リース取引
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
出題区分表 商業簿記 第二 15「リース※」ア(借手側の処理・利子込み法、利子抜き法(定額法))・
イ(短期リースおよび少額リースの取扱い)。
0. どういう処理か
リースは借りているだけなのに、資産として計上することがあります。
なぜか。 5 年契約で機械を借り、途中解約できず、リース料の総額が
その機械の値段とほぼ同じなら、実質的には買ったのと変わらないからです。
それを「借りている」というだけで貸借対照表に載せないのは、実態を隠すことになります。
判定は次の 2 つのどちらかを満たすかどうかです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 解約不能 | 途中でやめられない |
| フルペイアウト | 資産のほぼすべての経済的利益を受け、コストを負担する |
両方を満たすものをファイナンス・リースといい、資産計上します。
満たさないものはオペレーティング・リースで、支払ったリース料を費用にするだけです。
そして 2 級では、ファイナンス・リースの資産計上額の決め方が 2 通りあります。
| 方法 | リース資産の計上額 | 利息 |
|---|---|---|
| 利子込み法 | リース料総額 | 利息を分けない(簡便) |
| 利子抜き法 | 見積現金購入価額 | 差額を支払利息として各期に配分(定額法) |
利子抜き法のほうが正確ですが、2 級ではどちらも出ます。
問題文の指示を必ず読んでください。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- リース資産の減価償却は残存価額ゼロ・リース期間で行う(耐用年数ではない)
- 利子込み法では支払利息が出ない(リース債務の減少だけ)
- 短期リース・少額リースは資産計上しなくてよい
1. リースの分類
根拠: 出題区分表 商-二-15-ア、商-二-15-イ
「実質的に買ったのと同じか」——この一点で分かれます。
ファイナンス・リースの 2 つの要件は?
- 解約不能(途中でやめられない)
- フルペイアウト(資産の経済的利益をほぼすべて受け、コストもほぼすべて負担する)
両方を満たせばファイナンス・リース。実質的に購入と同じとみて資産計上する。
オペレーティング・リースの処理は?
支払ったリース料を費用にするだけ
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 支払リース料 ××× | 当座預金 ××× |
資産にも負債にも計上しない。ふつうの賃借と同じ扱い。
短期リース・少額リースはどう扱う?
資産計上せず、オペレーティング・リースと同じように費用処理してよい
- 短期リース … リース期間が1 年以内
- 少額リース … 資産の価額が少額
重要性が低いものに手間をかけない、という考え方。
2. 利子込み法
根拠: 出題区分表 商-二-15-ア
リース料総額をそのまま資産と負債にする。利息が出てこないぶん簡単です。
利子込み法では、リース資産をいくらで計上するか?
リース料総額
利息相当額を区分しないので、支払う金額の全部が資産・負債になる。
年間リース料 ¥240,000、リース期間 5 年(総額 ¥1,200,000)、見積現金購入価額 ¥1,100,000。利子込み法での契約時の仕訳は?
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| リース資産 1,200,000 | リース債務 1,200,000 |
総額で計上する。見積現金購入価額は使わない。
上の契約で、1 年目のリース料 ¥240,000 を当座預金から支払った。利子込み法での仕訳は?
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| リース債務 240,000 | 当座預金 240,000 |
支払利息は出ない(資産計上額に含まれているため)。
リース債務がそのまま減るだけ。
リース資産の減価償却はどう行う?
リース期間を耐用年数とし、残存価額ゼロ・定額法
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 減価償却費 240,000 | リース資産減価償却累計額 240,000 |
¥1,200,000 ÷ 5 年 = ¥240,000。
その資産本来の耐用年数ではなくリース期間を使う(返すため)。
3. 利子抜き法
根拠: 出題区分表 商-二-15-ア
見積現金購入価額で計上し、差額を利息として配る。割賦購入と同じ発想です。
利子抜き法では、リース資産をいくらで計上するか?
見積現金購入価額(現金で買ったらいくらか)
リース料総額との差額は利息相当額として、各期に配分する。
年間リース料 ¥240,000、リース期間 5 年(総額 ¥1,200,000)、見積現金購入価額 ¥1,100,000。利子抜き法での契約時の仕訳は?
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| リース資産 1,100,000 | リース債務 1,100,000 |
利息相当額 ¥100,000 は計上せず、支払いのつど費用にする。
上の契約で、1 年目のリース料 ¥240,000 を当座預金から支払った。利子抜き法(定額法)での仕訳は?
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| リース債務 220,000 | 当座預金 240,000 |
| 支払利息 20,000 |
利息総額 ¥100,000 ÷ 5 年 = 年 ¥20,000。
残りがリース債務の減少。
利子抜き法でのリース資産の減価償却額は?
¥220,000(¥1,100,000 ÷ 5 年)
計上額が違うので、減価償却額も利子込み法とは変わる。
残存価額ゼロ・リース期間で償却するのは同じ。
利子込み法と利子抜き法で、5 年間の費用総額は違うか?
同じ ¥1,200,000
| 内訳 | |
|---|---|
| 利子込み法 | 減価償却費 1,200,000 |
| 利子抜き法 | 減価償却費 1,100,000 + 支払利息 100,000 |
各期への配分と、費用の名前が違うだけ。
リース債務は貸借対照表でどう表示する?
1 年基準で流動負債と固定負債に分ける
翌期に支払う分は流動負債(リース債務)、
それ以降は固定負債(長期リース債務)。
第 3 問で問われることがある。