工程別総合原価計算
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
出題区分表 工業簿記 第十一 7「工程別総合原価計算」ア(意義と目的)・
イ(全原価要素工程別総合原価計算の方法と記帳(累加法))。
0. どういう処理か
製品が複数の工程を順に通ってできあがる場合の計算です。
第 1 工程で加工したものを第 2 工程へ渡し、そこでさらに加工して完成させる、という形。
やることは 1 つだけです。
第 1 工程の完成品原価を、第 2 工程の「前工程費」として引き継ぐ。
これを工程の数だけ繰り返すのが累加法です。
そして前工程費は、第 2 工程では直接材料費と同じように扱います。
なぜか。 第 2 工程から見ると、第 1 工程の完成品は
「工程の始点で投入される材料」そのものだからです。
だから第 2 工程の月末仕掛品を計算するとき、前工程費には進捗度を掛けません。
| 第 2 工程の原価 | 換算するか |
|---|---|
| 前工程費 | しない(始点投入の材料と同じ) |
| 当工程の直接材料費 | 投入のされ方による |
| 当工程の加工費 | する |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 前工程費に進捗度を掛けない(始点投入の材料と同じ扱い)
- 第 1 工程の完成品原価だけが引き継がれる(月末仕掛品は第 1 工程に残る)
- 工程ごとに仕掛品勘定を設ける(第 1 工程仕掛品・第 2 工程仕掛品)
1. 工程別計算の目的
根拠: 出題区分表 工-十一-7-ア
なぜ工程を分けるのかは、部門別計算を分ける理由とほとんど同じです。
工程別総合原価計算を行う目的は?
- 製品原価をより正確に計算する(工程ごとに進捗度や投入のされ方が違うため)
- 工程ごとの原価管理(どの工程で原価が膨らんだかが分かる)
部門別計算を挟むのと同じ動機。
累加法とは?
前の工程の完成品原価を、次の工程に「前工程費」として順に加算していく方法
第 1 工程 → 第 2 工程 → …と積み上げる。
2 級で扱うのは累加法だけ(非累加法・加工費工程別は 1 級)。
全原価要素工程別総合原価計算とは?
直接材料費も加工費も、すべての原価要素を工程別に計算する方法
加工費だけを工程別に計算する「加工費工程別総合原価計算」は 1 級。
2. 前工程費の扱い
根拠: 出題区分表 工-十一-7-イ
前工程費 = 第 2 工程にとっての始点投入材料。この読み替えが要点です。
第 1 工程の完成品原価は、第 2 工程で何と呼ばれるか?
前工程費
第 2 工程の原価計算では、始点で投入された材料と同じ扱いをする。
第 2 工程の月末仕掛品を計算するとき、前工程費に進捗度を掛けるか?
掛けない
前工程費は第 2 工程の始点で全部投入されているので、
月末仕掛品も 100% 持っている。加工費とは扱いが違う。
第 1 工程の完成品 800 個の原価が ¥400,000 だった。第 2 工程への振替の仕訳は?
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 第 2 工程仕掛品 400,000 | 第 1 工程仕掛品 400,000 |
工程ごとに仕掛品勘定を設け、完成のたびに次工程へ振り替える。
第 1 工程の月末仕掛品は、第 2 工程へ引き継がれるか?
引き継がれない(第 1 工程の仕掛品勘定に残る)
引き継がれるのは完成品だけ。
第 1 工程仕掛品勘定の残高が、そのまま第 1 工程の月末仕掛品原価。
最終工程の完成品原価はどの勘定へ振り替える?
製品
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 製品 ××× | 第 2 工程仕掛品 ××× |
途中の工程は次工程へ、最終工程だけが製品へ行く。
第 2 工程で新たに材料を投入する場合、どう扱う?
投入のタイミングに応じて、前工程費とは別の欄で計算する
始点投入なら換算せず、平均的投入なら換算量を使う。
前工程費と当工程材料費を 1 つにまとめない(投入のされ方が違うため)。