

※ 満期が決算日の翌日から 1 年以内なら「有価証券」として流動資産に載せる。

分かれ目は 2 つだけです。

  1. 時価で評価するか、しないか … 子会社株式・関連会社株式だけがしない
  2. 差額を損益にするか、純資産にするか … その他有価証券だけが純資産

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 売買目的有価証券の期末評価

根拠: 出題区分表 商-二-2-イ

売るために持っているので、時価がそのまま会社の実力です。
評価差額は当期の損益にします。

売買目的有価証券の帳簿価額 ¥83,000、期末時価 ¥90,000。決算の仕訳は?

借方 貸方
売買目的有価証券 7,000 有価証券評価益 7,000

時価まで帳簿価額を引き上げ、差額を当期の収益にする。
(「有価証券評価損益」1 つの勘定で処理する指示もある。)

売買目的有価証券の帳簿価額 ¥83,000、期末時価 ¥75,000。決算の仕訳は?

借方 貸方
有価証券評価損 8,000 売買目的有価証券 8,000

時価まで引き下げ、差額を当期の費用にする。

有価証券評価損益は損益計算書のどこに載る?

営業外収益 / 営業外費用

資金運用の結果なので営業利益より下。売却損益と同じ区分。

売買目的有価証券の評価替えは、翌期首に振り戻すか?

問題文の指示による(洗替法なら振り戻し、切放法なら振り戻さない)

売買目的有価証券はどちらも認められている。
指示が無ければ切放法(時価を新しい帳簿価額として続ける)で処理することが多い。
その他有価証券とは扱いが違う(あちらは必ず洗替)。

2. その他有価証券の期末評価

根拠: 出題区分表 商-二-13-ウ、商-三-7

持ち合い株など、すぐ売るつもりはないが子会社でもない株式です。
時価では評価しますが、売っていないのに利益が出た形にはしません。
そこで差額を損益ではなく純資産に直接入れます(全部純資産直入法)。

その他有価証券の帳簿価額 ¥500,000、期末時価 ¥540,000。決算の仕訳は?(税効果は考慮しない)

借方 貸方
その他有価証券 40,000 その他有価証券評価差額金 40,000

差額は純資産の項目であり、当期純利益には一切影響しない。

その他有価証券の帳簿価額 ¥500,000、期末時価 ¥460,000。決算の仕訳は?(税効果は考慮しない)

借方 貸方
その他有価証券評価差額金 40,000 その他有価証券 40,000

評価差額金が借方(マイナスの純資産)になる。
損(費用)ではない点が売買目的との最大の違い。

その他有価証券評価差額金は、貸借対照表のどこに載る?

純資産の部の「評価・換算等差額等」

株主資本(資本金・資本剰余金・利益剰余金)とは別の区分に置く。
利益剰余金に混ぜない——まだ実現していない損益だから。

その他有価証券の評価替えは、翌期首にどうする?

必ず振り戻す(洗替法)

借方 貸方
その他有価証券評価差額金 40,000 その他有価証券 40,000

翌期首に取得原価へ戻したうえで、翌期末にまた時価と比べる。
その他有価証券に切放法は認められていない。

全部純資産直入法とは何か?

評価差額が益でも損でも、まとめて純資産に入れる方法

評価損だけを当期の損失にする「部分純資産直入法」もあるが、それは 1 級の範囲。
2 級では全部純資産直入法だけを使う。

3. 子会社株式・関連会社株式

根拠: 出題区分表 商-二-13-イ

売る気がないので、時価は会社の実力を表しません。取得原価のまま置きます。

子会社株式の帳簿価額 ¥2,000,000、期末時価 ¥2,400,000。決算の仕訳は?

仕訳なし

子会社株式は取得原価のまま評価する。売却を予定していないので時価に意味がない。

子会社株式と関連会社株式は、何をもって区別する?

議決権の保有割合の目安
子会社株式 50% 超(支配している)
関連会社株式 20% 以上 50% 以下(重要な影響を与えられる)

どちらも取得原価で評価するので、期末処理は同じ。

子会社株式・関連会社株式は貸借対照表でどう表示する?

「関係会社株式」として投資その他の資産に載せる

有価証券(流動資産)にも投資有価証券にも混ぜない。

時価が著しく下落した有価証券はどうするか?

回復の見込みがなければ、時価まで評価を切り下げて当期の損失にする(減損処理)

借方 貸方
子会社株式評価損 ××× 子会社株式 ×××

取得原価で評価する子会社株式でも、この場合は例外的に評価替えする。
「著しい下落」の目安は時価が取得原価の 50% 程度以下。

4. 貸借対照表の区分

根拠: 出題区分表 商-二-13-オ

第 3 問(財務諸表の作成)では、同じ有価証券をどの区分に書くかが直接問われます。
勘定名と表示名は別物なので、対応を覚えておきます。

売買目的有価証券は、貸借対照表でどの区分に、どの名前で載る?

流動資産に「有価証券」として

すぐ売って現金にするつもりのものなので流動資産。

その他有価証券は、貸借対照表でどの区分に、どの名前で載る?

固定資産(投資その他の資産)に「投資有価証券」として

すぐ売る予定がないので固定資産の側。

満期保有目的債券は、貸借対照表でどの区分に載る?

満期までの期間で分かれる

満期 区分 表示名
決算日の翌日から 1 年以内 流動資産 有価証券
1 年を超える 投資その他の資産 投資有価証券

1 年基準で判定する。決算問題でよく問われる。

長期前払費用は、貸借対照表でどの区分に載る?

固定資産(投資その他の資産)

前払費用のうち、決算日の翌日から 1 年を超えて費用になる部分を分けたもの。
1 年以内のぶんは流動資産の「前払費用」に残す。同じ支払いが 2 つに割れることに注意。

3 年分の保険料 ¥360,000 を当期首に支払った。当期末の貸借対照表にはどう載る?

区分 金額
流動資産「前払費用」 ¥120,000(翌期 1 年ぶん)
投資その他の資産「長期前払費用」 ¥120,000(翌々期ぶん)

当期の費用 ¥120,000 を差し引いた残り ¥240,000 を、1 年基準で 2 つに割る。
全額を前払費用にしない。

このノートの 18 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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